ハリウッド大震撼!脚本家組合がストライキ決行をした深い~事情

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デモに参加していた保安官にふんしたおとぼけライター2人組 - 写真:神津明美

 日本の業界では「脚本家のストライキ」と言ってもピンと来る人は少ないであろう。しかし映画の王国アメリカでは、映像制作に携わる人々の権利が組合によってしっかりと守られている。その中でも、大手の組合として有名なのが今回大ストライキを敢行している全米脚本家組合(WGA)である。

 脚本があればこそ、映画や番組の制作の話しが持ち上がり、俳優も参加してくる……という土台に当たる大切な部分であるにもかかわらず、脚本家の受ける恩恵はプロデューサーや俳優陣に比べると、かなり寂しい部分がある。

 脚本を書くという仕事は、年がら年中降ってわいてくるというものではない。契約を取るという事は、「スター誕生」オーディションで優勝するようなものである。よって、脚本家たちは往々にして、1作仕上げてそれが売れたら、しばらくはそのギャラで食べていかなければならない……というのが常だ。平均して脚本家組合員中48パーセントは失業中という数字がそれを裏付けている。そこでギャラとして大切になってくるのが作品の再使用料である。監督、俳優も合わせて、これがなくてはクリエーターたちは食べていけない。

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 脚本家組合が最後にストライキをしたのは19年前の話。その間にメディアは目覚ましい躍進を遂げ、DVDが手ごろな値段に下がり、インターネットが第2のテレビとなり、iPodやネットからの映画・テレビのダウンロードが爆発的な需要を示している。そろそろ契約の見直しが必要……という段階になったわけである。 

 WGA契約改訂の内容としては、1.DVD1枚あたりのセールスにつき、4セントの作品使用料しかもらっていなかったところを1枚あたり8セントへの値上げ。2.ネット上での作品使用料ゼロからスタジオが儲ける1ドルにつき脚本家には2.5セント。3.作品宣伝用のブログ執筆料の検討……などの要求が出されている。

 脚本家の契約金を仕切っているのはプロデューサー代表団体(AMPTP)。10月半ばから折り合いが付かず激化していたWGAとAMPTPの話し合いが、11月の第一日曜日深夜に決裂。その結果11月5日の月曜日から全面的なストに突入となった。

 大手テレビ会社や・映画スタジオの前では、組合員差し入れのドーナツやコーヒーがデモ参加者たちに振る舞われる。そして朝9時から夕方の5時まで、「組合ストライキ中!」というプラカードを持ち、組合の特製Tシャツを着用したライターたちが代わる代わるゲートの前に陣取り、通り掛かりの車からの声援に応えたり、ゲート前を行進したりしている。

 ストライキ中は、毎日ターゲットになるスタジオが決まっており、そこに組合員たちが集結する。

 今までで一番圧巻だったのが、ストライキ第1週目の11月10日金曜日にターゲットになった20世紀フォックスでのデモである。集結所となったFOXプラザの位置するアベニュー・オブ・ザ・スター通りはデモの間、午前10時から12時30分間は全面交通止めとなり、整理の警官、万が一のための消防車、消防員たちが総動員され、上空にはメディアのヘリコプターが舞い、交通は大渋滞というすさまじさ。デモに参加した脚本家、そのサポーター数は合わせて、約3000人に上り、前代未聞の景観となった。

 テレビや映画の仕事に携わる人々が大勢いるロサンゼルスにとって、今回のストライキはライターだけの問題ではない。なぜなら、ライターがいないと番組ができないからだ。番組制作ができないと、裏方を務めるクルーの仕事もなくなる。そして俳優もいらなくなってしまう。そうすると、彼らを送るリムジン・ドライバーもいらなくなり、果てはランチを配給するケータリング係から、ヘアスタイリスト、制作アシスタントなどにも影響が及ぶ。当然のことながら人間は仕事がなくなると財布のひもが固くなる。ストライキの長期化が懸念される中、感謝祭、そしてクリスマスというショッピングシーズンに向けて、ロサンゼルスのみならずカリフォルニア全体へのストライキによる経済的ダメージが危惧(きぐ)されている。(取材:ハリウッド 神津明美 シネマトゥデイ)

関連情報:「デスパレートな妻たち」のロンゴリア、ストライキ中の脚本家にピザを配達

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