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元スーパーモデル、ワリス・ディリーの女性性器切除の経験から国連特別大使になるまでの波乱の人生を映画化

元スーパーモデル、ワリス・ディリーの女性性器切除の経験から国連特別大使になるまでの波乱の人生を映画化
女優リヤ・ケベデと監督シェリー・ホーマン

 「VOGUE」などの一流ファッション誌の表紙を飾ってきたアフリカ出身のスーパー・モデル、ワリス・ディリーの人生を描いた映画『デザート・フラワー(原題) / Desert Flower』について、主演リヤ・ケベデと監督シェリー・ホーマンが語った。

 同作は、アフリカのソマリアの遊牧民の家庭で育ったワリス(リヤ・ケベデ)は、13歳の時に父親にお金と引き換えに60代の男と結婚させられそうになり、家族のもとを離れることを決意する。やがてロンドンにたどり着いた彼女は、ファーストフード店で働いていたときに、一流のファッション・カメラマンに見出され、スーパーモデルへの道を駆け上がっていくが、彼女には人には言えない辛い過去があった……。ワリス・ディリーの自伝「砂漠の女ディリー」を映画化した作品。女性性器切除(FGM=Female Genital Mutilation)問題でも注目を集めている。

 自伝を読んだシェリー監督は「これが実際に起きた出来事だったことにまず驚かされたわ。それから、この話をもっと世の中に伝えたいと思って、彼女に承諾を得てから製作が始まったけれど、ワリスからわたしの人生の一部ではなくて、すべてを描いてほしいのと言われたの」と語った。ちなみに、最初はロサンゼルスの脚本家に原作の脚色をさせていたが、ワリスがその内容を気に入らなかったため、脚本もシェリー監督が執筆したことも明かした。

 リヤ・ケベデのキャスティングについては「このワリスの配役は、ほとんどすべての大陸で行った感じがするわ。まずアフリカのケニア、南アフリカ、そしてヨーロッパ、それからニューヨーク、L.A.でもオーディションを行ったわ。もちろん、L.A.にはこのワリス役を熱心に獲得しようと思っていた女優たちも沢山居たわ。だからそれまでに、約3,000人もの女優のオーディションをビデオに収めたの! それはこの役が、演じるだけでなくキャットウォークもプロのように歩かなければいけなかったから。そんな中で、リヤのオーディションテープの演技を観たときに、彼女で間違いないと思ったの。実は彼女が実際にトップモデルであると知ったのは、それよりもずっと後だったの」と主演の配役が長い道のりであったことを告白した。

 リヤ・ケベデは、実際にワリスに会ってみて「実は、彼女に初めて会ったのは、撮影の最終日だったの。それは、ワリスがこの繊細なプロジェクトを我々に完璧に委ねていたからなの。特にワリスは監督のシェリーを信頼して、我々が解釈した方法で撮影させてくれて、我々が余裕の持てる空間を与えてくれたのが特に良かったと思うわ。実際のワリスに会ったときは、これまでいろいろ彼女のことを(研究して)知っていて、会ったことないのによく知っているという、ちょっと不思議な感覚と(彼女が)素晴らしいと思った感覚が交錯していたわね」と語った。ワリスに会ったときには、かなり緊張したそうだ。

 元アナン国連事務総長がFGMの廃絶のためにワリスを特別大使に任命したが、現在はどんな活動が行われているのだろうか。「現在は国連だけでなく、多くの団体がこのFGMの廃絶のために活動しているの。特に小さな団体が現地のコミュニティに行って、廃絶のために活動しながら結果をもたらしているわ。ある団体の調査では、ある部落で90%近くFGMが行われていた場所もあったけれど、現在は0%に近くなっているらしいわ」とチャリティー活動もしているエチオピア出身のリヤが答えてくれた。

 シェリー監督はワリスの母国、ソマリアでこの映画の試写を行ったさいに、3,000人の観客が集まり、上映終了後に涙目で立ち上がった男性も居たことと、この映画を通して、コロンビアの一部の地域や、オーストラリアにある部落でもFGMが行われていたことがあったことを知ったそうだ。最後にシェリー監督は、完全にFGMを無くすには、何よりも教育が大切だと語っていた。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)


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