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庵野秀明、「僕にとっては作品が全て」エヴァシリーズに言及しない理由を明かす!【第27回東京国際映画祭】

庵野秀明、「僕にとっては作品が全て」エヴァシリーズに言及しない理由を明かす!
東京国際映画祭で特集上映 - 庵野秀明監督

 10月23日から開催される第27回東京国際映画祭で、特集上映「庵野秀明の世界」として学生時代の自主制作作品から『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』までの50作以上が一挙上映される庵野秀明監督が、30余年にわたるクリエイター人生を振り返り、『エヴァンゲリオン』シリーズについて言及しない理由も明かした。

 先日まで、庵野監督らの学生時代をモデルとした深夜ドラマ「アオイホノオ」が放送されていたことも記憶に新しいが、特集上映では、ドラマにも登場した自主制作アニメ「ことわざ辞典 へたな鉄砲も数うちゃあたる!」「じょうぶなタイヤ! SHADOタイヤ」や「ウルトラマン(2014年オリジナル再現版)」も含まれているほか、「ふしぎの海のナディア」「新世紀エヴァンゲリオン」といったテレビシリーズから、『ラブ&ポップ』『式日-SHIKI-JITSU-』といった実写映画、そして『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズまでを完全網羅。

庵野監督
どの作品も思い出深く

監督が振り返るここまでの道のり

 ラインナップに目を通し、「初めのころは紙にサインペンで直接描いていたんですよね、『ことわざ辞典 へたな鉄砲も数うちゃあたる!』とか……」と語りだした庵野監督は、「『超時空要塞マクロス』では、初めて東京の現場で仕事をさせてもらって、『風の谷のナウシカ』ではアニメーターで食っていけるという自信ができました。『王立宇宙軍 オネアミスの翼』は前にいた会社(ガイナックス)を作るきっかけになった作品で、若いころに仲間たちとこういった作品を作れたのも良かったし、『トップをねらえ!』では本格的な商業作品の監督をやらせてもらって、『ふしぎの海のナディア』で若いときにテレビシリーズをやれたのも良かったです」と作品一つ一つに特別な思い入れがあると述懐。続けて「あとは『新世紀エヴァンゲリオン』ですね。これは一から自分で企画して、あまり人に頼らず自分でやろうと思った作品。それから『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズは、自分で会社を作って自分のスタジオで始めたので、これも大きいです」と一気に振り返った。

 そしてあらためてラインナップ一覧をしみじみと眺めつつ、「こうやって眺めてみると、確かにいろいろ新しいことをやっていますね。面白いことやっていたなというのが、今の素直な気持ちです」と胸のうちを吐露。「でも、必ずしも自分で望んでやっているわけでもないんです。行き当たりばったりというか、流されてここに来ているというか。運がいいですね」とこれまでの道のりについて表し、「スタッフやキャスト、いろいろな人に恵まれているなと思います。自分一人ではこんなことはできないですから」と感謝の言葉を口にした。

 当然、今日に至るまでには大変な思いもたくさんしてきたというが、「映画作りはたいがいしんどいです。でも、やっているときは苦しくても、終わったら忘れちゃう。記憶は残るけど、作ることの方が面白いですから」と今なお制作意欲が失われていないことを明言し、「僕にとっては、過程よりも出来上がったものが全て」と言いきった。

庵野監督
その瞳に宿る思い

エヴァシリーズへの言及を避ける理由

 しかしその思いがあるからこそ、映画祭期間中に予定されるファンとの交流には「作り手が(お客さんと)直接会うのは、良かったり悪かったりなんですよね。こちらとしては作品が全てだし、(作品を観たときに)僕らの顔が浮かばないのが理想。それに、そういうのがヘタでこういう仕事をしているところもあるので」と語る。「その作品が好きで掘り下げていくと『これを作った人はどんな人なんだろう?』という気持ちが生まれるのは、僕もそうだったのでわかるんですけど……」とファンの気持ちを理解しつつ、「あまり夢や想像を壊したくないんです」と訴えた。

 さらに「僕が『エヴァンゲリオン』についてコメントしないのも、そこが大きいんです。自分がしゃべってしまうと、それが答えかどうかもわからないのに、一つの答えにされてしまう。それよりも『これはああなんじゃないか、こうなんじゃないか』と楽しんだまま終わってほしいんです」とシリーズについて言及しない理由を明かし、その上で「……まあ、いずれは『これはこうでした、ああでした』と言う日も来るかもしれないですけど。それはお客さんが十分楽しんだ後でいいんじゃないかと思っています」と打ち明けた。その言葉通り、いつの日か庵野監督自身の口からシリーズに込められた思いが明かされる日が来ることを願いたい。だがまずは、特集上映で庵野監督のこれまでの作品を見返し、その思いの一端を知る一助にしてほしい。(写真・文:小島弥央)

第27回東京国際映画祭は10月23日から31日まで開催 チケットは10月11日よりticket boardにて発売 購入は映画祭公式サイトで
特集上映「庵野秀明の世界」は10月24日から30日までTOHOシネマズ日本橋にて開催


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