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カンヌで是枝監督『怪物』にスタンディングオベーション!安藤サクラ、パルムドールの『万引き家族』以上だったと笑顔

第76回カンヌ国際映画祭

上映後にスタンディングオベーションを受ける安藤サクラ、是枝裕和監督、永山瑛太、坂元裕二
上映後にスタンディングオベーションを受ける安藤サクラ、是枝裕和監督、永山瑛太、坂元裕二

 現地時間17日、第76回カンヌ国際映画祭でコンペティション部門に選出されている是枝裕和監督作『怪物』の公式上映が行われ、上映後には「ブラボー!」「オメデトウ!」など掛け声がかかり、総立ちの観客から熱い拍手が贈られた。是枝監督、安藤サクラ永山瑛太、脚本の坂元裕二は感激の面持ちでスタンディングオベーションに応えた。

【画像】美しい!レッドカーペットでの安藤サクラ

 『怪物』はカンヌ常連の是枝監督と、脚本家・坂元裕二、音楽・坂本龍一さんが組んだ人間ドラマ。学校でトラブルを抱えているらしい息子に心を痛めるシングルマザー、事なかれ主義の教師陣、そして無邪気な子供たちと、登場人物それぞれの視点による「怪物」探しの果てを描く。主人公たちを演じた子役の黒川想矢柊木陽太は時間帯が夜だったため最後までは参加できなかったが、レッドカーペットは監督、キャスト陣と共に堂々と歩き、集まった数多くのフォトグラファーたちに笑顔で手を振っていた。

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 時に笑いが起きるなか、推進力の強い物語に気付けばのめり込んでいった様子の観客たち。エンドクレジットが流れはじめ、3月にこの世を去った坂本龍一さんへの追悼の言葉が映し出されると観客の拍手は一層大きなものに。会場の明かりが灯るや観客は総立ちとなり、是枝監督がマイクを取ってキャスト、スタッフ、そして観客への感謝を述べ始めるまで、5分以上にわたって熱いスタンディングオベーションが贈られた。

安藤サクラ、是枝裕和監督、永山瑛太、坂元裕二
上映後に取材に応じた是枝裕和監督、安藤サクラ、永山瑛太、坂元裕二

 同じく是枝監督と組んだ『万引き家族』以来、2度目のカンヌとなった安藤は「前回は初めての興奮であっという間に終わってしまったので、今回は『これがカンヌか』とかみしめながら過ごしています」と笑顔を見せる。『万引き家族』(2018)は最高賞パルムドールを受賞したが、観客の拍手はどちらの時の方が大きかったかを問われると「今回!」と即答。「え、違います?(笑) 拍手は変わってないけどわたしの感じ方が変わったのかな?」と笑いながらも、「でも今回!」とあらためて宣言した。

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 本作はコンペ部門で最初の上映作となり、是枝監督は「トップバッターだったので責任重大だと思っていましたが、観てくれた方たちの顔がとても輝いていたので、いい上映だったなと感じています」と安どの表情。永山は「この『怪物』という作品に携わることができ、今まで俳優をやってこられてよかったなと心から感じました」と感慨深げだった。

 是枝監督にとって、本作は実に7度目のカンヌコンペ出品作。『誰も知らない』では柳楽優弥に、『ベイビー・ブローカー』ではソン・ガンホに最優秀男優賞をもたらし、『そして父になる』で審査員賞、『万引き家族』でパルムドールを受賞している。是枝監督は「僕らの世代は、デビューしてすぐに海外の映画祭に呼ばれていくという状況が2000年代の初頭まであり、どうしても『どういうふうにすれば日本の外で受け入れられるのか』ということを考えざるを得なかった時期があるのですが、そこで“グローバルに”“普遍的に”ということを考えて成功するかというと、全くそんなことはないということに気付きました」と自身のキャリアを振り返る。

 「今自分がちゃんとローカルに生きながら、そこで切実な題材ときちんと向き合っていく。自分の足元を掘っていけば、地球の反対側にも届く、という発想ですね。“広く、広く”ではなく、“狭く、深く”というスタンスで作るようになって、もう15年くらいたちます」と海外の観客の心も打つ、映画作りの心得を明かしていた。受賞結果は映画祭最終日の現地時間27日に発表される。(編集部・市川遥)

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