トム・クルーズがベタ惚れ!『ユージュアル・サスペクツ』の脚本家マッカリーの快進撃続く
トム・クルーズがその才能にベタ惚れした脚本家で監督のクリストファー・マッカリーへの注目が集まっている。マッカリーの監督第2作『アウトロー』でタッグを組んだ二人の意外な共通点も含め、その理由に肉迫した。
これまでプロデューサーとして15本の作品を発表してきたトム。『M:i:III』でJ・J・エイブラムスを起用するなど、プロデューサーとしての嗅覚の鋭さは多くの人が認めるところ。そんなトムが現在、絶大なる信頼を寄せているのが、マッカリーだ。二人のタッグは今回の『アウトロー』のみならず、マッカリーが脚本家として参加した2008年の『ワルキューレ』、来年公開予定の『オール・ユー・ニード・イズ・キル(原題) / All You Need is Kill』、さらにはトムの大ヒットシリーズ『ミッション:インポッシブル』第5弾でもマッカリーの監督就任が決定。トムがマッカリーの才能にベタ惚れである様子がうかがい知れる。
ニュージャージー州出身のマッカリーは、ブライアン・シンガー監督、俳優のイーサン・ホークらと同じ高校に通い、さらに高校卒業後は各地を放浪したり、探偵事務所で働くなど、ユニークな経歴の持ち主。その後、1995年には脚本家として、高校時代の友人であるシンガー監督とタッグを組んだ『ユージュアル・サスペクツ』でアカデミー賞脚本賞を受賞。同作は、緻密に計算された構成と、衝撃のどんでん返しで、映画ファンの間からは「他人におススメして間違いなしのサスペンス」と語り継がれている。
2000年にはベニチオ・デル・トロらが出演する『誘拐犯』で監督デビュー。同作はマッカリー監督の最新作『アウトロー』にも通じる、ガンアクションへのこだわり、西部劇や1970年代アクションなどからの色濃い影響といったマッカリー印の演出が、デビュー作にしてはっきりと打ち出されていた。
トムは、そんなマッカリーの映画的感性や情熱に共鳴。クラシックカーという共通の趣味も持つ二人は、初めて会った際に、車と映画の話ですぐさま意気投合。「『アウトロー』で僕らがやろうとしたことは、僕とトムが育った時代に大好きだった映画のスタイルや雰囲気だ」とマッカリー監督が語る通り、アナログの手触りが詰まった本作には、映画ファンを中心とした静かな熱狂が広がっている。(取材・文:壬生智裕)
映画『アウトロー』は全国公開中