脱北者の現実を描いた映画『クロッシング』 女性脱北者が「空腹よりも親を亡くしたときがつらかった」と涙

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親を亡くした瞬間を思い出し涙する、キム・ジョングムさん

 29日、脱北者の現実を描いた映画『クロッシング』の記者会見が韓国文化院で行われ、キム・テギュン監督、北朝鮮難民救援基金理事長の加藤博氏、そして脱北者の女性キム・ジョングムさんが登場した。

映画『クロッシング』

 「北朝鮮からの脱出、脱北者」を通じて、命を奪う者と命を奪われし者の悲しみを描いた本作。キム・テギュン監督と作家のイ・ユジンが企画・製作に4年の歳月を費やした衝撃作である。「ロケ費など予算が非常にかかりますから、本作のような映画を韓国で作るのは容易なことではありません。市民もそれほど感心を持っていないため、投資家を集めるのに苦労しました」とキム・テギュン監督。

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 さらに「中国とモンゴルでロケをしたんですが、これらの国は北朝鮮と友好国なので、北朝鮮を刺激する映画を作るのは大変危険でした。韓国国内で撮影しても政治的にいろいろな立場の人があれこれと言ってくるので、極秘に撮影を進めました」と完成までの苦労を語る。

 この日は韓国在住で、10歳のときに脱北した女性キム・ジョングムさんも来場。本作について「脱北の詳細の違いはありますが、同じようなつらさを感じて涙が出てきました」とコメントし、これまで一番つらかった体験を聞かれると「その質問が一番つらいです。ひもじいことや空腹なんて何ともない。親を亡くした瞬間が一番つらかった」と声を振り絞るように話すも、思わず涙がほおを伝った。

 マスコミに配られた資料には1989年生まれと記されていたキム・ジョングムさんだが、実際は1986年生まれだ。加藤氏は「北朝鮮から脱北するためには、中国の交通機関を使わなくてはなりません。その途中で捕まる可能性もあるため、カムフラージュが必要。そのために生年月日を意図的に変えて、できるだけ子どもに見せかけなければいけなかったんです」と壮絶な脱北の裏話を明かした。ちなみに現在キム・ジョングムさんは、本当の年齢を明かしても問題ないとのことだった。

 映画『クロッシング』は、映画『オオカミの誘惑』『百万長者の初恋』のキム・テギュン監督が、生きるために北朝鮮から中国へ渡った父子の悲劇を描いた人間ドラマ。100人近い脱北者への取材を基に北朝鮮の現実に根ざした骨太なストーリーに仕上げ、第81回アカデミー賞外国語映画部門賞の韓国代表作品に選ばれた。

映画『クロッシング』は4月17日よりユーロスペースにて公開

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