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寺尾聰、故黒澤明監督にならって作品のメッセージは語らない

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メッセージは感じてください。
メッセージは感じてください。

 10日、川崎チネチッタにて、映画『さまよう刃』が初日を迎え、主演の寺尾聰が舞台あいさつを行った。

映画『さまよう刃』写真ギャラリー

クライマックスシーンの撮影をした川崎で、あえて初日の舞台あいさつを行った寺尾は、映画について「想像もできない怒りと悲しみを抱えた主人公に、いつものエンターテインメント性の高い映画とは違った視点からアプローチして、その感情を探りながら演じさせていただきました」と映画に懸けた意気込みをアピールした。

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 また、「黒澤明監督と一緒にカンヌの映画祭に出席したとき、観終わったあとに一人の記者が監督に『この映画にはどんなメッセージが込められていますか? 』と質問したんですね。そしたら監督が『メッセージを口で言えるようなら映画なんか作らないでプラカードに書いて持っているよ』とおっしゃったんです。僕もメッセージを伝えようとして映画を作ることはありません。ただ、思いとしては伝えたい。観てくださった方が何かを感じてくれれば……と思います。それだけです」と故黒澤監督との貴重なエピソードを披露しながら、観客へメッセージを送った。

 原作は、東野圭吾作品の中でも最も映像化を熱望されていた作品で、少年法によって守られた犯人に対する被害者家族の抑え難い怒りの感情を描き、現在までに150万部を越すベストセラー小説。愛する一人娘を殺された父親に寺尾がふんし、渾身の演技で見せている。

映画『さまよう刃』は10月10日より川崎チネチッタほかにて公開中

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