シネマトゥデイ

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映画短評

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  • キックス
    おれのスニーカーを踏むなよ
    ★★★★

    ベイエリアの黒人コミュニティのお話ながら、カール・パーキンスの「ブルー・スウェード・シューズ」に着想を得たような内容。小柄で貧乏で弱っちく、いつも妄想の宇宙飛行士と共にいる少年が、伝説のモデル、ナイキのエアジョーダン1ブレッド(150ドルなら2016年の復刻?)を手に入れる。だが地元きってのヤバい男に狩られてしまう……。

    「男になる」系の通過儀礼的な成長譚だが、ボンクラ三人組の友情(監督は『グーニーズ』が大好きらしい)など柔らかな味。赤ん坊の隣に拳銃が置いてあるリッチモンドのハードな世界をセンシティヴな眼で見つめる。『ムーンライト』等と共にブラックムービーの成熟と多様化を感じる拾い物の佳作。

  • ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生
    深まるラブストーリーがチャーミングでユーモラス
    ★★★★★

    新キャラクターが複数登場し、それぞれに物語が。ニュートの過去のストーリーもあり、副題の「The Crimes of Grindelwald(グリンデルバルドの犯罪)」以外のことに時間が費やされる。そのため中心となるストーリーがあまり先に進まない感じがしてしまうが、これは5本作られるシリーズの2作目。ここで蒔かれた種が、後に大きく実ることに期待。そんな中でも魅力なのは、ラブストーリーの部分。恋する男たちジェイコブとニュートの会話は、とりわけユーモラスでかわいい。上記の理由でジョニー・デップとジュード・ロウの出演時間も思ったより短いのだが、とくにロウのダンブルドアは、次回もっと見たいと思う。

  • ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ
    いろいろとモノ足りない続編に
    ★★★★★

    もはや巨匠となったドゥニ・ヴィルヌーヴからバトンを渡されたのが、『暗黒街』のステファノ・ソリッマ監督だけに「適任」と思ったが、いろいろとモノ足りない。前作ではFBI捜査官のヒロインに感情移入することで、観客も地獄のような世界を疑似体験できたが、本作でその役割を果たすのが、イザベラ・モナー演じる麻薬王の娘とは言い難い。その後のロードムービーな展開も緊張感に欠けるなど、完全にベニチオ・デル・トロ演じる孤高の暗殺者・アレハンドロのキャラに頼ってる感が見え見えだ。タイラー・シェリダンにしては、脚本の甘さも見え隠れするが、まだ本人が撮った方が良かった気もする。

  • ジョニー・イングリッシュ アナログの逆襲
    7年のブランクを感じさせないビジュアル的面白さ
    ★★★★

     実に7年ぶりの新作。ここ数年、少しばかりシリアス・アクター化していたR・アトキンソンが60歳を過ぎてもバカを演じてくれたのが嬉しい。彼ならではの、言葉のジョークに頼らない、見た目で勝負の姿勢。そんなコメディの王道がまだ生きていることを確認できる。

     顔面演技はもちろん、立ち振る舞いの気取りとオドオド感、セリフの間など、笑いのツボを心得ていて、いちいちおかしい。ボンド・ガール経験のあるヒロイン、O・キュリレンコを相手にしたボンド気取りも妙味。

     アトキンソンとB・ミラーのバディ体制が強化されたのはシリーズの新味といえば新味。アトキンソンにつきあう忠実かつ律儀なミラーのトボケたキャラもイイ。

  • 人魚の眠る家
    原作ファンも納得の仕上がり!
    ★★★★

    『明日の記憶』など、シリアス路線だと、やたらクオリティが高くなる堤幸彦監督作だが、本作もご多分に洩れず。とはいえ、テーマが“脳死”だけに、予想以上にヘヴィである。意識不明の娘への愛ゆえに狂気に走っていく篠原涼子演じるヒロインに、純粋さゆえに盲目的になる坂口健太郎演じる研究員ら、彼女に巻き込まれていく者たち。ときにホラーにも見える、活字だけでは見えなかった彼らの微妙な感情な動きは、原作ファンも納得の映画化といえるだろう。初の映画音楽となるアレクシス・フレンチが奏でる旋律も泣かせるうえ、間違いなく女優・篠原涼子の代表作でもある。

  • 斬、
    灼熱と、身体と、金属と
    ★★★★

     炎と、人間の身体が与える打撃が、ある種の鉱物に作用を及ぼして、"斬る"ことに特化した金属の形態である"刀"を創り出していく。そのときの熱、身体、金属が渾然一体となったさまがスクリーンに立ち現れる。となれば、これはもう塚本晋也監督の初期代表作である「鉄男 TETSUO」のひとつのヴァリエーションだという見方も可能なのではないか。
     そう見えるのは、音楽のせいでもある。音楽は「鉄男 TESUO」などの塚本映画の常連、石川忠。彼は本作の制作中に死去したが、監督が彼の作品と自宅にある全て曲の断片を聞き、映画に音を貼っていったという。塚本晋也による石川忠の音楽が、大音量で鳴り響く。

  • 体操しようよ
    コミュニケーションのあり方を問うニクい仕掛け
    ★★★★★

    都心近郊では定年後の男性のコミニュティー作りを自治体が行なっている--。
    そんな時代を象徴する作品だ。
    それだけではない。
    社会から孤立しがちな人たちを、昔ながらの地域社会で繋ぐ重要性を問いかける。
    もちろん、”ご近所付き合い”にトラブルはつきもの。
    親切なお節介が鬱陶しい時もある。
    そんな時に本作では個々が本音を伝える努力をする。手紙にしたためたり、面と向かって言葉で。
    SNSでの交流が当たり前となった時代に、あえてその手法を使わない所に制作陣の本作に込めた思いを見る。
    そして再び新しい朝をラジオ体操で迎える、当たり前の日常の大切さ。
    殺伐とした世を変えるちょっとしたヒントがここにある。

  • 人魚の眠る家
    脳死、という重大問題に向き合った真摯な物語
    ★★★★

    幼い娘が脳死状態となった夫婦の選択から浮かび上がるさまざまな人間模様、人間関係に考えさせられる家族ドラマだ。脳死は死なのか?目は覚まさないけれど、肉体は健やかな状態の娘を必死で守る母親像に共感しつつも、心の片隅に違和感を持つ。この心のざらつきが最後にすっきりと解消される展開は、東野圭吾の筆力もあるが、篠原涼子の演技力によるところが大きいだろう。彼女自身が母親であり、ヒロインの心情を深く理解しているのが伝わってくる。非常に重いテーマを扱っているが、人間の尊厳や生死問題をきちんと扱った真摯さに好感が持てる。ずっと目を瞑ったままの演技に挑んだ稲垣来泉ちゃんにも拍手!

  • ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生
    今回はついにジョニデが活躍しますよ
    ★★★★★

    技術の進歩によりJ・K・ローリングが創造した魔法世界の造形はさらにファンタスティックに! 中国の獅子や日本の河童をイメージしたクリーチャーも登場し、映像美は華々しく賑やか。目がチカチカし、その夜は眼精疲労を実感したほど。ジョニデ演じるグリンデルバルトが復権して野望が明らかになるが、クリーデンスがどう絡むのかはまだ明かされず。素敵なクリフハンガーになっているのは、さすがはJ・K・ローリング。脚本家としても秀逸だ。ティナとニュートの関係は今後進展するのか? J・ロウがセクシーさ全開なせいで“ダンブルダディ”と一部で呼ばれるダンブルドア先生の今後の方針など次作が待ち遠しく、もどかしいわ。

  • ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ
    国境に壁を作りたいトランプ支持者が喜びそうで心配
    ★★★★★

    麻薬戦争の恐怖と復讐に重きをおくラテン気質が伝わった前作に続くのは、テロリストの入国も許すアメリカとメキシコ国境の危うさ。と思いきや、CIAの特殊作戦はそれよりもはるかに恐ろしい。人権は無視し、国際問題に発展しそうなことを次々に敢行。アメリカ国民さえ無事ならいいの、という疑問が浮かぶのは私が日本人だから? ジョシュ・ブローリン演じるCIA捜査官の判断Nにも疑問符がつきまくる。国境危険にさらされているということかもしれないが、ナショナリズムの台頭との表裏一体感は否めない。メキシコとの国境に壁を築くと主張するトランプ大統領支持者が喜びそうな映画であったよ。

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