アカデミー賞からダメだしされ、エジプトで上映禁止?でも素朴なほのぼの映画

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笑顔のエラン・コリリン監督

 昨年第20回東京国際映画祭の最高賞である東京サクラグランプリを見事受賞した映画『迷子の警察音楽隊』。この映画はアカデミー賞外国語映画賞のエントリーをアカデミー協会から却下され、エジプトで上映禁止になったという。それだけ聞くと問題作とも思えるが、実は正反対のほのぼのとして素朴な映画。本作で初監督にチャレンジしたエラン・コリリンにニューヨークで話を聞いた。

-エジプトでの公開が禁止になったそうですが、理由は何だと思いますか? それと、エジプトでご覧になった方からの反響はいかがでしたか?

(エラン・コリリン)特にボイコットが起きたりしたわけではなくて、国同士の文化交流の問題で、この映画だけが上映禁止になったのではなく、ほかのイスラエルの作品も上映禁止になったのです。反響は、世界中の映画祭で現地に住んでいるエジプト人の方々から感動したとか、いろいろなことを思い出させてくれたと好評をいただきました。禁止になったのは、観客の問題ではなく、政治的な立場の問題なのです。

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-主演俳優サッソン・ガーベイのキャスティングはどうやって決まったのでしょうか?

(エラン・コリリン)あまり興味のそそる話ではないのですが、彼に直接会って脚本を読んでもらい、すごく気に入って頂いて、彼と話している間に良い感触を持ったのです。実際彼は、エジプト人ではないのですが、エジプトのスターが持つようなオーラを兼ね備え、彼がこの映画に特別な魅力を付け加えてくれました。

-では、その彼(サッソン)がエジプト人を演じることに問題はなかったのでしょうか?

(エラン・コリリン)いいえ、サッソン(イラク生まれで、イスラエル移住)にとっては故郷に帰り、郷愁にふけるような出来事だったと思います。この映画のテーマにしろ、アラブの音楽にしろ、彼の経歴と共鳴するものでした。彼にとっては非常に私的な役だったと思います。

-団長トゥフィーク(サッソン)と女性ディナ(ロニ・エルカベッツ)の関係は、微妙かつ繊細(せんさい)なのですが、意図的な演出なのでしょうか、それとも即興部分があるのでしょうか?

(エラン・コリリン)たまに本当に良いキャスティングをすると、カメラの前でマジックが起きるのです。わたしは完ぺき主義で、即興の部分はまったくないのですが、歩き方から沈黙の間隔についてはよく話し合いました。実際リハーサルにはかなりの時間を掛け、テイクも相当な数を撮ったため、フィルムが無くなりそうなうえ、制作費も底をついていた大変な時期でもありました。

-砂漠がもたらす空虚な空間が、この映画の見どころでもあるのですが、どうやってその風景を使用する決断をしたのでしょうか?

(エラン・コリリン)エキストラが多かったり、人が密集していると何が起きているかわからなくなって頭痛が起きるのです(笑)。わたしにとって、俳優と空虚な砂漠だけなので、非常に心地良い環境なのです。

-特にローラースケートのシーンで使われていた音楽が、アメリカのディスコを思わせるのですが、音楽の選択はどう決断されたのでしょうか?

(エラン・コリリン)エジプトやイスラエルの音楽をここで使用したら邪魔になるので、あまり深い意味が含まれていない曲を選択をしました。実際、わたしが昔ローラースケートをしに行ったときに流れていた曲を使用しました。この選択は、わたしにとって自然で意味合いのあるものでした。

-わたしは非常にばかげていると思うのですが、あなたの映画は、イスラエルの代表作として最初にアカデミー賞に提出されたにもかかわらず、残念ながらこの映画の50%以上が英語で話しているということを理由に却下されてしまったことについて何かコメントはありますか?

(エラン・コリリン)わたしも非常にばかげていると思うけど、アカデミー賞にとってはそれが重要なんだから仕方がないですね。

この映画は、海外の映画祭で非常に高い評価を受け、映画鑑賞後には、ほのぼのとした故郷を思い浮かばせてくれる秀作だった。アカデミー賞にはエントリーできなかったが、アメリカでは来週公開される。

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