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松山ケンイチ、過激性描写を覚悟したことを告白!『ノルウェイの森』ヴェネチアで報道陣殺到!

第67回ヴェネチア国際映画祭

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第67回ヴェネチア国際映画祭の公式会見に出席した松山ケンイチ
第67回ヴェネチア国際映画祭の公式会見に出席した松山ケンイチ - Photo:Harumi Nakayama

 第67回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門に選ばれた松山ケンイチ主演『ノルウェイの森』(12月11日公開)の公式会見が現地時間2日に行われ、松山ほか、菊地凛子水原希子トラン・アン・ユン監督、小川真司プロデューサーが出席した。国際映画祭の場合、ハリウッドスター不在に会見は海外メディアの関心が薄い傾向だが、村上春樹原作の世界的ベストセラー小説の映画化とあって欧州、アジアを中心に約150人の記者が参加した。

第67回ヴェネチア国際映画祭コンペ作品

 同作品は、1960年代の学生運動を背景に、友人の自殺で人生の時間が止まってしまった主人公ワタナベ(松山)の喪失と再生を描いたもの。キャストと撮影は日本、監督はベトナム出身でフランス国籍、撮影監督は台湾のリー・ピンビン、そして音楽を英国出身で人気ロックバンド「レディオヘッド」のジョニー・グリーンウッドが手掛けるという、国際プロジェクトが話題となっている。

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 まず、原作の魅力についてユン監督は「私は1994年にフランス語翻訳されたものをすぐに読んだのだが、ストーリーはもちろん、読者1人1人に関係してくる内容だと思った。そして発見したのは、原作者の村上さんと読者の間で、親密な関係が生まれるということ。それがほかの小説とは違うと思ったんです。その親密さをどう解明し、映像化するか考えるのが面白かった。映画化は難しいと思ったが、この小説に限っては原作を忠実に再現するのではなく、その中にある倫理観や、本がもたらしてくれた感情を、どう映像で表現できるかが重要だったと思う」と説明。

 また、映画化を許可した村上氏とは脚本を制作する過程で何度か意見交換や添削をしてもらったそうだが、映画の撮影や編集には一切口を出さなかったという。「ただ最後に、『分かりやすい映画を作って欲しい』と言われました」と原作者からの唯一の注文をユン監督が明かした。

 スペインの記者からは、原作にたびたび登場する赤裸々な性描写について、映画では裸体を見せるのではなく、行為に及んでいるときの役者の表情や息づかいで表現していることについて「非常にポエティックに思えたのだが」と質問が出た。ユン監督は「確かにそうです。私は性描写そのものより、表情に焦点を当てたかったからです。特に、直子(菊地)がワタナベに初めて抱かれるときのシーンは注意しました。それは、リアルな描写を出すことによって、観客の注意が散漫にならないようにと思ったからです」と演出意図を語った。

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 その性描写について松山は「最初に監督からはそのように説明されていなかったので、原作を忠実にやるのなら、相当の覚悟が必要かな? と思っていたんです。でも、凛子さんとのシーンもバストアップでの撮影で、今までとは違った芝居の仕方を要求されました。そうしたシーンは監督や凛子さんと話し合いながら時間をかけて撮影を行いました」と明かした。一方、相手役の菊地も「キャストに恵まれました。松山さんは協力的で、真摯に役に向き合っていた。なので、楽屋や現場で直子の内面について相談したこともあるし、(性描写も)カメラの向きでどう見せればいいのか? など、すごい良い体制でできたと思う」と撮影を振り返っていた。

 1日に行われたプレス試写では、リー・ピンビンの圧倒的な映像美を称賛する声がある一方で、「原作のイメージとちょっと違う」と否定的だったオランダの記者や、上映途中で退席する人も多かった。公式上映は現地時間2日夜に行われるが、ワールドプレミア上映となるヴェネチアでどんな反応が巻き起こるのか注目だ。(取材・文:中山治美)

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