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挙動不審だったジャン=リュック・ゴダールと交わした奇妙なやりとり

挙動不審だったジャン=リュック・ゴダールと交わした奇妙なやりとり
ジャン=リュック・ゴダールと会った際の不思議な出来事について振り返った足立正生

 28日、横浜シネマリンで開催中の特集上映「ゴダールの60年代、そして現在」内で映画『女と男のいる舗道』が上映され、映画監督の足立正生がゴダールと会った際の不思議な出来事について振り返った。

 フランスの鬼才ジャン=リュック・ゴダール監督の最新作『さらば、愛の言葉よ』2D版が同館で上映されることを記念して開催中の本プログラム。期間中は『女と男のいる舗道』のほか、『彼女について私が知っている二、三の事柄』『男性・女性』などを上映。ゴダールを知らない若い世代の観客にも「ゴダール初体験」をしてほしいという趣旨で行われている。

 本プログラム第1弾ゲストとして来場したのは、元日本赤軍のメンバーとしても知られる映画監督の足立。かつて足立は、故・若松孝二監督とともにパレスチナゲリラを撮影した『赤軍派-PFLP 世界戦争宣言』(1971)を発表しているが、それ以前にゴダールに会いに行ったと告白。「ゴダールたちがパレスチナ解放闘争を撮影したのに発表される気配がなく。それがどうなったのか聞きたかった。ですからゴダールの映画を輸入していたフランス映画社に頼んで会いに行きました」と述懐する足立。

 しかしゴダールが指定した待ち合わせ場所は地下鉄の出口付近。しかも地下鉄から出てきたゴダールはあたりをきょろきょろしながらソワソワ。足立がパレスチナの話をしようとしても「やった方がいい」「すばらしい」と上の空で答えただけで、ほとんど会話にならなかったという。

 後々、理由が明らかになったところによると、パレスチナでの取材がもとで、PLOと論争になり、作るなという圧力があったのだという。しかし、ゴダールがきょろきょろしていたのはむしろもう一つの理由の方が大きかったようで、「ゴダールは金集めがうまくて。次はこういう映画を作ると言って、プロデューサーに金を用意させたままのものが貯まっていたらしく。カフェにいたら、プロデューサーにすぐに捕まるから、地下鉄の駅で立ち話になったんだと。当時、デジタルカメラがあったらその様子を撮影すれば面白かっただろうな」と笑う足立。ちなみにそのゴダールが撮影したパレスチナの映像はその後、『ヒア&ゼア・こことよそ』という映画になって世に出たという。(取材・文:壬生智裕)

特集上映「ゴダールの60年代、そして現在」は横浜シネマリンにて開催中


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