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アルフォンソ・キュアロン監督が語る『ゼロ・グラビティ』の撮影手法とは?

アルフォンソ・キュアロン監督が語る『ゼロ・グラビティ』の撮影手法とは?
実はテクノロジーには疎い? アルフォンソ・キュアロン監督

 アカデミー賞ノミネート作品『ゼロ・グラビティ』の撮影についてアルフォンソ・キュアロン監督がイベントで語った。

 同作のストーリーは、地表から600キロ離れた宇宙で、メディカルエンジニアのライアン(サンドラ・ブロック)が、宇宙飛行士マット(ジョージ・クルーニー)とミッション遂行中に、想定外の事故に遭い宇宙空間に放り出され、残り2時間の酸素の中で懸命に生還を目指すというもの。

 製作の経緯について「脚本を僕の息子ホナスと共同執筆した当初は、母親が悲しみを宇宙で乗り越える独立系映画として製作する予定で、1年後にはVFXを駆使して製作できると、あくまで脚本家の視点で考えていた。ところが、脚本執筆後に撮影技術を熟考していくと、これまでのCGではうまくいかないことがわかった。ただ、それでも映像を通して物語を伝えたいというテーマだけは変わりなかった。僕はテクノロジーには疎かったため、その後は撮影技術に長けた人に囲まれながら製作することになった」と語った。

 そんな撮影技術に長けた人物について「視覚効果監修のティム・ウェバーと相談しながら進めた。最初はラフなアニメを手掛けた。通常の映画なら絵コンテは物語をガイドしていくが、この時のアニメは実際にカメラや照明の配置まで示され、どのように映像化するか理解できた。コンセプトは、宇宙空間を俳優を中心に回転させていく原理で始まっていった。問題なのは、俳優を逆さまにすれば、体内の血が逆流するが、無重力ならばそれもあり得ない。そのため、俳優は常に垂直の状態を意識しながら撮影していた」と明かした。

 製作に費やした期間について「2年半も撮影技術の開発に費やし、さらに2年かけて映画を完成させた。撮影は、夏に10~11週間撮影し、新たな撮影技術の開発により、翌年の夏に2~3週間の再撮影も行った。その他には、車を製造するようなロボットを改造してカメラを装着させたりもした」と答えた。また、サンドラ・ブロックとタッグについて「サンドラは5か月間準備してくれた。身体的な準備や宇宙空間でのボディーランゲージ、そして動きにくい(宇宙服の)中で、いかにスムーズに作業しているかを見せるための動きを学んでいたよ」と彼女の献身ぶりに感動したようだ。

 映画は、『2001年宇宙の旅』をほうふつさせる究極の映像美で、まさにオスカー候補にふさわしい作品だ。 (取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)


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