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第10回-日本映画の再生のために-私たちの税金が映画界でどのように使われているのか-(後篇)【映画で何ができるのか】(1/4)

第10回-日本映画の再生のために-私たちの税金が映画界でどのように使われているのか-(後篇)
前文化庁文化部芸術文化課主任芸術文化調査官(映画・映像担当)の佐伯知紀氏(写真左)と同文化部芸術文化課支援推進室長補佐の猿渡(えんど)毅氏

 私たちの税金が映画界でどのように使用され、どのような功績を果たしてきたのかを検証する「日本映画の再生のために」後篇です。平成15年(2003年)から日本映画界の振興に尽力してきた前文化庁文化部芸術文化課主任芸術文化調査官(映画・映像担当)の佐伯知紀氏と、同文化部芸術文化課支援推進室室長補佐の猿渡(えんど)毅氏に素朴な疑問をぶつけながら、時代に対応した助成の在り方について考えてみました。(取材・文:中山治美)

--いま政府が行っている文化の海外発信政策と言えばクールジャパンがありますが、あちらは経済通産省(以下、経産省)。しかし是枝裕和監督『そして父になる』がカンヌ国際映画祭に参加した際には、経産省と総務省が連携して実施している「ジャパン・コンテンツ ローカライズ&プロモーション助成金」(以下、J-LOP)がレセプションなどのプロモーション費用を支援しています。文化庁と他省の事業がかぶっているように思うのですが、連携は取れているのでしょうか?

佐伯「J-LOPが平成25年(2013年)3月から公募を始めたのに伴い、それまで、文化庁が公益財団法人ユニジャパンに委託している海外映画祭出品支援の対象だったプロモーション費用は除外しました」

大阪アジアン映画祭
第10回大阪アジアン映画祭には、芸術文化振興基金から600万円が助成されてる。

--でもそれって、映画を商品と捉えて一般企業に当てはめれば、営業活動に必要な経費に該当するものですよね。それを国が助成するということに疑問も感じます。

佐伯「それも、一方では理解出来ます。今後、議論をする機会があったら、その都度、個別に考慮すれば良いと思います」

--また経産省との関連で言えば、東京国際映画祭の主催は公益財団法人ユニジャパンですが、共産共催に経済産業省(マーケット部門)、そして文化庁は支援という立場になっています。その国を代表する国際映画祭では大概文化庁に当たる部門が率先して開催しているのですが、ここも違和感を抱くところです。

佐伯「それは日本の映画界の成り立ちに関わることです。始まりは昭和20年代の戦後。映画=産業であって、昭和28年(1953年)に設立された一般社団法人映画産業団体連合会の会長が、業界トップの象徴的地位にある(現会長は松竹株式会社代表取締役会長の大谷信義氏)。文部省の外局として、文化の振興や保護を目的とした文化庁が設置されたのが昭和43年(1968年)ですから、その前まで補助なんてなかったわけです。つまり、この国の文化の在り方が今に続いていると考えなければなりません」


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