略歴: 脳梗塞で死にかけ、今は杖片手に早めの余生。一応映画文筆屋。Web中心に村松健太郎の名前で書いてます。どうぞごひいきに。
近況: お一人でも映画館に行こうという気持ちになっていただけるように精一杯やらせていただきます。
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原作をカバーしたドラマシリーズを経てのオリジナルストーリーが展開する映画版。ただ空気感は変わりなく、とても微笑ましい居心地の良さを感じさせてくれる一本になりました。大々的にロケをした小豆島の風景の穏やかさも良かったのではないかと思います。メインの二人、実年齢で見ると永野芽郁の方が高橋文哉より少し年上なのですが、物語の中での高木さんと西片の関係性を見るとこの年齢差はとても効果的だと思います。ちょっと振り回す時もあれば幼さも感じさせる表情豊かな永野芽郁の魅力がたっぷりと詰め込まれていました。
嵐の雪山で遭難した二人の男は命からがら山荘に逃げ込む。そこで死を覚悟したゆえに発した告白によって、親友だった二人は、一転してサバイバル劇を演じることになる…。シチュエーション設定がとにかく秀逸で、これは巧くやれば面白い映画になるだろうと思いましたが、山下敦弘監督が見事にやってのけました。あまりサスペンスの印象はなかった監督ですが、このジャンルでも腕利きぶりを堪能できます。もちろん生田斗真とヤン・イクチュンという二人が揃ったからこそでもあります。74分という短い時間を一気に駆け抜けます。
ジョージ・ミラー監督の伝説的なアクションシリーズ最新作にして初のスピンオフ。なんと今回、フュリオサ役がシャーリーズ・セロンからアニャ・テイラー=ジョイに変更されました。はっきり言ってシャーリーズ・セロンが演じたからこそフュリオサは活きたのではないかと思っていたので、この変更は不安要素でした。しかし、いざ、本編を見てしまうとそんなことは余計な心配でした。これまでもハズレのないフィルモグラフィーを築いてきたアニャ・テイラー=ジョイでしたが、今回も最高です。細かく見ると『怒りのデスロード』に繋がるには整合性が取れてないところもありますが、問答無用の勢いと熱量で細かいことは吹き飛ばして駆け抜けます。
「猿の惑星」フランチャイズ10作目。とは言いつつもかなり独立したお話になっているので、旧シリーズはもちろん、リブート3部作の復習もあまりしなくて問題ありません。そして、これまで”猿の惑星”というタイトルでありながら”人間と猿の物語”になっていましたが、今回はかなり”猿と猿の物語”になっているところに新味を感じました。人間部分の代表となるノヴァのキャラクターにはいろいろ違和感を感じながら見ていたのですが、結末まで見るといろいろ腑に落ちます。これまで撮影当時の現実を投影した物語が続いてましたが、今回はかなりSFアドベンチャー路線に舵を切った感じです。
前作で定年退職して、しかもそれからも数年が経ちどうやっても”刑事”になれないタカとユージですが、横浜に還ってきて、見事に”あぶない刑事”が復活です。あるロジックで成り立つのですが、もはやファンタジーと言ってもいい展開です。なのにそれが許されてしまうのは偏に舘ひろしと柴田恭兵という二人の俳優が起こし続ける化学反応のおかげと言えるでしょう。こんな二人は寡聞にして他に知りません。延々と壊れ続ける浅野温子も凄いですし、二人の前だといつまでも半人前感を出せる仲村トオルも凄いです。とにかく楽しんだ者勝ちの映画でした。