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オスカー最有力!サイレント映画『アーティスト』の主演俳優と助演女優を直撃!フランス人が演じるハリウッドとは?

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ジャン・デュジャルダン(左)、ベレニス・ベジョ(右)
ジャン・デュジャルダン(左)、ベレニス・ベジョ(右)

 ゴールデン・グローブ賞ミュージカル・コメディ部門で最優秀映画作品賞を受賞し、これから行われるアカデミー賞では作品賞を含めた10部門にノミネートされている話題のモノクロ/サイレント映画『アーティスト』について、主演男優のジャン・デュジャルダンと助演女優のベレニス・ベジョが語った。

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 同作は、サイレント時代に人気俳優として活躍していたジョージ・ヴァレンティン(ジャン・デュジャルダン)は、トーキー映画の到来で人気を失い始め落ちぶれていくが、彼を慕って映画界に入ってきたダンサー、ペピー(ベレニス・ベジョ)の助けを得て、復活を遂げていくというドラマ作品。監督は、映画『OSS 117 私を愛したカフェオーレ』のミシェル・アザナヴィシウスがメガホンを取り、ジャンとベレニスとともにアカデミー賞にもノミネートされている。さらにジャンは、カンヌ国際映画祭で男優賞を受賞している。

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 サイレント映画に出演する準備に際してベレニス・ベジョは「この映画のためにたくさんのサイレント映画を観ることになって、まず驚いたことはその当時の俳優がいかにモダンであったかということなの。それと、彼らの演技は決してパントマイムのようなものではなく、それほど大げさな動きをせずに表現していたわ。そこで顔が重要になってくるとまず思ったの。だから実際にわたしは女優ジョーン・クロフォードの20代のころの作品をよく観たわ。彼女は、わたしが演じたペピーと同じ年代のころにフラッパー(1920年代にボブヘアー、ショートスカート、ジャズを聴いていた“新世代”と呼ばれた若い西部の女性をさす)で、その後サイレント映画に出演し、ゆくゆくはトーキー映画にも出演していったわ。そんなジョーン・クロフォードのエネルギーが、この役ペピーに近いと思ったわ」と語り、そのクロフォードの作品の中でも映画『グランド・ホテル』が好きだそうだ。(ちなみにこの映画はサイレント映画ではなく、トーキー初期の頃の作品)

 サイレント時代のハリウッドを再現したセットと、実際のハリウッドでの撮影について「(撮影中に)ジャンは、実際に女優メアリー・ピックフォード使用していたベッドで毎朝起きていたの。わたしたち二人は朝起きてから、車でロス・フェリズを通ってハリウッドに行き、(撮影現場のある)ワーナーやパラマウントのスタジオに向かうの。その道中は、その風景自体がキャラクターみたいに感じられたわ。だから、(フランス出身の我々は)再現されたハリウッドのスタジオの撮影現場に着いてからも、ほんの少しスタッフと英語で会話するだけで、当時のハリウッドを連想させてくれ、わたしに真実味を与えてくれて、わたし自身がこの映画の一部になることができたの」とベレニスは語った。一方ジャンは、当時のハリウッドを彷彿させるオーフィウム劇場での撮影が良かったとしている。

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 タップダンスについてベレニスは「タップダンスに関してはおよそ5か月も練習したわ!」、続いてジャンは「ジーン・ケリーの映画を良く観てタップダンスを学び、彼のエネルギーと笑顔にも学ばされたよ」と語った通り、二人は見事なタップダンスを披露している。さらにミシェル・アザナヴィシウス監督との仕事については「ミシェルとはお互いに良い関係が築けたと思う。彼はすごく冷静で、常に何かいろいろ考えているんだ。ただ、すべて前もってセットに入る前に準備しているため、実際に撮影しているときは彼は楽しんでいるんだ」と映画『OSS 117 私を愛したカフェオーレ』以来、再び同作でタッグを組んだミシェル監督をジャンが評価した。

 最後に映画は、モノクロの映像美とサイレントという現代ではありえない設定から、古き良き映画の郷愁を感じさせ、老若男女問わず楽しめる作品に仕上がっている。映画の本当の醍醐味が凝縮された秀作である。 (取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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