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第75回カンヌ国際映画祭(2022年)コンペティション部門21作品紹介

第75回カンヌ国際映画祭

カンヌ国際映画祭
第75回カンヌ国際映画祭(2022年)オフィシャルポスター(C)Paramount Pictures Corporation - Jim Carrey, The Truman Show by Peter Weir / Graphic Design(C)Hartland Villa

 5月17~28日(現地時間)に開催される第75回カンヌ国際映画祭コンペティション部門21作品を紹介(コンペティション外を除く)。今年は、歴代パルムドール受賞者、ベルギーのジャン=ピエール・ダルデンヌリュック・ダルデンヌ兄弟、ルーマニアのクリスティアン・ムンジウ、スウェーデンのリューベン・オストルンド、さらに日本から是枝裕和といった監督が再び名を連ねる。また、ケリー・ライカートデヴィッド・クローネンバーグクレール・ドゥニジェームズ・グレイパク・チャヌクといったパルムドール初受賞を狙うフィルムメーカーも参戦。混戦が予想される本年度のパルムドールの栄冠に輝くのは……!?(文:岩永めぐみ/平野敦子/本間綾香)

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<パルムドール(最高賞)>『トライアングル・オブ・サッドネス(原題) / Triangle of Sadness』

トライアングル・オブ・サッドネス
『トライアングル・オブ・サッドネス(原題) / Triangle of Sadness』より - (C)Fredrik-Wenzel(C)Plattform

製作国:スウェーデン、イギリス、アメリカ、フランス、ギリシャ
監督:リューベン・オストルンド
キャスト:ウディ・ハレルソンハリス・ディキンソン

【ストーリー】
高級ヨットクルーズに招待されたファッションモデルのカップル、カールとヤヤはカリブ海で海賊に襲われ、一握りの生存者たちとともに無人島に漂着。生き抜く術を身につけた中年の清掃作業員の女性がグループのリーダー的存在になり、女性たちが権力を握っていく。

【ここに注目】
パルムドール受賞の『ザ・スクエア 思いやりの聖域』(2017)や『フレンチアルプスで起きたこと』(2014)で知られるスウェーデンの鬼才リューベン・オストルンドが初めて手がけた長編英語作品。『スリー・ビルボード』(2017)のウディ・ハレルソンがマルクス信奉者の船長役、ハリス・ディキンソンとチャールビ・ディーン・クリークがカール&ヤヤを演じた。その他の共演は、オリヴァー・フォード・デイヴィスズラッコ・ブリッチら。人間の醜悪さをまざまざと見せつける、オストルンド監督らしい痛烈なブラックユーモアが今回も期待できそうだ。

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<グランプリ>『クローズ(英題) / Close』

クローズ
『クローズ(英題) / Close』より - (C)Kris Dewitte_Menuet

製作国:ベルギー、オランダ、フランス
監督:ルーカス・ドン
キャスト:エミリー・ドゥケンヌレア・ドリュッケール

【ストーリー】
そろそろ思春期を迎えようとする13歳の親友同士の少年レミとレオの仲は、ある日突然ギクシャクしてしまう。ショックを受けたレオは少しでもその原因を探ろうと、レミの母親であるソフィーに救いを求めて近づいていく。

【ここに注目】
長編デビュー作『Girl/ガール』(2018)が第71回本映画祭でカメラドール(新人監督賞)、ある視点部門の最優秀俳優賞、国際映画批評家連盟賞、クィアパルム賞の4冠に輝いた、ルーカス・ドンによる青春ドラマ。思春期の入り口にさしかかった少年たちの混乱を、みずみずしいタッチで描写する。『ラヴ・アフェアズ』(2020)のエミリー・ドゥケンヌ、『ジュリアン』(2017)のレア・ドリュッケールらが出演。『Girl/ガール』でもドン監督とタッグを組んだ脚本のアンジェロ・タイセンスや、撮影のフランク・ヴァン・デン・エーデンらチームの再結集により、再びの栄光を目指す。

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<グランプリ>『スターズ・アット・ヌーン(英題) / Stars at Noon』

スターズ・アット・ヌーン
『スターズ・アット・ヌーン(英題) / Stars at Noon』より

製作国:フランス
監督:クレール・ドゥニ
キャスト:マーガレット・クアリージョー・アルウィン

【ストーリー】
サンディニスタ革命に揺れる1984年のニカラグアで、情熱的な恋に落ちる謎めいたイギリス人男性と頭の切れるアメリカ人ジャーナリスト。二人は嘘と陰謀が渦巻く危険な状況に追い込まれ、国外へ脱出せざるを得なくなる。

【ここに注目】
ショコラ』(1988)、『パリ、18区、夜。』(1994)のクレール・ドゥニ監督が、作家デニス・ジョンソンの小説を映画化。『女王陛下のお気に入り』(2018)のジョー・アルウィンと、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(2019)のマーガレット・クアリーが主人公の男女を演じた。ニカラグアの情勢を鑑みて、ドゥニ監督と縁の深いパナマで撮影が行われたとのこと。『モーターサイクル・ダイアリーズ』(2003)、『真実』(2019)のエリック・ゴーティエが撮影監督を務めている。

<審査員賞>『エオ(原題) / EO』

エオ
『エオ(原題) / EO』より - (C)Aneta Gebska i Filip Gebski

製作国:ポーランド
監督:イエジー・スコリモフスキ
キャスト:ロレンツォ・ズルゾロマテウシュ・コシチュキェヴィチ

【ストーリー】
バルタザールという名前のロバの物語は、ポーランドのサーカスで始まり、イタリアの食肉処理場で終わる。旅の途中で無垢(むく)なロバは善人や悪人と出会いながら喜びと同時に苦痛も味わい、皮肉な運命によって押しつぶされる。

【ここに注目】
脚本家、監督、俳優として活躍するポーランドの巨匠、イエジー・スコリモフスキが放つ風刺ドラマ。一頭のロバの目を通してその人生を描く「ロードムービー」という名の旅は、ロバがたどる運命を描くと同時に、混乱する現代社会を投影している。『出発』(1967)で第17回ベルリン国際映画祭金熊賞、『ザ・シャウト/さまよえる幻響』(1978)で第31回本映画祭審査員賞、『ライトシップ』(1985)で第42回ベネチア国際映画祭審査員特別賞を受賞。俳優として『イースタン・プロミス』(2007)などにも出演する、世界3大映画祭を制した監督は栄冠に最も近い。

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<審査員賞>『ル・オット・モンターニュ(原題) / Le otto montagne』

ル・オット・モンターニュ
『ル・オット・モンターニュ(原題) / Le otto montagne』より

製作国:イタリア、ベルギー、フランス
監督:フェリックス・ヴァン・ヒュルーニンゲンシャルロッテ・ファンデルメールシュ
キャスト:アレッサンドロ・ボルギルカ・マリネッリ

【ストーリー】
都会の少年ピエトロと、山育ちのブルーノがアルプスの山で出会い、同じ11歳同士ということもあり親しくなる。やがて成長した彼らは別々の人生を歩んでいたが、世界中を旅するピエトロと、ずっと山で暮らすブルーノの人生が再び交錯する。

【ここに注目】
パオロ・コニェッティのベストセラー小説「帰れない山」を原作に描く人間ドラマ。アルプスの山で出会った11歳の二人の少年の友情と絆を映し出す。『ビューティフル・ボーイ』(2018)のフェリックス・ヴァン・ヒュルーニンゲンと、『プライム・ターゲット』(2016)などで女優としても活躍するシャルロッテ・ファンデルメールシュが監督と脚本を担当。『オーバー・ザ・ブルースカイ』(2012)が、第86回アカデミー外国語映画賞にノミネートされたヴァン・ヒュルーニンゲン監督の勝利は近い。

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<監督賞>パク・チャヌク『ディシジョン・トゥー・リーブ(英題) / Decision to Leave』

製作国:韓国
監督:パク・チャヌク
キャスト:タン・ウェイパク・ヘイル

【ストーリー】
ヘジュン刑事は、ある男性が亡くなった殺人事件の捜査を担当することになる。さまざまな観点から調べを進めるうちに、犠牲者の妻である謎めいたソレにますます疑念を抱くようになっていく。

【ここに注目】
お嬢さん』(2016)、『渇き』(2009)などで長年タッグを組んできた、パク・チャヌク監督と脚本家のチョン・ソギョンが再び手を組んだミステリー。とある殺人事件を追う刑事が、犠牲者の妻である女性を疑うようになる。本映画祭では『オールド・ボーイ』(2003)でグランプリ(審査員特別賞)、『渇き』で審査員賞を受賞、『お嬢さん』もコンペ部門に出品された。ポン・ジュノ監督の『パラサイト 半地下の家族』が、第72回の本映画祭で韓国映画として史上初のパルムドールを受賞しているだけに、パク監督のパルムドール受賞にも期待がふくらむ。

<男優賞>ソン・ガンホ『ベイビー・ブローカー』

製作国:韓国
監督:是枝裕和
キャスト:ソン・ガンホカン・ドンウォン

【ストーリー】
借金苦にあえぐクリーニング店主サンヒョンと、“赤ちゃんポスト”がある施設で働くドンス。乳児売買を裏稼業とする二人は、若い女ソヨンが赤ちゃんポストに預けた赤ん坊を連れ去るが、思い直し戻ってきたソヨンが警察に通報しようとしたため、やむを得ず一緒に養父母探しの旅に出る。

【ここに注目】
万引き家族』(2018)でパルムドールを受賞した是枝裕和監督が、長年温めてきたオリジナル企画を映画化した初の韓国映画。子どもを養育できない人が、匿名で赤ん坊を預けていく“赤ちゃんポスト”をめぐるヒューマンドラマで、アカデミー賞作品賞受賞作『パラサイト 半地下の家族』(2019)の名優ソン・ガンホがサンヒョン役で主演。ほかに『MASTER/マスター』(2016)のカン・ドンウォンがドンス、『空気人形』(2009)のペ・ドゥナが乳児売買を追う刑事、シンガーソングライター「IU」としても活躍するイ・ジウンがソヨンを演じている。

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<女優賞>ザール・アミール・エブラヒミ『ホーリー・スパイダー(英題) / Holy Spider』

ホーリー・スパイダー
『ホーリー・スパイダー(英題) / Holy Spider』より

製作国:デンマーク、ドイツ、スウェーデン、フランス
監督:アリ・アッバシ
キャスト:ザール・アミール・エブラヒミメヒディ・バジェスタニ

【ストーリー】
あるジャーナリストがイランの聖地マシュハドの暗黒街に潜入し、連続殺人の犯人「スパイダー・キラー」を追う。その犯人は、よき家庭人のサイードであるが、独自の宗教観のもと街を浄化するため何人もの売春婦を殺害する。だが、自分の行った神聖な使命に誰も関心を示さないことに絶望する。

【ここに注目】
ボーダー 二つの世界』(2018)のアリ・アッバシ監督が手掛けるクライムスリラー。イランのテヘランとスウェーデンで建築を学び、デンマークで映画を学んだアッバシ監督。長編デビュー作『マザーズ』(2016)とカンヌ国際映画祭ある視点部門グランプリを獲得した『ボーダー 二つの世界』は北欧での物語だったが、本作は母国イランが舞台となる。イランでの連続殺人犯の実話にインスパイアされたもので、宗教をテーマにしたハードな衝撃作だけに大きな議論を呼びそう。

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<脚本賞>タリク・サレー『ボーイ・フロム・ヘブン(英題) / Boy from Heaven』

ボーイ・フロム・ヘブン
『ボーイ・フロム・ヘブン(英題) / Boy from Heaven』より - (C)Atmo Righs AB

製作国:スウェーデン
監督:タリク・サレー
キャスト:タウフィーク・バルホームファレス・ファレス

【ストーリー】
漁師の息子であるアダムは、カイロにあるイスラム教スンナ派の名門アル=アズハル大学に通っている。夏休み明けの初日、偉大なイマーム(宗教指導者)が学生たちの前で亡くなったことをきっかけに、その後継者を狙う争いが勃発する。

【ここに注目】
2017年のサンダンス映画祭で、ワールド・シネマ・ドラマ部門でグランプリを受賞したスウェーデン映画『ザ・ナイル・ヒルトン・インシデント(英題) / The Nile Hilton Incident』のタリク・サレー監督が手掛けた社会派ドラマ。エジプト・カイロの名門大学を舞台に、宗教指導者の死によって巻き起こる、国の宗教的エリートと政治的エリートたちによる権力闘争の様子を描き出す。『歌声にのった少年』(2015)のタウフィーク・バルホーム、『特捜部Q』シリーズのファレス・ファレスらが共演する問題作が、審査員や観客たちの心に響くに違いない。

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<75周年記念賞>『トリ・アンド・ロキータ(英題) / Tori and Lokita』

トリ・アンド・ロキータ
『トリ・アンド・ロキータ(英題) / Tori and Lokita』より - (C)Christine Plenus

製作国:フランス、ベルギー
監督:ジャン=ピエール・ダルデンヌ、リュック・ダルデンヌ
キャスト:マルク・ジンガクレール・ボドソン

【ストーリー】
現代のベルギー。アフリカから単身でやって来た少年と10代の少女が不屈の友情で結ばれ、亡命先で困難な状況を乗り越えていく。

【ここに注目】
第52回本映画祭でパルムドールを獲得した『ロゼッタ』(1999)、『ある子供』(2005)を始め、監督作が複数の賞を受賞し、カンヌ国際映画祭の常連となっているベルギーのジャン=ピエール・ダルデンヌとリュック・ダルデンヌの兄弟。これまで何度も若者の問題をテーマとし、『ロルナの祈り』(2008)では移民問題も取り上げたダルデンヌ兄弟が、その手腕を発揮して史上初の3度目のパルムドールとなるか関心が集まる。

『レ・ザマンディエール(原題) / Les Amandiers』

レ・ザマンディエール
『レ・ザマンディエール(原題) / Les Amandiers』より - (C)2022-AdVitamProduction - Agat Films et Cie - Bibi Film TV - ArteFranceCinema

製作国:フランス、イタリア
監督:ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ
キャスト:ソフィアン・ベナセルクララ・ブレットー

【ストーリー】
1980年代の終わりのフランス・ナンテール。20歳のステラ、ヴィクトル、エティエンヌ、アデルらは、演出家で俳優のパトリス・シェローらがアマンディエ劇場に創立した演劇学校の入学選抜試験を受ける。そこで彼らは人生の転機を迎え、やがて初めての大きな悲劇を経験する。

【ここに注目】
ふたりの5つの分かれ路』(2004)に出演する女優で、『ラクダと針の穴』(2003)などの監督作品のあるヴァレリア・ブルーニ・テデスキによる青春ドラマ。舞台となるのはパトリス・シェロー、ピエール・ロマンらが創立し、ヴァレリア自身が第1期生として演技を学んだ演劇学校。『悪なき殺人』(2019)のナディア・テレスキウィッツなどが演劇学校の学生を演じ、『グッバイ・ゴダール!』(2017)のルイ・ガレルがパトリス・シェローにふんする。

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『クライムス・オブ・ザ・フューチャー(英題) / Crimes of the Future』

製作国:カナダ、ギリシャ、フランス
監督:デヴィッド・クローネンバーグ
キャスト:クリステン・スチュワートレア・セドゥ

【ストーリー】
人類が人工的な環境に順応し、身体的にも変異を遂げた未来。前衛的なパフォーマンスアーティストのソール・テンザーとパートナーのカプリスは、自身の臓器の変異を披露するパフォーマンスを行っている。一方、二人の行動を執拗に追う国立臓器登記局の捜査官ティムリンは、なぞの集団の存在を突き止める。

【ここに注目】
デヴィッド・クローネンバーグ監督が『マップ・トゥ・ザ・スターズ』(2014)以来、長編映画としては8年ぶりに新作を発表。1970年に自身が発表した『クライム・オブ・ザ・フューチャー/未来犯罪の確立』と同タイトルのSFノワールで、撮影をギリシャで敢行した。『ヒストリー・オブ・バイオレンス』(2005)などでもタッグを組んだヴィゴ・モーテンセンのほか、レア・セドゥやクリステン・スチュワートなどが出演している。

『ブラザー・アンド・シスター(英題)/ Brother and Sister』

製作国:フランス、ベルギー
監督:アルノー・デプレシャン
キャスト:マリオン・コティヤールメルヴィル・プポー

【ストーリー】
教師で詩人のルイと女優のアリスの兄妹は、ずっと疎遠になっていた。アリスは20年以上前からルイを憎み続け、道ですれ違ってもあいさつもせず逃げてしまうのだった。しかし、両親の死が再び二人を引き合わせる。

【ここに注目】
カンヌ国際映画祭監督週間でSACD賞を受賞した『あの頃エッフェル塔の下で』(2015)のアルノー・デプレシャン監督の新作は、『クリスマス・ストーリー』(2008)を思わせる疎遠になった兄妹を描いた家族ドラマ。『エディット・ピアフ ~愛の讃歌~』(2007)のマリオン・コティヤールと『わたしはロランス』(2012)のメルヴィル・プポーが妹と兄を演じ、『バハールの涙』(2018)のゴルシフテ・ファラハニらが脇を固めるなど、実力派俳優の競演にも期待がふくらむ。

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『アルマゲドン・タイム(原題) / Armageddon Time』

アルマゲドン・タイム
『アルマゲドン・タイム(原題) / Armageddon Time』より

製作国:ブラジル、アメリカ
監督:ジェームズ・グレイ
キャスト:マイケル・バンクス・レペタアン・ハサウェイ

【ストーリー】
1980年代のニューヨーク・クイーンズ。騒々しくも温かな家庭で育つ12歳の少年ポールは、アフリカ系アメリカ人の親友ジョンとマリファナを使用したことがきっかけで、裕福な白人ばかりが通う私立学校に転校させられる。だがポールとジョンは、そんな生活から逃れるため、フロリダに逃亡する計画を立てるが……。

【ここに注目】
アド・アストラ』(2019)のジェームズ・グレイが監督・脚本を務めた新作は、ドナルド・トランプ前米大統領の母校としても知られる名門私立校に通っていた、自身の体験を基に描く成長物語。新人のマイケル・バンクス・レペタが主演し、アン・ハサウェイ、アンソニー・ホプキンスジェレミー・ストロングといった豪華キャストが脇を固めた。『エヴァの告白』(2013)、『ロスト・シティZ 失われた黄金都市』(2016)の撮影監督ダリウス・コンジが、本作で再びグレイ監督とタッグを組む。

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『ノスタルジア(原題) / Nostalgia』

製作国:イタリア
監督:マリオ・マルトーネ
キャスト:ピエルフランチェスコ・ファヴィーノフランチェスコ・ディ・レーヴァ

【ストーリー】
中東とアフリカで45年間を過ごしたフェリーチェ・ラスコが、病気の母親の世話をするために久しぶりに故郷のナポリに戻って来る。その後も彼はナポリのサニタ地区にとどまり、故郷での失われた時間を取り戻すかのように過去と対峙する。

【ここに注目】
イタリア・ナポリの作家エルマンノ・レイの同名小説を基に、『カプリ島のレボリューション』(2018)のマリオ・マルトーネ監督がメガホンを取って放つヒューマンドラマ。『我らの父よ』(2020)のピエルフランチェスコ・ファヴィーノ、『幸福なラザロ』(2018)のトンマーゾ・ラーニョらが共演。カンヌ映画祭への出品は3度目のイタリアの名匠が、今回唯一ノミネートされたイタリア映画の意地をかけたカンヌでの受賞を狙う。

『ル・ム・ヌ(原題) / R.M.N.』

ル・ム・ヌ
『ル・ム・ヌ(原題) / R.M.N.』より - (C)MobraFilms

製作国:ルーマニア
監督:クリスティアン・ムンジウ
キャスト:ユディット・スターテマリン・グリゴレ

【ストーリー】
海外で働くマティアスは、クリスマス前にルーマニアのトランシルバニア地方にある山間の村に帰省する。彼は息子ルディが自分の母親アナから受けている教育を心配すると同時に年老いた父親にも目を配る必要があった。また元恋人のシラに再会することを願っていた。

【ここに注目】
その手に触れるまで』(2019)のダルデンヌ兄弟が共同プロデューサーを務め、ルーマニア出身のクリスティアン・ムンジウが監督を手掛ける社会派ドラマ。ルーマニア人、ハンガリー人、モルダビア人の多民族が暮らすトランシルバニア地方の村を舞台に、それまで住民たちがバランスよく平和に暮らしていた村が、あることをきっかけに不穏な空気に包まれるさまを映し出す。本映画祭では『4ヶ月、3週と2日』(2007)で最高賞のパルムドール、『汚(けが)れなき祈り』(2012)が女優賞と脚本賞、『エリザのために』(2016)で監督賞を受賞したカンヌ常連監督は、最高賞受賞の射程圏内にいる。

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『ショーイング・アップ(原題) / Showing Up』

ショーイング・アップ
『ショーイング・アップ(原題) / Showing Up』より - (C)Allyson Riggs/Courtesy of A24

製作国:アメリカ
監督:ケリー・ライカート
キャスト:ミシェル・ウィリアムズホン・チャウ

【ストーリー】
キャリアの大きな転機となる展覧会が目前に迫った彫刻家の女性。家族や友人、仕事仲間とのあれこれに忙殺されながら、彼女はアーティストとしての生き方と、普段の生活とのバランスを模索する。

【ここに注目】
ウェンディ&ルーシー』(2008)、『ミークス・カットオフ』(2010)のケリー・ライカート監督と女優ミシェル・ウィリアムズが4度目のタッグを組んだ新作。ライカート監督と長年脚本をともに手がけてきたジョナサン・レイモンドが共同で脚本を執筆した。『ダウンサイズ』(2017)のホン・チャウ、『インデペンデンス・デイ』(1996)のジャド・ハーシュ、ラッパーとしても知られるアンドレ・ベンジャミンが共演。目利きの製作・配給会社として世界が注目するA24がプロデュースしている。

『レイラズ・ブラザース(英題) / Leila's Brothers』

レイラズ・ブラザース
『レイラズ・ブラザース(英題) / Leila's Brothers』より - (C)photo Amirhossein Shojaei

製作国:イラン
監督:サイード・ルスタイ
キャスト:タラネ・アリドゥスティサイド・プールサミミ

【ストーリー】
レイラの兄弟たちは、金市場の混乱によって引き起こされる大きな経済的被害を痛烈に批判していた。だが、彼らの年老いた父親はひそかに金貨を所有しており、その隠し場所を知っているのは娘のレイラだけだった。

【ここに注目】
ジャスト6.5 闘いの証』(2019)が、第32回東京国際映画祭で最優秀監督賞と最優秀男優賞に輝いたイランの若き俊英、サイード・ルスタイがメガホンを取ったヒューマンドラマ。父親が隠し持つ金貨をめぐり、家族の思惑がすれ違う。『セールスマン』(2016)のタラネ・アリドゥスティ、『花嫁と角砂糖』(2011)のサイード・プルサミミ、『ジャスト6.5 闘いの証』でもルスタイ監督と組んだナヴィド・モハマドザデーペイマン・モアディらが共演。同じくイランのアスガー・ファルハディ監督が『英雄の証明』(2021)で昨年本映画祭グランプリに輝いていることもあり、今年はルスタイ監督が注目を浴びる。

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『チャイコフスキーズ・ワイフ(英題) / Tchaikovsky's Wife』

製作国:ロシア、フランス
監督:キリル・セレブレニコフ
キャスト:フィリップ・アヴデーエフオーディン・ルンド・ビロン

【ストーリー】
19世紀のロシア。作曲家ピョートル・チャイコフスキーの音楽を聴き、魅了されたアントニーナ・ミリューコヴァ。チャイコフスキーはアントニーナと結婚するが、自身の災難や挫折を妻のせいにし、妻から逃れようとするようになる。アントニーナは耐えるが、ついに捨てられ、狂気に陥ってしまう。

【ここに注目】
LETO -レト-』(2018)と『インフル病みのペトロフ家』(2021)が本映画祭コンペティション部門に選ばれたロシア出身のキリル・セレブレニコフ監督が、ロシアを代表する作曲家チャイコフスキーと妻アントニーナの波乱に満ちた関係を描いた伝記ドラマ。セレブレニコフ監督は3月にロシアを離れ、現在ドイツで暮らしている。国の予算を不正流用したという疑いをかけられたセレブレニコフ監督は、否認したものの、2020年6月に有罪判決を下されており、今年になって執行猶予付きの判決が取り消されていた。ロシアがウクライナに侵攻している今、母国への反骨心あふれるセレブレニコフ監督の言動も注目される。

『パシフィクション(原題) / Pacifiction』

パシフィクション:トルモン・スール・レ・ジレ
『パシフィクション(原題) / Pacifiction』より

製作国:スペイン
監督:アルベルト・セラ
キャスト:ブノワ・マジメルセルジ・ロペス

【ストーリー】
フランス領ポリネシアのタヒチ島の高等弁務官に就任したデ・ローラーは、完璧なマナーを持つしたたかな人物だった。フランスで成功して戻ってきた地元出身の女性作家はスランプに陥り、通訳としてデ・ローラーと働くことになる。

【ここに注目】
『リベルテ』(2019)のアルベルト・セラがメガホンを取ったラブストーリー。タヒチ島を舞台に、フランス本国から派遣された高等弁務官と、地元出身の作家の引き裂かれた愛を描く。『パリ、憎しみという名の罠』(2017)のブノワ・マジメル、『ハリー、見知らぬ友人』(2000)のセルジ・ロペスらが共演。『騎士の名誉』(2006)が、第59回本映画祭監督週間部門にセレクションされ、『リベルテ』が、第72回本映画祭ある視点部門審査員特別賞に輝いた、スペイン・カタルーニャ出身の鬼才が賞を取りにいく。

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『マザー・アンド・サン(英題) / Mother and Son』

マザー・アンド・サン
『マザー・アンド・サン(英題) / Mother and Son』より - (C)Blue Monday Productions

製作国:フランス
監督:レオノール・セライユ
キャスト:ステファヌ・バクアメッド・シラ

【ストーリー】
1980年代の終わり。コートジボワール人のローズは息子のジャンとエルネストを連れてフランスに渡り、パリ郊外で暮らし始める。ある移民一家の1980年代から現代までの物語。

【ここに注目】
メガホンを取ったレオノール・セライユは、長編デビュー作『若い女』(2017)が本映画祭カメラドール(新人監督賞)を受賞した期待のフランス人女性監督。待望の長編2作目も、見事コンペティション部門に選ばれた。本作はフランスに移住してきたコートジボワール人の母と息子の数十年を見つめる家族ドラマだという。『ワーキング・ガールズ』(2020)のアナベル・ラングロンや『見えない太陽』(2019)のステファヌ・バク、『ゴール・オブ・ザ・デッド』(2014)のアメッド・シラらが出演している。

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