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原子炉の再稼働、風化……篠崎誠監督、釜山で3.11後の日本への危惧を明かす

第19回釜山国際映画祭

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映画『Sharing』のティーチインに登壇した篠崎誠監督(最右)ほか、キャストたち
映画『Sharing』のティーチインに登壇した篠崎誠監督(最右)ほか、キャストたち

 第19回釜山国際映画祭のアジア映画の窓部門で、『あれから』に続いて東日本大震災を題材にした篠崎誠監督最新作『Sharing』が上映され、篠崎監督や樋井明日香らキャストがティーチインを行った。

 映画『Sharing』は、 篠崎監督が勤めている立教大学の研究プロジェクトとして文部科学省から助成金を受けて制作された作品。2011年3月11日に起きた東日本大震災で多くの日本人が心にトラウマを抱えている現在のとある大学を舞台に、社会心理学の教授や演劇を学ぶ学生たちが、それぞれの心のダメージを乗り越えようとする過程を描く。

 本作に東日本大震災の影響が色濃く反映されていることについて篠崎監督は、「震災後、知人と連絡が取れなかったことがあるのです。前作の『あれから』で3.11を描きましたが、さまざまな思いを一つの映画ではとても描き切れず、今回も同じテーマを扱うことにしました」と意図を説明。続けて「あれからまだ3年しかたっていないのに、原子炉の再稼働が進められていることや、何もなかったかのような世間の空気に違和感を感じ、今作らないといけないと思いました」と日本の現状を危惧していることも明かした。

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 3.11を題材にした作品への日本の観客の反応について問われると、「3.11をテーマにした映画は、興業的にはほとんど成功していないと思います。でも自分にとって今最も切実なテーマだったのです。幸いにも商業面を考慮する必要のないプロジェクトとして、映画美学校と立教大学に支援してもらえたので、とても感謝しています」と劇場公開が未定のまま制作に至った経緯を説明。「この上映が最後の上映にならないように祈っています」と訴えた。

 また、同じく釜山国際映画祭のアジアの窓部門で上映された『さよなら歌舞伎町』にも染谷将太の妹役で出演している樋井は、『Sharing』に出演した理由を聞かれ、「地震については、実は少し目を背けたいものだったのですが、この映画に出演すると決めてからは、頭で考えるというより、台本と向き合って素直な気持ちで演じました」と答えた。(取材・文:芳井塔子)

映画『Sharing』は、公開未定

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