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タランティーノも注目する香港ノワールの鬼才、ジョニー・トーの魅力(1/2)

タランティーノも注目する香港ノワールの鬼才、ジョニー・トーの魅力
香港ノワールの鬼才、ジョニー・トー監督作『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』より - (c)2009 ARP_MEDIA ASIA ALL RIGHTS RESERVED

 ノワール調のシブいアクションから奇想天外なコメディー、甘いラブストーリーまで実に多彩な作品を手掛け、いまや香港を代表する鬼才といわれるジョニー・トー監督だが、クエンティン・タランティーノをはじめ世界中から注目を浴びる彼の作品と、その魅力を検証してみた。

 定石に縛られず、縦横無尽に映画作りに励むジョニー・トー。支持者に最もウケているのは、何を置いても男くささ満点、ノワール系のアクション作品群だろう。人気に火をつけた映画『ザ・ミッション 非情の掟』『ヒーロー・ネバー・ダイ』、そして映画『黒社会』の原題をもつ映画『エレクション』、さらには映画『エグザイル/絆』といった作品では、香港の裏社会に生きる男同士の友情という普遍的なテーマが盛り込まれているのが特徴。少々クサいけどストレートな友情に胸が熱くなるこれらの作品が、「男の美学」なんて評されるのも納得だ。とりわけアクションシーンにおいては、ジョニー・トーの個性が強烈にさく裂。ガンアクションで見られるスローモーションには絶妙なリズムがあり、銃弾や硝煙、血しぶきが見てとれるスタイルは、ジョニー・トーのファンにとっては毎回お楽しみの一つだろう。

 そんな彼がコメディーや恋愛ドラマを手掛けているのは意外だが、そこはやっぱりジョニー・トー。一筋縄ではいかないようだ。映画『イエスタデイ、ワンスモア』『過ぎゆく時の中で』のような大人の恋愛を描く作品もあれば、横浜の中華街で撮影された恋愛コメディー『ダイエット・ラブ』、死んだ恋人と心を通わせる映画『僕は君のために蝶になる』などでは一風変わっていながらもどこか切ないジョニー・トーらしさが感じられるはず。アクションが苦手な人は、恋愛ものからジョニー・トー作品に親しんでいくのもいいだろう。十人十色の恋愛模様を楽しめるはずだ。

 さらにマニアックな楽しみを挙げるなら、ジョニー・トー作品特有の演出だ。映画雑誌などで活躍するイラストレーターの三留まゆみは、男たちが繰り広げる少年のような会話、さらには料理に腕を振るって食事を始めるという演出を効果的に見せるのもジョニー・トーならではだと語る。同様のシーンは昨年公開されたフランスとの合作映画『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』にも登場するが、そういった演出がより一層登場人物たちの魅力を引き立てている。主演を務めたフランスの往年の俳優、ジョニー・アリディのオオカミのようなダークな魅力が存分に引き出せていたのも、ジョニー・トーの手腕だろう。事実、本作を観たクエンティン・タランティーノはジョニー・アリディにすっかり魅了され、彼のための作品を撮りたいと言っているようだ。ほかにも、ジョニー・トーの世界観に魅せられたハリウッドでも映画『MAD探偵 7人の容疑者』のリメイクが進行中といわれている。


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