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マット・デイモンわずか13センチの小型人間に!異色作でベネチア映画祭開幕

第74回ベネチア国際映画祭

『ダウンサイジング(原題)』でベネチア国際映画祭開幕!(左から)マット、クリステン、ホン、ペイン監督
『ダウンサイジング(原題)』でベネチア国際映画祭開幕!(左から)マット、クリステン、ホン、ペイン監督 - (C)La Biennale di Venezia

 世界三大映画祭の一つ、第74回ベネチア国際映画祭が現地時間30日、イタリアで開幕した。オープニング作品として、マット・デイモン主演、『アバウト・シュミット』のアレクサンダー・ペイン監督によるSF社会風刺コメディー『ダウンサイジング(原題) / Downsizing』が上映された。

マット・デイモン赤面の瞬間!【写真】

 アカデミー賞の前哨戦としても毎年注目を浴びている本映画祭。世界中を熱狂に包んだミュージカル『ラ・ラ・ランド』が昨年、本映画祭オープニング作品としてワールドプレミア上映され、拍手喝采を受けたことも記憶に新しい。そして今年のオープニングを飾ったのは、社会風刺やブラックユーモアを得意とするペイン監督が長年温めてきた意欲作『ダウンサイジング(原題)』だ。過剰人口の解決策として人間の体のサイズをわずか5インチ(約13センチ)ほどに縮小させる技術が発見された世界を舞台に、ある男ポール(マット)はより豊かな人生を送るべく、妻オードリー(クリステン・ウィグ)とこの画期的手術を受ける決心をする。ところが寸前で妻は翻意し、ポールだけが小さくなってしまう。

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 環境問題、格差社会といったシビアな現実問題を扱いながら、コメディーでありSFであり、ラブストーリーでもある本作について、「脚本がとても素晴らしく、美しかった。オリジナルでとてもユニークだと思った」と出演を引き受けた理由を語るマット。続けざま、本作を観たばかりの記者から「この映画はアレクサンダー作品史上、最も楽観的な作品だよ。終末論も描かれているのにね」と言われたことを茶目っ気たっぷりに明かし、会場の笑いを誘った。一方のペイン監督は、長年のコラボレーターであるジム・テイラーと脚本も担当しており、執筆にあたって物理学の専門家などに話を聞いたりはしたものの、あくまでも物語を優先したそうで、もし“ダウンサイジング”が実現したら、「人間の声はそのままではないし。ある程度の落下にも耐えられなくなる。枝なんかを持ちながら手をバタバタするだけで、鳥のように飛べるかもしれないらしいからね」と笑っていた。

 また、妻役のクリステンに加え、クリストフ・ヴァルツローラ・ダーンニール・パトリック・ハリスら豪華キャストが名を連ねているものの、上映後には本作が劇場映画出演2作目のベトナム系アメリカ人女優ホン・チャウが注目の的に。ポールが縮小した後でひょんなことをきっかけに出会うベトナム人女性を熱演しているホンに、会場からは「本作の演技で賞シーズンを賑わせることになるのではないか?」といった賛辞も飛び出す。しかし、その言葉がチャウに向けられたものと気づかなかったマットは「僕のこと?」と真面目に答えてしまい、赤面する一幕も。「マットは撮影現場でもこうなんです」とジョークで返し、マットをかばうホンだった。

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 最高賞の金獅子賞を争うコンペティション部門には、日本から福山雅治主演・是枝裕和監督の『三度目の殺人』が選出されている。そのほかにも日本勢は、北野武監督の最新作『アウトレイジ 最終章』がクロージング作品、福山雅治が中国人俳優チャン・ハンユーとダブル主演を務めたジョン・ウー監督作『追捕 MANHUNT(原題)』と坂本龍一を追ったドキュメンタリー映画『Ryuichi Sakamoto: CODA』がアウト・オブ・コンペティション部門、ダミアン・マニヴェル五十嵐耕平共同監督作『泳ぎすぎた夜』がオリゾンティ部門に出品されており、例年以上の盛り上がりを見せそうだ。(編集部・石神恵美子)

第74回ベネチア国際映画祭は現地時間9月9日まで開催

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