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アカデミー賞ドキュメンタリー部門にノミネートされたエイズ患者の権利拡大運動を起こした団体を描いた映画とは?

アカデミー賞ドキュメンタリー部門にノミネートされたエイズ患者の権利拡大運動を起こした団体を描いた映画とは?
(左から)ジム・エイゴ、ロン・ゴールドバーグ、アン・ノースロップ、サラ・ラフスキー

 今年のアカデミー賞ドキュメンタリー長編部門にノミネートされている映画『ハウ・トゥー・サヴァイヴ・ア・プレイグ(原題) / How to Survive a Plague』について、アン・ノースロップ、サラ・ラフスキー、ジム・エイゴ、ロン・ゴールドバーグが語った。

 同作は、1980年代からエイズ患者の権利拡大運動を起こした団体、「ACT UP(The AIDS Coalition to Unleash Power)」や「TAG(Treatment Action Group)」の活動を、当時のアーカイブ映像に映し出されたエイズ患者、政治家、科学者などと共につづった話題のドキュメンタリー作品。

 ジャーナリスト/活動家で、さらにテレビニュース番組「ゲイUSA」の司会者でもあるアン・ノースロップは「わたしは、ベトナム戦争の反対運動、女性の訴えるウーマンズ・ムーブメントに参加した後にCBSニュースを辞めて、へトリック・マーティン研究所のレズビアン&ゲイ・ユースで、エイズの教育者として働いたの。そこで、このエイズの問題も他の社会問題と似ていて、政界の権力者の関心が薄かったことで、さらに大きな問題に発展してしまったことを知った。そのため、それからは活動家としてエイズ問題について主張していくべきだと思ったの」と話した。

 エイズ患者の権利拡大運動の代表的存在だったロバート・ラフスキーの娘で、今作の編集アシスタントでもあるサラ・ラフスキーは「エイズ問題が特に世間を騒がしていた1985~1995年は、まだわたしは0歳~10歳だったため、この映画を製作するまで、活動家とは違った曖昧な見解しか持っていなかった。ただ、子どもの頃にわたしの誕生日に父ロバートがエイズ患者のための活動で警察に捕まり、誕生日を祝ってもらえなかったことを覚えているわ(笑)。でも、テレビ番組『60ミニッツ』に父が出演していたことなどを含め、父の活動を当時あまり理解できていなかったわたしは、活動家の人々が当時のビデオ映像を残していてくれたことに感謝している」と語った。

 舞台俳優兼活動家のロン・ゴールドバーグは「我々活動家も、当時エイズが発生したばかりの頃は、エイズについてまったく理解していなかった。でも、仲間同士で教育し合い、エイズ治療、政府の対応、(病院の入院を断られた)患者の居住場所などの情報を共有し合った。もちろん、一般の人たちも専門家に聞くことができるが、個人的にインターネットでも調べて学んでほしいんだ。それが、新たなエイズ患者のための権利拡大活動にもつながるからだ」と述べた。

 ちなみにACT UPなどの団体の推進のおかげで、現在エイズ患者は、より効果的な3種混合の薬剤カクテル療法を受け入れられるようになったが、3年前の2010年には、まだ世界で3,400万人ものエイズ患者がいる統計が出ている。映画は、エイズという世界的問題となった歴史を学ぶのに、最良のドキュメンタリー作品と言えるだろう。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)


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