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重症から驚異の回復力!すずきじゅんいち監督、「442連隊で日本人の良さを再発見してもらいたい」

第23回東京国際映画祭

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元気な姿を見せたすずきじゅんいち監督と榊原るみ
元気な姿を見せたすずきじゅんいち監督と榊原るみ

 27日、TOHOシネマズ六本木ヒルズで開催中の第23回東京国際映画祭で日本映画・ある視点部門に出品されている映画『442 日系部隊・アメリカ史上最強の陸軍』の記者会見が行われ、すずきじゅんいち監督、女優で監督補佐・監督の妻でもある榊原るみ、音楽を担当した喜多郎、製作総指揮の鈴木隆一らが登壇。先日アメリカで起きた自動車事故で重症を負ったすずき監督が、自分の足でしっかりと歩くなど、驚異的な回復力を見せた。

映画『442 日系部隊・アメリカ史上最強の陸軍』場面写真

 すずき監督は先月29日、アメリカのロサンゼルスからラスベガスに向かう途中、自身が運転していた乗用車が横転。右耳上頭部を切り、あばら骨4本などを骨折。肺打撲も負い集中治療室に入るほどの重症ということで、本映画祭への参加が危ぶまれていた。しかし、23日に本映画祭のオープニングイベントで、グリーンカーペットに登場したことが話題になったばかり。そのときは車椅子姿という痛々しい姿だったが、この日のすずき監督は車椅子は使っておらず、時折妻の榊原に支えられながらも、基本的には自分の足でしっかりと歩いていた。すずき監督は映画祭に入ってから驚異的な回復力を見せているそうで、関係者も「これは執念ですね」と驚きの声を上げた。
 
 会見では、事故当時の様子が報告されたが、監督自身は事故当時のことをほとんど覚えていないそうで、代わりに榊原が説明。もともとは本作で描かれていた442部隊の同窓会がラスベガスで行われることになり、そこに向かう途中で事故に遭ったのだそうだ。それほどスピードは出していなかったそうだが、突然エンジン音が変わり、気付いたらハンドルが左に切られており、2回横転したのだという。車は逆さまになり、血まみれ姿のすずき監督を見た瞬間榊原は、「これは死んだと思った」と絶望的な気持ちになったという。しかし、口元が動いていることに気付き、一刻も早く手術をするためにヘリコプターで搬送。手術は、頭を30センチ縫い、肩には金属を入れるというものだったそうだ。榊原も指の骨を折っていたことを明かした。

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 そんな状態だったすずき監督が日本にやってきて、「日本人にこそこの映画を観てもらいたい」と執念を見せたのがアメリカ陸軍442部隊のOBに密着したドキュメンタリーである本作だ。彼らは第2次世界大戦当時、アメリカ内での人種差別と戦い、ヨーロッパ戦線ではファシズムと戦った伝説の兵士たちだった。日本とアメリカという二つの祖国の間で揺れ動きながらも、米国民としての誇りと名誉を懸けて戦った彼ら。傷ついても傷ついても再び立ち上がり、戦場に向かう彼らの誇りは次第にアメリカ市民の心を打ち、結果としてアメリカ軍史上最も多くの勲章を受けた部隊として歴史にさん然と輝く存在となった。そんな442部隊を題材として取り上げることについて監督は、「442連隊は日本の良さを表しています。日本に住む人に日本人の良さを再発見してもらいたい。わたしはアメリカに住むようになってから、かえって客観的に日本の良さがわかるようになったんです。それが本作のモチベーションの一つでした」と力強く宣言していた。

映画『442 日系部隊・アメリカ史上最強の陸軍』は11月13日より新宿K's cinemaほかにて公開

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