ADVERTISEMENT

黒澤明にインスパイアされた『BIUTIFUL』!ハビエル・バルデムとイニャリトゥ監督インタビュー!

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • ツイート
  • シェア
真剣な面持ちで語り合うハビエル・バルデムとイニャリトゥ監督(左より)
真剣な面持ちで語り合うハビエル・バルデムとイニャリトゥ監督(左より) - (C) 2009 MENAGE ATROZ S. de R.L. de C.V., MOD PRODUCCIONES, S.L. and IKIRUFILMS S.L.

 映画『バベル』のアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督の最新作、映画『BIUTIFUL ビューティフル』の公開が今週末の6月25日に迫る中、イニャリトゥ監督と主演のハビエル・バルデムが、初タッグを組んだ本作について語った。黒澤明監督の『生きる』にインスピレーションを得たという本作は、父と息子の関係を描いた、両者にとっての代表作といえる作品だ。

映画『BIUTIFUL ビューティフル』写真ギャラリー

 本作は、末期がんに侵された男が子どもたちのために懸命に生きようとする姿を描いたヒューマンドラマ。同様のプロットを持つ黒澤明監督の映画『生きる』からインスパイアされたというイニャリトゥ監督は、黒澤監督について「天才的なストーリーテラーの一人だ。物語の始まりは特に意外性がなく、お決まりのストーリー展開は難しいものでありながら、巧妙な手法で魅せる」と絶賛。敬意を表するため、『生きる』の中から特に印象に残ったという、主人公が飲み屋で小説家に心中を吐露する場面を本作に引用しているほどだ。加えてイニャリトゥ監督は「わたしは、死についての映画を作る気はなかった。生命を失うという、避けられないことが起こったときの人生について考える映画を作りたかったのだ」とどこか『生きる』のテーマにも通じる制作姿勢についても明かしている。

ADVERTISEMENT

 これまでの作品でも父と息子の関係を断片的にではあるものの描いてきたイニャリトゥ監督だが、作品のメインテーマとして扱うのは本作が初めて。主人公ウスバルには自身の父子関係を投影しているといい、本作がとてもパーソナルな作品であることをほのめかしている。それだけに主演を務める役者には「いつも仕事をしたいと夢見ていた」というハビエル・バルデムを起用した。

 くしくもハビエルは、妻ペネロペ・クルスとの間に第1子が誕生したばかり。ハビエルは初めて本作の脚本を読んだとき、イニャリトゥ監督に「僕がこの役を演じ切れるかどうかわかりません。監督がこの作品で僕に望んでいるのは人生の旅ですからね。演技の範ちゅうを超えているし、まるで登山のようですね。だけどやってみたいです。何ができるか見てみましょう」と返答したことを明かすと、「人生を変えた、というのは言い過ぎかもしれないけれど、僕は本当に大切なものを学びました」と初タッグとなったイニャリトゥ監督との撮影現場を振り返った。

 5か月にも及んだという撮影は、イニャリトゥ監督が「体力的、そして精神的にも本当に疲れ果てた」というほどハードであり、「作品的にも人間の感情表現をマイクロレベルで追求し続けるのは、簡単なことじゃないよ」とその日の撮影が終わっても頭から離れないこともしばしば。それだけにイニャリトゥ監督は、本作の仕上がり、そして主演を務めたハビエルの演技には自信を持っている様子だった。ハビエルも「僕からは一言。『深い思いやり』ということを伝えたい。映画を観て、あなたの愛する人の手をしっかり握ってほしい。もしも目の前にいなかったら心の中でそうしてほしい。そしてこの映画が与える『愛』を感じてほしい」と本作をこれから観る人々にメッセージを送った。

ADVERTISEMENT

 本作は、イニャリトゥ監督が映画『バベル』以来4年ぶりに発表した監督作品。カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品されたほか、第83回アカデミー賞外国語映画賞にもノミネートされた。子どもたちをはじめとするキャストの多くが素人であるにもかかわらず、まったくそうは見えない作品世界を作り上げている。劇中で描かれるとてつもなくリアルなバルセロナの街は、このキャストでしかありえなかったと思わせられるほどだ。目の前で展開されるストーリーのにただ翻弄(ほんろう)され、圧倒される作品となっている。(編集部・福田麗)

映画『BIUTIFUL ビューティフル』は6月25日より全国公開

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • ツイート
  • シェア
ADVERTISEMENT

おすすめ映画

ADVERTISEMENT

人気の記事

ADVERTISEMENT

話題の動画

ADVERTISEMENT

最新の映画短評

ADVERTISEMENT