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愛の行為の美しさを3Dで…「ポルノ映画ではない」鬼才ギャスパー・ノエが断言

愛の行為の美しさを3Dで…「ポルノ映画ではない」鬼才ギャスパー・ノエが断言
『LOVE【3D】』より - (C) 2015 LES CINEMAS DE LA ZONE . RECTANGLE PRODUCTIONS . WILD BUNCH . RT FEATURES . SCOPE PICTURES .

 映画『アレックス』や『エンター・ザ・ボイド』など衝撃的な作品を生み出してきた鬼才ギャスパー・ノエ監督が、3Dで愛を描いた最新作『LOVE【3D】』を引っ提げ来日し、本作の見どころなどを語りつつ、日本では性描写のシーンにぼかしが入ってしまうことでポルノ映画とみなされてしまうことを嘆いた。

 逆戻りで始まる一夜の物語で、モニカ・ベルッチが女優生命をかけて壮絶なレイプシーンに挑んだ『アレックス』(2002)、夜の東京で違法に働く外国人兄妹の悲しい運命を主人公の視点で切り取った『エンター・ザ・ボイド』(2009)など常にショッキングな作品で映画界をにぎわせてきたノエ監督。そして今回たどり着いたのが究極の愛を3Dで描くという発想だ。

画像テキスト
来日中インタビューに応じたギャスパー・ノエ監督

 近年3D映画というのは何ら真新しいものではなくなったが、「2Dで撮っていたものをただ3Dでやりましたっていうだけで、3Dならこういうほうが観やすいというのを一切考えないで作られている作品が多いように思う」とハリウッドの3D作品に対してポツリ。

 3Dにはアクション映画ではなく、ゆっくりとしたカメラワークの作品が向いているのではないかと持論を続けるノエ監督は、「自分は愛の行為の美しさとか、生きる力とか、そういう部分を描きたかったので、センチメンタルな感じで描いてみました。小津安二郎監督の作品や自分の過去作品『カノン』のように、じっくりゆっくりあんまりカメラを動かさずに、3Dでと思いながら撮りました」と本作の意図を明かす。

 また、独特な色使いや構図が洗練された印象を与えるが、「もちろん今までに映画作りの経験がありますので、ビジュアルとか音声をエレガントにというのは心得ています。でも、撮り方に秘訣があるわけではなく、あくまでも被写体が美しいから」と本作のキャスト陣を称賛。監督の前作『エンター・ザ・ボイド』では技術面ばかりが注目されたことを受け、今回は3D技術を駆使していながらも、『エマニエル夫人』(1974)や『アデル、ブルーは熱い色』(2013)のように、あくまでも登場人物たちの美しさにフォーカスしていることを語る。

 そして、日本での上映に際し、性描写にぼかしが入ることについて、「これは全然ポルノ映画ではなくてセンチメンタルな映画なのに、ぼかしが入っているからポルノなのかと思われてしまうのが残念」と嘆くノエ監督。最後に「愛っていうのはいろんな形があるけれど、自分が定義するとしたら、自分を取り巻く、生きているものすべての中から、自分が愛おしいと思える存在を見つけ、特別な関係を築くことだと言えて、それは人間だけとは限らない」と愛とは何たるかを説いていた。『LOVE【3D】』は、青年マーフィーがかつての恋人エレクトラとの出会いから別れに至る2年間の記憶を、大胆な性描写を交えて振り返る。(編集部・石神恵美子)

映画『LOVE【3D】』は4月1日より新宿バルト9ほか全国公開


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