規則違反ぎりぎりのオスカー・キャンペーン!まるで政治選挙戦みたいになってきた?

第83回アカデミー賞

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あくまで友達としての!?推薦です!-ジュリア・ロバーツとハビエル・バルデム - Jason Merritt / Getty Images

 1月25日のアカデミー賞ノミネーション発表を目前にして、映画スタジオは自社の映画を他の作品よりもどうにかして抜きん出させ、アカデミー賞獲得の第1関門をくぐらせようと躍起になっている。

 その手法としてまず用いられるのが、かつてのアカデミー賞受賞者たちから「エンドースメント」と呼ばれる推薦を取り付けることである。例えば、前年のアカデミー監督賞を受賞した監督などが、「この作品は最高です!」とカメラの前でニッコリと発言してくれれば、その話題がマスコミに取り上げられて効果的なPRとなり、その作品の株はグっと上昇する。よって、大手スタジオはアカデミー賞を目指して自社作品をプッシュしてもらうべく、ぜいたくの限りを尽くした試写会やパーティーを企画して関係者たちを招待する。

 ただ、昨今問題となっているのが、このパーティーにはセレブだけでなくノミネーションの選抜に大きく関わっているアカデミー会員たちも招かれているという点である。アカデミー賞本部である映画芸術科学アカデミーは、「アカデミー賞で投票権利のある者が特定の作品を公に宣伝する行為は禁止する」という法度を厳しく提示してきた。だがここ数年、スタジオ側はオスカー受賞経験者たちを司会に立て作品応援パーティーなどを開いており、法度はどうなったのかという声が上がっている。

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 新年になり賞レースが激化する中、今年もアカデミーの「キャンペーン」規則を非常にさりげなく曲げた手段をとった試写パーティーなどが目立ち始めた。この「さりげなく」が重要で、例えばハビエル・バルデム主演最新作でオスカー候補入りを狙う映画『Biutiful ビューティフル』の関係者用の試写パーティーではジュリア・ロバーツが司会進行を務め話題となった。ここでジュリアは「ハビエルの作品に1票を!」と公に宣伝するのではなく、表向きは単純にハビエルの友人として試写会の進行役を買って出た……という体なのである。

 しかしここで忘れてはいけないのは、ジュリアは作品選考の投票権を持つアカデミー会員である、という事実だ。彼女が個人的に『Biutiful ビューティフル』を応援することで、他のアカデミー会員たちがこの作品にさらに興味を持ち、気に掛けるという状況が生まれてもおかしくはない。この作品は、ともするとアカデミー会員たちにソッポを向かれかねないダークな内容だが、彼女のほかにショーン・ペンの「エンドースメント」も得ており、ここのところアカデミー賞候補として台頭してきている。

 1983年の映画『テンダー・マーシー』でアカデミー主演男優賞を得たロバート・デュヴァルが80歳の誕生日である、現地時間1月5日にハリウッド・ウォーク・オブ・フェイムに手形と足形を残すことになった。ハリウッド・ブルバードで行われたセレモニーには元アカデミー賞候補で現アカデミー会員である俳優ジェームズ・カーンをはじめ、アンディ・ガルシアビリー・ボブ・ソーントンなどのスターたちがお祝いに駆け付け、たくさんの報道陣も詰め掛けた。実はロバートの主演最新作『ゲット・ロウ(原題) / Get Low』は、アカデミー賞候補入りが有力視されている作品。関係者たちは今回のセレモニーはこの時期にあたり絶好のPRになったと考えている。

 セレモニー後のパーティーで、レポーターから映画賞についてどう思うかと質問されたロバートは、「すごく政略的なものだけど、まあ様子を見ようと思ってるよ。」とコメント。映画業界のベテランが、一言で昨今のアカデミー賞レースの現状を語ってしまったという印象である。

 果たして各スタジオによるアカデミー賞キャンペーンの結果がノミネーションにどう影響するのか? そしてアカデミー賞本部は、最近のトレンドである規則違反ぎりぎりのオスカー・キャンペーンのパーティー横行にストップをかけるのか? 先行きが注目される。(文・取材: アケミ・トスト/Akemi Tosto)

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