シネマトゥデイ

シネマトゥデイ

映画短評

全4,060件中1~10件を表示しています。 Next »
  • ウィッチ
    凝ったディテールと全体のトーン作りが成功の秘密!
    ★★★★

    清教徒がたどり着いた17世紀のアメリカを舞台にしたホラーだが、電気のない時代らしい暗めな映像や表情を変えない役者の演技でまず陰鬱な気分になる。信仰心の篤い人々独特の悪魔への恐れや未開の地への不安が見る側をも怯えさせる。低予算とは思えない凝ったディテールも含め、全体のトーン作りは完璧だ。しかも家族7人だけの共同体でさらなる事件が起こり、疑心暗鬼に陥った母親が長女に罪をなすりつけようとする展開に『白雪姫』の母娘関係を連想する。一般論でいうと魔女は恐怖が生み出した幻想だろうが、この映画の魔女は家族に無下にされた怒りや絶望の産物のよう。人間関係の原点である家族を大事にしようってメッセージなのかも。

  • ザ・マミー/呪われた砂漠の王女
    古代エジプトの王女が美しく恐ろしく、そして切ない
    ★★★★★

     蘇った古代エジプトの王女アマネットが、美しく、恐ろしく、切なく、もっと彼女を見たくなる。演じるソフィア・ブテラは、「キングスマン」で両足が凶器の過激な殺し屋ガゼル役を演じ、「スター・トレック BEYOND」で復讐を誓う凶暴なエイリアン美女ジェイラ役を演じた注目女優。噂では、本作の監督アレックス・カーツマンは王女役にブテラを熱望し、主演のトム・クルーズよりも先に彼女をキャスティングしたとか。そんな噂を信じたくなるほど、王女アマネットはミイラになる前の傲慢な美女だった頃も、復活した後の鎖に繋がれた状態も魅力的。ブテラの新作「アトミック・ブロンド」でのシャーリーズ・セロンとの共演ぶりも楽しみ。

  • ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ
    アメリカンドリームを追ったこの男は悪人なのか
    ★★★★★

    タイトルの「創設者(ファウンダー)」は、一軒の画期的なハンバーガ屋に目をつけ、世界規模の会社にしたレイ・クロック。 ミルクシェイクを作るミキサーのセールスマンだった彼が、一度に8台も注文を入れてきた店に興味を持ち、訪ねて行ったところから映画は始まる。それ以前にも彼は、儲かりそうと思うことに次々手を出し、妻を不安にさせたり、友人にバカにされたりしていた。 ついにこれで成功を収めるのだが、そこに嘘や裏切りがあったことも描かれる。マクドナルドを、生みの親マクドナルド兄弟が思っていたものとまったく違うものにしたクロックは悪人なのか、そうではないのか?その微妙な部分をマイケル・キートンが名演する。

  • 獣道
    映画女優・伊藤沙莉、会心の一撃!
    ★★★★

    どこか園子温らしさが海外でウケてる内田英治監督だが、今回も宗教、ヤンキー、AV、そして純愛など、『愛のむきだし』との共通項が多い。人生を転げ落ちるローリング・ヒロインと化す伊藤沙莉は、子役時代から満島ひかりを超える破壊力を持っていたが、満を持して、映画女優としての会心の一撃を放つ! 完全に役に憑依し、聖女からヤンキー、夜の女まで、そのすべてがコスプレに終わっていないのがスゴい。しかも、青春群像劇としての見応えもあり、まさかハーフ芸人・アントニーには泣かされるとは…。ブラックコメディながら、なぜか清々しいラストも目を見張るものがあり、監督の前作『身体を売ったらサヨウナラ』とは段違いの出来。

  • ハローグッバイ
    菊地健雄監督の職人技光る
    ★★★★★

    このテの女子高生モノは、自主上がりのドルオタ監督が撮ると、気持ち悪くなりがちだが、さすがは助監歴長い職人、菊地健雄監督。演者との距離感はしっかり作品に表れ、渡辺シュンスケの起用やメロディーがキーワードの展開など、いかにもソニーミュージック製作な仕事としてもキッチリこなしている。世代を超えたコミュニケーションなど、かなり擦られたネタだけに、尺をコンパクトにまとめるなど、あざとさしか感じなかった前作『ディアーディアー』と比べても、さらに器用さが際立っているが、それにしても『昼顔』『ここさけ』と、髪型ひとつでキャラを変えてくる萩原みのり(ソニー所属)。「オモコー」出身者の勢いを感じずにはいられない!

  • ボン・ボヤージュ~家族旅行は大暴走~
    フランス映画特有のカーアクションを堪能する
    ★★★★★

    ハイテク車が狂い始める件は『お!バカんす家族』だったり、“フランス版『バケーション』シリーズ”な趣きがあるが、英語タイトルは“Full Speed”。秘密を抱えた家族を乗せ、高速を160キロでブッ飛ばす(だけ)。「ヒャッハー!」シリーズ特有のサスペンスはなく、古くはジャン=ポール・ベルモンド主演作や『TAXi』でおなじみのカーアクションがひたすら続く。確かに、かなりスゴいスタントをサラっと見せるが、スパイスとなるギャグがまったく笑えないのが難。その要因のひとつが「ヒャッハー!」の過激さが影を潜めていることであり、アンドレ・デュソリエ演じるジジイが『ダーティ・グランパ』寄りだったら?と思うほど。

  • ビニー/信じる男
    ボクシングもので実話ものだが、それだけではない
    ★★★★★

     ボクシング映画で、実話に基づく映画ではあるが、一筋縄ではいかない。主人公ビニーは自分のやってきたことを振り返り、多数の人々に言われ続けてきた「それはそんなに単純なことじゃない」という言葉はウソだったと言う。そして、本当はすべてはとても単純なことなのだと言う。そういう性質の男が"単純であること"を実践する。それを描いたのが、この映画なのだ。
     そういう物語を描くために、ボクシングというモチーフを選んだとしたらそれはおそらく正しい。ボクシングとは、極端に単純化すれば、人を殴ることであり、だからこそ見る者の動物的かつ原初的な何かに、揺さぶりをかけるものなのかもしれないのだから。

  • カーズ/クロスロード
    大人の鑑賞に耐えうるアニメの最新モデル
    ★★★★

     前作が007のパロディに終始するあまり低評価となったせいか(個人的には楽しんだが)、今回はシリアスに軌道修正。世代交代という現役意識の強い熟年層には切ないテーマを刷りこんでドラマを紡ぐ。

     主人公マックィーンに1&2作目のような調子こきムードは一切なく、ベテランらしい落ち着きさえ感じさせる。それゆえに世代交代の現実は重い。それを彼にどの局面で意識させるのか?という点で、巧い作り。

     熟年意識の一方で若さにも目配せしている点もいい。才能と自信を兼ね備えた者もいれば、才能はあるが自信が欠如している者もいる。それを見据えている点も絶妙。文句なしに、大人の観賞に耐えうるアニメーションだ。

  • 銀魂
    冗長を楽しめるか否かが評価の分かれ目!?
    ★★★★★

     原作やアニメ版のギャグを実写でどう料理するのかと思ったら、テレビのバラエティ的な内輪ウケネタ多し。パロディとなった番組を見ていない人には意味不明で個人的にはキツかったが、そんな笑いが好きな人には楽しめるだろう。

     それはさておき、アクションには見るべき点がある。アクロバティックな剣げきはチャンバラとは一線を画しているが、平行目線から俯瞰へと角度を変えるダイナミックな描写は買い。肉体性をしっかり感じさせる点も好感度大。

     役者のノリノリな雰囲気も妙味で、コスプレノリもハマる。ただ、物語的な必然性のないシーン込みで楽しませる作品にしては、2時間超えの尺は明らかに長い。

  • ウィッチ
    この監督、名前だけでも覚えて帰ってくださいね
    ★★★★

    次作の『Xメン』でマジックを演じるアニヤ・テイラー=ジョイの出世作にして、短編でエドガー・アラン・ポーの「告げ口心臓」を撮るなど、噂先行型だったロバート・エガース監督の長編デビュー作。サンダンスで監督賞を獲った本作は、350万ドルのローバジェットながら、言語や信仰など、徹底した時代考証もあり、17世紀のニューイングランドの空気感を再現。エンタメ感はないに等しいものの、蝋燭の灯が揺れる闇で展開される魔女狩りをめぐる心理ドラマは、不気味の一言。新人離れした演出だけでなく、アートとしての完成度の高さに驚かされる。『狼の血族』『死霊の谷』など、初期「東京ファンタ」の熱狂と興奮を追体験したければゼヒ!

全4,060件中1~10件を表示しています。 Next »
[PR]
おすすめ特集
映画アクセスランキング
  • Loading...
»もっとランキングを見る«
楽天市場
スポンサード リンク