なかざわひでゆき

なかざわひでゆき

略歴: 日本大学芸術学部映画学科卒、同学部大学院卒。映画・海外ドラマのライターとしてキャリア30年。TVガイド誌やオンライン情報サイトなどを中心に幅広く執筆活動中。雑誌「スカパー!TVガイドBS+CS」(東京ニュース通信社刊)で15年続くコラム“映画女優LOVE”をはじめ各テレビガイド誌で特集記事やコラムを執筆。著書は「ホラー映画クロニクル」(扶桑社刊)、「アメリカンTVドラマ50年」(共同通信社刊)など。海外取材経験も多数。旧ソ連のモスクワ育ち。

近況: 目下のところBabyMonsterとTXTにドハマリ中。まさか高校生の姪っ子と推しが被ることになるとは…(^^;

サイト: http://eiga3mai.exblog.jp/

なかざわひでゆき さんの映画短評

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  • ジョン・レノン 失われた週末
    あの時代を生きたアジア系移民女性の記録としても興味深い
    ★★★★

     ジョン・レノンとオノ・ヨーコが別居していた18カ月間に何があったのか。ヨーコ公認の「恋人」として、ジョンと一緒に過ごした個人秘書メイ・パンの証言を中心に振り返るドキュメンタリーだ。芸能スキャンダルの裏側を垣間見る面白さも然ることながら、リベラル革命の時代を駆け抜けたアジア系移民女性の半生の記録としても実に興味深い。祖国の伝統に縛られた移民一世の父親に反発し、保守的な古き良きアメリカにも中指を立てたスラム街出身の中国系女性が、自由な空気と己の直感に突き動かされて音楽業界へ身を投じ、時代の最前線を目の当たりにしていく。その軽やかさと柔軟さ。ヨーコとは違う種類の強さをジョンは愛したのかもしれない。

  • 猿の惑星/キングダム
    世界の今を映し出すSF冒険アクション
    ★★★★

     『猿の惑星』新3部作の第1弾。前作から300年後、人間が野生へ退化して猿が地上の支配者となり、かつて人類が文明を築いたことすら半ば忘れられた世界。過去の歴史を自分に都合良く修正し、英雄シーザーの遺した言葉を歪曲することで自らを神格化した独裁者が台頭する中、故郷の村を破壊された若き猿ノアは言葉を喋る人間の女性ノヴァの力を借り、連れ去られた家族や仲間を救うため独裁者と対峙する。分断と対立、融和と理解を描いたストーリーは、まさしく現実社会の写し鏡。そのうえで、歴史修正主義に警鐘を鳴らし歴史の教訓に学ぶことの重要性を説く。もちろん、無垢な若者の成長を軸としたSF冒険アクションとしても良く出来ている。

  • 無名
    新旧美形スターの競演も見どころ!
    ★★★★

    日中戦争下の上海を舞台に、中国共産党に国民党、汪兆銘政権に日本軍と、それぞれのスパイが三つ巴ならぬ四つ巴の、血で血を洗う熾烈な諜報合戦を繰り広げていく。『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・上海』のチャン・アル監督による、ノスタルジックでスタイリッシュで退廃的な映像美、長回しと溜めを存分に活かした繊細な演出がなんとも艶めかしい。トニー・レオンにワン・イーボーという新旧美形スターの競演も眼福である。また、日本軍の残虐行為をストレートに描きつつ、しかしその一方で必ずしも誰かを悪魔化したりなどせず、大義名分のぶつかり合いを通して戦時下における暴力の不条理を際立たせている点も興味深い。

  • ゴジラxコング 新たなる帝国
    ゴールデンウィーク向けのイベント映画としては最適
    ★★★★★

     ゴジラが地上世界を、キングコングが地下空間を守ることで怪獣界のパワーバランスが保たれる中、人類の新たな脅威となる邪悪な勢力が出現する…ということで、モンスター・ヴァース最新作は良くも悪くも「東宝チャンピオンまつり」的な怪獣大饗宴。今回はゴジラとキングコングに加えてモスラも登場し、地上に地下にと暴れまわる。傑作『ゴジラ -1.0』を見てしまった後だけに、あまりにも大味な脚本や過剰なVFXが気になってしまうものの、とりあえず打ち上げ花火的なエンタメ大作としては全然アリ。家族連れやカップルでゴールデンウィークに映画館の巨大スクリーンで見るにはうってつけである。

  • リバウンド
    なんとも愛おしい韓流スポ根映画の佳作!
    ★★★★

     廃部寸前の弱小高校バスケ部が、圧倒的に不利な状況にもかかわらず全国大会で強豪校を相手に大活躍したという韓国の実話。どこかで聞いたようなプロットではあるものの、しかしこれが予想を遥かに上回るような面白さだった!指導者未経験の新任コーチ(アン・ジェホン好演!)は人生に挫折した元高校バスケのスター選手、集まったメンバーもここしか行き場のないワケアリ選手ばかり。そんな負け犬集団たちの迷いと葛藤と飛躍を通して、楽しくて夢中になれるものが人生を豊かにする、だからこそ「好き」を諦めるんじゃないと教えてくれる。ユーモラスで軽妙な語り口は勿論、カメラが縦横無尽に駆け回る試合シーンの臨場感と迫力も素晴らしい。

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