最優秀ドキュメンタリー賞受賞!日本人女性監督が、美術品コレクターを追ったドキュメンタリーを語る

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佐々木芽生監督

 アメリカを代表するドキュメンタリーの祭典シルバードックス・ドキュメンタリー映画祭で観客賞を受賞し、ハンプトンズ国際映画祭では最優秀ドキュメンタリー賞と観客賞を受賞した、映画『Herb&Dorothy(ハーブ・アンド・ドロシー)』(原題)について佐々木芽生監督に話を聞いた。
 
 30年も掛けて4,000点以上の現代アートを収集してきた郵便局員のハーブと図書館事務員のドロシー。これまでに一度も所蔵品を売ったことがなかった彼らが、それらをナショナル・ギャラリー・オブ・アートに寄贈しようとするドキュメンタリー。本作は、真のアートコレクターの姿を映し出した傑作で、著名なアーティストのインタビューも含まれている。

 佐々木監督は「NHKの教育番組用に、アーティストのクリスト&ジャンヌ=クロードの取材をしていたんです。ナショナル・ギャラリー・オブ・アートというワシントンの国立美術館で彼らの展示会を撮影したもので、そこで展示されていた彼らの作品が、すべてハーブとドロシーのコレクションだったんです。驚いたわたしは、PR担当者からハーブとドロシーを紹介してもらい、2年後に再び彼らに会って、ドキュメンタリーの製作を始めたんです」と語る。

 また「彼らはすごくお金に対して潔癖なところがあって、アートとお金に関しては、自分たちの中で一緒にしたくはないんですね。だからお金になるはずのアート作品を売ろうとはしなかった。わたしたちのインタビューでも、作品をいくらで買ったのかということは、自分たちの口からは決して言いませんでしたし。それに彼らが収集する理由というのが『これが好きだから。これが美しいから』ばかりで、なぜそのアートが優れているのかを聞き出すことができなくて(笑)。わたしはドキュメンタリーとして成り立たないと思って、イタリアのアーティストであるルチオ・ポッジィに相談したんです。そうしたら『だからこそ彼らはユニークなんだ。どうしてビジュアルアートであるものを説明しなければいけない? ただ見ればいいんだ。彼らは言葉では説明できないけれど、彼らの目を見てごらん。ものすごい目で何かを見ているでしょ?』と言うんですよ(笑)」とハーブとドロシーのキャラクター、そしてアートを理解することに説明はいらないということを知ったそうだ。

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 「ハーブとドロシーは、アーティストとの友情を非常に大切にしているんです。彼らのように、アーティストとの関係を重視するコレクターはまれですね。コレクターは作品ありきなので、アーティストと親しくなり過ぎると、そのアート感覚が鈍ってしまうこともあると思うんです。でも、彼らはアーティストと家族のような関係を築いているんですよ」と語るとおり、劇中では彼らが長時間アーティストと話し込んでいる姿が映されている。

 最後に本作について「自分の情熱に従っていれば社会的地位がなくても、人生の素晴らしさを味わえる。そういった深いメッセージを感じていただければ」と語ってくれた。(取材・文:細木信宏 / Nobuhiro Hosoki)

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