日本人初!カンヌ映画祭女優賞を『急に具合が悪くなる』岡本多緒が受賞
第79回カンヌ国際映画祭

第79回カンヌ国際映画祭の授賞式が現地時間23日にフランスで行われ、女優賞を濱口竜介監督作『急に具合が悪くなる』のヴィルジニー・エフィラと岡本多緒の2人が受賞した。日本人のカンヌ映画祭女優賞受賞は史上初の快挙となる。
『急に具合が悪くなる』は、宮野真生子と磯野真穂の著書を基に、パリ郊外の介護施設で理想のケアを探求するマリー=ルーと、ガン治療中の日本人演出家・真理という同じ名前を持つ二人が出会い、友情を超える絆を結ぶ物語。フランスのトップ女優であるヴィルジニーと、『ウルヴァリン:SAMURAI』『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』など国際的なキャリアを重ねてきた岡本が主演を務めた。
ヴィルジニーと共にステージに上がった岡本は英語でスピーチ。「本当にありがとうございます。ごめんなさい、心が追いつかなくて」と感動のあまり言葉に詰まると、「ブラボー!」と賛辞が飛ぶ一幕も。「わたしのようなごく平凡な日本の女優が今日この場所に立っていられるのはシンプルに、わたしたちの素晴らしい監督のおかげです。監督の圧倒的な脚本、その演出、そして注いでくれたサポートがあったからに他なりません」と濱口監督への深い感謝を口にする。
岡本は「そして“愛”です。先ほど彼女(ヴィルジニー)も言っていたように、そこには深い愛と敬意がありました。わたしたち二人に対してだけでなく、スタッフ全員、この映画に関わったすべての役者たちに対してです。撮影現場で毎日その愛を実感できたことは本当に美しい経験でしたし、この道を歩み続ける勇気を与えてくれました。わたしたちを“ふたり一組”として評価していただけたことに、言葉では言い尽くせないほど感謝しています」と続け、「本当に信じられない気持ちです。夢を超えています。本当に、本当にありがとうございました」と締めくくり拍手喝采を浴びた。
濱口監督は『ドライブ・マイ・カー』でアカデミー賞国際長編映画賞およびカンヌ国際映画祭脚本賞を受賞し、『悪は存在しない』でベネチア国際映画祭銀獅子賞(審査員大賞)、『偶然と想像』でベルリン国際映画祭銀熊賞(審査員グランプリ)に輝くなど、世界的に高く評価されている。
なお、今年のコンペティション部門には日本からは『急に具合が悪くなる』に加え、是枝裕和監督・綾瀬はるか&大悟(千鳥)ダブル主演の『箱の中の羊』、深田晃司監督・松たか子主演の『ナギダイアリー』も選出されていたが、そちらは受賞を逃した。(編集部・市川遥)
第79回カンヌ国際映画祭の主な受賞結果は以下の通り。
【パルムドール(最高賞)】
『フィヨルド(原題) / Fjord』(ルーマニア、フランス、ノルウェイ、スウェーデン、デンマーク) クリスティアン・ムンジウ監督
【グランプリ】
『ミノタウロス(英題) / Minotaur』(フランス、ラトビア、ドイツ) アンドレイ・ズビャギンツェフ監督
【審査員賞】
『ザ・ドリームド・アドベンチャー(英題) / The Dreamed Adventure』 (ドイツ、フランス、ブルガリア、オーストリア) ヴァレスカ・グリーゼバッハ監督
【監督賞】タイ
ハビエル・カルボ監督、ハビエル・アンブロッシ監督 『ザ・ブラック・ボール(英題) / The Black Ball』(スペイン、フランス)
パヴェウ・パヴリコフスキ 『ファザーランド(英題) / Fatherland』(ポーランド、ドイツ、イタリア、フランス)
【脚本賞】
エマニュエル・マール 『ア・マン・オブ・ヒズ・タイム(英題) / A Man of His Time』(ベルギー、フランス)
【女優賞】
ヴィルジニー・エフィラ、岡本多緒 『急に具合が悪くなる』(フランス、日本、ドイツ、ベルギー)
【男優賞】
ヴァレンティン・カンパーニュ、エマヌエル・マッキア 『カワード(原題) / Coward』(ベルギー、フランス、オランダ)


