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カンヌ受賞・深田晃司監督「なぜ映画を作るのか?」日中共通の問題点を語る(1/2)

カンヌ受賞・深田晃司監督「なぜ映画を作るのか?」日中共通の問題点を語る
「アジア新人賞」部門の審査員として上海国際映画祭に参加した深田晃司監督

 中国・上海市で開かれた第19回上海国際映画祭で、アジア映画界の新しい才能を発掘することを目的に設置されている「アジア新人賞」部門の審査員を務めた深田晃司監督が現地で取材に応じ、成長著しい中国の映画祭に参加した印象や、海外映画祭に出品する意義について考えを明かした。

■後進に道を与えることが映画監督の仕事の一つ

 最新作『淵に立つ』(今秋公開)が5月のカンヌ国際映画祭で「ある視点」部門審査員賞を受賞したことも記憶に新しい深田監督。「映画祭の役割とは何だろう? と考えると、必ずしも興行的に大ヒットするような映画ではない、作家性の強い作品に価値を与えることで、その作品が独り立ちしていくための後押しをすることだと思っているんです」と語る。

 自身も映画祭で数々の賞を与えられたことで、キャリアを重ねてくることができた。「後進に道を与えていくことも映画監督の仕事の一つ。映画業界の中で、最も弱い立場にあるのが新人。ネームバリューがないがゆえに資金も集まりづらく、作品が作りにくいので、『アジア新人賞』というのは、ある意味、映画祭の映画祭たる役割が凝縮している部門じゃないかなと思います」。

■「なぜ映画を作るのか?」日本と中国の映画に共通する問題点

 審査員長を務めた香港のイー・トンシン監督(『つきせぬ想い』『新宿インシデント』など)らとともに、中国、台湾、インド、韓国、日本などから選ばれた16本を審査した。中国からは、新人監督の作品ながらスター俳優が出演する大作娯楽映画や、既に興収約130億円の大ヒットを記録している映画も選出されており、「選考基準がちょっと見えづらかった部分はありますね」と少し戸惑ったことを明かす。「上海映画祭が、商業性の高い祭典だということと、作家性とのバランスで、相当苦労しているんだろうなという印象を受けました」。

 ただ、「映画祭はアートフィルムのためにあるもの」という認識で、審査員の思いは一致していたという。「大作のお金のかけ方やクオリティーの高さは中国映画の勢いを示すものだったと思うのですが、インディペンデントな作品はどうしてもテーマが狭いと感じました。それは今回たまたまだったのかもしれませんが、インドやイスラエル、台湾などの映画にくらべると、作品自体が小さくまとまっていると感じた。政治的問題を扱えないとか、いろいろと厳しい条件がある中でリスクを回避しているからだと思いますが、それはそのまま政治性の高い作品に“自主規制”をかけてしまう日本映画にも言えることかもしれません」。


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