シネマトゥデイ
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映画短評

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  • 追憶
    いろんな意味で、今の日本映画界に一石を投じる
    ★★★★

    「火サス」も「土曜ワイド」も過去の産物になった今日にある意味、時代錯誤ともとれる展開に、演出。まるで30年以上前の東宝作品を観てるようなトリップ感に襲われるものの、コミック原作主流となった日本映画界に対し、「これが映画だ!」と言わんばかりの作り手の意思は高く評価したい。しかも、前評判通り、健さんよろしく背中で語る岡田准一から、やっぱり不幸が似合う安藤サクラまで、その意思に賛同した豪華キャストの面々がスクリーン映えしまくる。しかも、これがサクッと99分というプログラムピクチャー感も評価すべき。ただ、小栗旬激似の子役が成長すると岡田になるというトリックだけは、何とかならなかったものか?

  • フリー・ファイヤー
    好みが分かれる、延々続く銃撃戦
    ★★★★★

    明らかにタランティーノ・チルドレンながら、『要塞警察』に対する憧れがミエミエなベン・ウィートリー監督作。ウリは言い争いから始まる、全員参加の延々続く銃撃戦だが、これが評価の分かれどころ。ただ、1978年ボストンの設定がフックになっており、弾切れを心配してしまうほど、ムチャクチャ撃ちまくるのが前作『ハイ・ライズ』に続き、70`sファッションに身を包んだ元ブラックパンサー党員やポルノヒゲ男というキャラ立ちが面白い。一方、裏テーマが「なかなか簡単に人は死なない」だけに、負傷したときの痛さや苦しみの描写は妙にリアル。ザ・リアル・キッズで始めて、ジョン・デンバーで締める監督の音楽センスも決して悪くない。

  • 無限の住人
    東の『ハイランダー』現る!
    ★★★★★

    前作『テラフォーマーズ』に続いて、三池崇史監督の原作愛が欠けているのは否定できないが、ハッキリと『十三人の刺客』路線を目指した感がある。つまり、グロ描写も辞さない真摯な姿勢で作品に向かい合ったことで、魅力あるジャニタレをさらに輝かせている。そのため、木村拓哉の万次としてのハマリ具合は、不死身の剣士繋がりで、“東の『ハイランダー』”といってもいいだろう。妖艶すぎる福士蒼汰の統主もいいが、「逸刀流」メンの儲け役は誰が見ても乙橘槇絵役の戸田恵梨香。「ギャルサー」以来、少林寺拳法経験者の身体能力を生かした役では?と思うほど見事な立ち回りを観れば、今後アクション女優としての飛躍を期待せずにはいられない!

  • 笑う招き猫
    迷える人生に必要なのは笑いと友情
    ★★★★

     主演女優のゴタゴタによって、違う意味で注目されがちなのが惜しまれる小品佳作。基本的には売れない若手女芸人コンビの悲喜交々な友情を描く青春映画なのだが、夢を追うことの意味を問う人間ドラマとして、女の生きづらさを描いた女性ドラマとして、そしてお笑い業界の厳しい現実を突き付ける内幕物として、なかなか鋭い視点で斬り込んで来るのだ。
     やはり要となるのは主演コンビの軽妙な演技だろう。これは失礼ながら意外な驚きだった。まるで漫才のような間の面白さやセリフの妙を存分に生かした飯塚健監督の演出、どこにでもいそうでいない風変わりな人々を演じる芸達者な脇役陣も功を奏している。

  • ワイルド・スピード ICE BREAK
    笑わずにはいられないほどクレイジーなカーアクションが満載!
    ★★★★

     テロリストに愛する人を拉致されたドムが、ファミリーを裏切って破壊工作に加担。彼を信じる仲間たちが外交保安部と協力してテロの阻止に奔走する…というストーリー自体は、まさに既視感の連続といった按配で先が読めてしまうものの、それを補って余りあるのはシリーズの看板たるカーアクションの数々だ。
     中でも、マンハッタン中のあらゆる車が一斉にジャックされ、勝手に大暴走を繰り広げるシーンは、もはや笑わずにはいられないくらいクレイジー。潜水艦を追いかけつつ装甲車に追われるという氷上カーチェイスも圧巻だ。登場人物全員の個性が際立つ群像劇もシリーズならではの魅力。ヘレン・ミレンの役どころには思わずニンマリです。

  • 3月のライオン 後編
    2部作の真価を見せつける入魂の後編
    ★★★★★

     将棋に人生を賭けた高校生の苦悩と葛藤を描く2部作。主人公・零が孤独に苛まれながらも棋士として頭角を現していく前編が壮大な序章だとすると、他者の痛みを知ることで少年から若者へと大きく成長する今回の後編にこそ、映画『3月のライオン』の魂が込められていると言えよう。
     人間には誰しも胸の内に秘めた傷がある、どの家庭にも外からは見えない事情がある。自分の不幸しか頭になかった主人公の目覚めは青春ドラマの定石だが、繊細で豊かで奥行きのある人間ドラマがすこぶる説得力を与える。それでも人生は続く、戦いは続くを地で行くドラマチックな幕切れも見事。高橋一生演じる高校教師も、この後編で特にその存在感を発揮する。

  • イップ・マン 継承
    伝記映画の枠を超えた(?)カンフー・エンターテインメント
    ★★★★★

     もはやどこまでが事実に基づいているのか分からなくなった、武術の達人イップ・マンの伝記映画シリーズ第3弾。庶民を脅かす地上げ屋グループとの全面戦争、立身出世に野心を燃やす無名武術家との下剋上対決、病を患った妻との感動的な夫婦愛などなど、とにかく賑やかで目まぐるしい。
     やはり一番の見せ場は、マックス・チャンおよびマイク・タイソンとの凄まじいバトル・シーンだろう。弟子ブルース・リーの登場もご愛敬。素人目にも「いくらなんだって盛り過ぎだろ!」と思えてしまうのは難だが、ここはイップ・マンの人生にインスパイアされた純然たる娯楽映画として、ドニー・イェンの超絶アクションを堪能したい。

  • スウィート17モンスター
    思春期のこじれは痛くて情けなくて切ない
    ★★★★★

     いや、大人でもいますね。本当は自分だって人一倍承認欲求が強いくせに、コンプレックスが強いもんだから「どうせ自分なんかはみ出し者だし」と斜に構えちゃって、周りのリア充どもを小バカにすることでなんとか自尊心を保っている痛い人。本作のヒロインの場合、頭が良いので自覚はあるのだけれど、プライドが邪魔して素直になれない。
     そんなちょっとばかり面倒くさい女子高生が、唯一の理解者である大親友がリア充側に傾いたことからどん底に。己の器の小ささを思い知らされることで、大人への階段を上っていく。全体的には予定調和な印象も強いが、思春期の不安定な危うさはとてもリアルに描かれている。

  • 3月のライオン 後編
    重厚感ある人間ドラマとしての見応え。
    ★★★★

    狙いすぎた対局シーンが多かった『前編』に比べて、零と川本家との絡みが多くなったことで、一段とホームドラマ色が強まった『後編』。主人公・零の人間的な成長物語を描くうえでのエピソードの詰め込み感や、川本家三姉妹の父・誠二郎を取り巻く描写など、原作ファンとしては納得いかない点があるのは否めない。とはいえ、連載中である原作の雰囲気を壊さず、エピソードの回収と思われる脚色もみられるなど、重厚感ある人間ドラマとしての見応えは十分アリ。『後編』になると息切れ、パワーダウンする2部作がほとんどのなか、かなり大健闘したといえると同時に、大友啓史監督、神木隆之介の代表作になったといえるだろう。

  • 映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ
    ボーイ・ミーツ・ガール、「出会い」についての考察
    ★★★★★

    石井裕也 meets 最果タヒ、の出会いから立ち上がったひと組の男女のお話。渋谷・新宿のゲリラ撮影が主となる「都市の映画」、ではあるが、二人をつなぐのは街への親和性ではなく違和感だ。一千万人の中から同じ周波数をキャッチして引き合う運命の糸を数値的な正確さで見せてくれる。

    キーワードとなるのは「嫌な予感」。これは石井の初期作品『反逆次郎の恋』(06年)に近い。だがどんどん悪くなる世界でも、ひとつの縁が明日をもたらす。ギリギリの希望かもしれないが、それさえあれば生きていける。「どうでもいい奇跡」等について言葉を交わす宮下公園のシーン――どこか街頭演劇のような抽象性をまとった二人の光景が美しい。

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