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スタンリー・キューブリックの名作『シャイニング』を分析したドキュメンタリー映画とは?

スタンリー・キューブリックの名作『シャイニング』を分析したドキュメンタリー映画とは?
Skypeの記者会見で語るプロデューサーのティム・カーク(左)、ロドニー・アシャー監督(右)

 現在開催されている第50回ニューヨーク映画祭(50th N.Y.F.F)に出品されている注目のドキュメンタリー作品『ルーム 237(原題) / Room 237』について、Skypeの記者会見で監督のロドニー・アシャーとプロデューサーのティム・カークが語った。

 同作は、映画界の巨匠スタンリー・キューブリック監督が1980年に製作したホラーの名作『シャイニング』に詳しい5人のエキスパートたちが、名作に隠された意図や謎を興味深い分析でひも解いていった話題のドキュメンタリー作品。

 まずロドニー監督は、これだけ映画『シャイニング』に詳しいエキスパートをどこで発掘したのか、との質問に「ほとんどはインターネットで、この映画に関して検索していた際に知ることになって、その中でも特にジェイ・ウェイドナー、ジュリ・カーンズ、ジョン・フェル・ライアンらは、かなりアクティブにインターネットで『シャイニング』について情報を流しているんだ。そして、プロデューサーのティムが残りの二人、ジェフリー・コックスとビル・ブレイクモアを発見してくれた」と答えた。続いてティムは「ビル・ブレイクモアは、ABCニュースの録音を担当していて、彼にたどり着くまで時間がかかったが、彼にE-mailでスタンリー・キューブリックのことを語ったら、真っ先に出演をOKしてくれたんだ」と明かした。

 映画内には、当然この名作を好きであろう、ロドニー監督やプロデューサーのティムの見解が入ってない。その理由については「まず、最初にあるスタイルを確立したんだ。それは、映画内に隠された意図をひも解いていく過程で、すぐに『シャイニング』に詳しい5人のエキスパートたちの顔(クロースアップ)に戻ることはせずに、あえて映像を通して彼らの言葉を説明するスタイルに集中したんだ。その中には(隠された意図や謎に関して)説得力のある見解もあれば、(観客を納得させるためには)難しい個人的な意見に近いものもあった。その中で、僕らは彼ら5人の見解をナレーションとしてボイスレコーダーに録音して、それらを送ってもらっているうちに、いつの間にか彼らの見解を中心に描くことになっていて、僕らの見解は外れていったんだよ」とロドニー監督が答えた。

 原作者スティーヴン・キングは、スタンリー・キューブリック監督が製作した『シャイニング』を嫌っていたのは有名な話で、原作「シャイニング」を1997年にテレビ映画として自ら製作したこともあったが、彼にはアプローチしたのだろうか。「この映画を製作する中で、おそらく8か月近くアイデアを出し合ったが、最初からフィルムメイカーや関係者の手を離れて、何が観客の心の中でチェーン・リアクションのように起きていったかを描きたかったために、スティーヴン・キングや映画関係者とは、できれば話さない方が良いと思っていたんだ。ただ、今このドキュメンタリーの撮影を終えて、彼が一番話してみたい相手の一人であることは変わらない。彼は、自身が製作したテレビ映画の『シャイニング』のDVDのコメンタリーで、いろいろあのキューブリックの映画について語っているんだよ」とロドニー監督が語った。ちなみに、映画『シャイニング』の冒頭部分でジャック・ニコルソン演じる主人公ジャック・トランスの車は、黄色のフォルクスワーゲンだが、原作では赤のフォルクスワーゲンで、さらに映画内の後半で、赤のフォルクスワーゲンが事故にあったシーンが映し出されているため、スティーヴン・キングのアイデアは使用しないという意図を感じたスティーヴン・キングは、この映像に大激怒したそうだ。

 映画は、5人のエキスパートが詳細な分析を繰り広げ、その中にはコロラドで起きた原住民インディアンの大虐殺に関連した背景にある展示物、それぞれの場所で数字が示す意味合い、さらにスタンリー・キューブリックの詳細なリサーチの過程も描かれ、まさにキューブリックファンには、絶対に見逃すことのできない作品に仕上がっている。 (取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)


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