シネマトゥデイ

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映画短評

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  • A GHOST STORY/ア・ゴースト・ストーリー
    テレンス・マリックの影響も伺える、哀しく切ない幽霊譚
    ★★★★

     これは意表を突かれた。不慮の事故で死亡し、残された妻の傍にいるため幽霊となった男性。やがて彼女は夫婦の想い出が詰まった家を去るが、外へ出られない主人公は一人ぽつりと残されてしまう。誰にも姿が見えず、誰とも喋ることが出来ず、ただ無言で時間と住人の移り変わりを見守ることしかできない幽霊。白いシーツを被ったユーモラスな姿が、むしろ主人公の果てしない孤独と哀しみを引き立てる。デヴィッド・ロウリー監督は出世作『セインツ −約束の果て−』でもその傾向はあったが、詩情豊かでナチュラルな映像美や主観的な時間と空間の感覚表現に、テレンス・マリックを彷彿とさせるものがある。不思議な味わいがクセになる映画だ。

  • アウト&アウト
    シリーズ化を希望したい和製フィルムノワールの佳作
    ★★★★

     漫画家・小説家・映画監督と多彩な才能を持つきうちかずひろ氏が、自らの原作小説を映像化した18年ぶりの長編映画監督作。皮肉屋で不愛想な元ヤクザの私立探偵が、とある依頼をきっかけに有力政治家の暗い過去と隠蔽工作を暴いていくこととなる。これぞまさしく和製フィルムノワール。『カルロス』や『鉄と鉛』の頃のハードなバイオレンス描写は影をひそめ、レイモンド・チャンドラーさながらのクールで渋い世界観に暖かな人情と乾いたユーモアを散りばめながら、裏社会に生きる日陰者や名もなき弱者の悲哀を浮かび上がらせる。苦虫を嚙み潰したような主人公・遠藤憲一と素直で聡明な少女・白鳥玉季のかけ合いも微笑ましい。シリーズ化切望!

  • アンクル・ドリュー
    NBAスター選手軍団が大挙出演する異色のスポ根コメディ
    ★★★★

     金なし人望なしチームなしの負け犬バスケ・コーチが、伝説の名選手アンクル・ドリューとその仲間たちを集めて老人チームを結成し、ストリートバスケ大会で起死回生の一発逆転勝負に挑む。最大の見どころは、カイリー・アービングやシャキール・オニールら、特殊メイクで老人たちを演じる本物のNBAスター選手軍団。既に役者としての実績があるオニールはともかく、素人俳優とは思えない彼らの芸達者ぶりには驚かされる。ストーリー自体は簡単に先が読めるものの、愛情溢れる人間模様とパンチの効いたユーモアが魅力。アイズレー・ブラザースをノートリアス・B.I.G.と勘違いしてひと悶着するなど、音楽ネタの世代間ギャップにもニヤリ。

  • ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生
    知ってるはずの世界なのに、驚きを与えてくれる
    ★★★★

     サプライズを与えてくれる。この驚きは、シリーズの原案&脚本を担当したJ・K・ローリングの大胆さゆえだろう。舞台は、時代こそ違うものの「ハリー・ポッター」と同じ世界。監督も脚本家も前作と同じ。なのに、前作とはかなり雰囲気が違う。謎解きも「ハリポタ」では1作に1つだったが、複数の謎が同時進行。そして気づけば、後にこの世界の伝説となる出来事の"発端"を、目の当たりにしてしまっているのだ。
     思い起こせば、ローリングは最初から全5部作になると宣言していた。それだけの長さを必要とする壮大な物語が、今回、大きく動きだす。今後も予想外の展開をするのではないか、そんな期待を抱かせてくれる。

  • このゴーストの外見だけでは、リアルな話なのか、ふざけているのか戸惑う人も多いだろう。しかし観始めると、白いシーツで立っているだけで、愛する人の近くにいるのに気づいてもらえない哀しみが漂ってくるから、あら不思議。しかも体勢の微妙な変化や、シーツの皺でも感情を伝えるシーンがあったりと、オスカー俳優、「被りもの」の内側演技でも大健闘である。

    映像の切り取り方や編集によって、前半から「時間」や「場所」の曖昧な感覚が提示されるが、じつはこれ、ゴースト世界の感覚だとわかる中盤からは、何やら『2001年宇宙の旅』的な壮大なテーマも感知させ、他のどんな映画とも違う、狐につままれたような奇妙な後味が訪れる。

  • へレディタリー/継承
    本当に怖い映画。演技もトップクラス
    ★★★★

    ホラー映画はたくさん作られても、たいして怖くないものが多いのが現実。だが、これは本当に怖い。霊を呼び出す儀式をしたらコップが動くなど、見慣れたはずのオカルトの要素にも、震え上がってしまう。主人公アニーと映画の最初で亡くなる彼女の母、またアニーと彼女の長男、長女との複雑で屈折した関係がしっかり設定されていることが、大きな理由のひとつ。超常現象なくしても、そこにすでに暗さと重さがあるのだ。キャスト陣も、超一級。とくにアニー役のトニー・コレットは、このアワードシーズン、いろいろな賞にノミネートされるにふさわしい。ホラーというジャンルへの偏見に邪魔されなければいいのだが。

  • ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生
    『ハリポタ』ファンの心理をくすぐる要素が満載!
    ★★★★

     『ファンタスティック・ビースト』シリーズ待望の第2弾。若き日のホグワーツ校長ダンブルドア先生が登場し、『ハリー・ポッター』原作シリーズでほのめかされていた、闇の魔法使いグリンデルバルドとの因縁の過去が少しずつ明らかにされる。ダンブルドア先生役にジュード・ロウってイケメン過ぎやしない?と思ったが、年齢的にも枯れ具合的にもちょうどいい按配。エディ・レッドメインとの良き師弟関係も微笑ましい。錬金術師ニコラス・フラメルの登場も『ハリポタ』ファンならニヤリ。今回はホグワーツも舞台になるしね。ただ、テンポ良く賑やかな割に、終わってみれば意外と話が先に進んでいない。とりあえず、早く次回作を頼んます(笑)!

  • マンディ 地獄のロード・ウォリアー
    さながらグラインドハウス×サイケデリック・アート!
    ★★★★★

     もしかすると今年一番の怪作かもしれない。ストーリー自体は至極単純。マンソン・ファミリーみたいなカルト教団に最愛の妻を殺されたニコラス・ケイジが、クロスボーやチェーンソーを手にして血みどろの復讐を遂げるわけだが、しかしこのドラッグでラリッたようなトリップ感覚満載の映像と異様なテンションは、まさに狂気の世界そのもの。邪悪でありながらも美しい。さながらグラインドハウス×サイケデリック・アートといった感じで、デヴィッド・リンチやニコラス・ウィンディング・レフンとはまた一味違ったタイプのカルト臭が漂う。監督はパノス・コスマトス。この異形の才能が、あの娯楽職人ジョルジ・パン・コスマトスの息子とは!

  • A GHOST STORY/ア・ゴースト・ストーリー
    「劇画オバQ」よりせつない、“リアル オバQ”
    ★★★★★

    『セインツ -約束の果て-』で引き裂かれた夫婦を演じたケイシー・アフレックとルーニー・マーラーが、さらに大物になって再共演。今度こそ幸せになってもらえるかと思いきや、今度も(いい意味で)性根が腐ってるデヴィッド・ロウリー監督だけに、秒でケイシー死亡。三本毛もないリアル「オバケのQ太郎」と化し、ひたすらルーニー演じる妻を見守る。せつない、せつないと思っていると、物語は急展開。語り口は淡々とし、多くは語られないあたりは『セインツ』同様だが、本作では、さらにテレンス・マリック監督作ばりに怒涛の展開になるのも見どころ。さすが、A24作品ならではの、思い切った幽霊物語である。

  • ういらぶ。
    映画のセオリーを超えた、キラキラ映画の新しい在り方
    ★★★★★

    「DAISUKI!」ばりにアイキャッチで叫ばれるタイトルに、登場人物を絞りに絞り“トメ”となるベテラン俳優が存在しないクレジット。映画のセオリーを超えて、ある意味バラエティな作りだが、少女マンガ原作のキラキラ映画も、ここまでフッ切って作ってくれれば、逆に清々しいってもの。平野紫耀演じる凛は、ドラマ「花のち晴れ」の延長線上になる妄想力たくましいSキャラだけに、そのどハマり具合に平野担は満足だろう。桜井日奈子も『ママレード・ボーイ』よりも無理がなくて好印象。若干無理あるエピソードの詰め込み感が、逆にリズム感を出しており、ツッコミを入れながらも、しっかり観れてしまう不思議な一本。

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