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時代は変わっても映画は生き続ける!『炎のランナー』プロデューサーがデジタル時代の展望を語る

第27回東京国際映画祭

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『炎のランナー』『キリング・フィールド』などで知られる名プロデューサー、デヴィッド・パットナム
『炎のランナー』『キリング・フィールド』などで知られる名プロデューサー、デヴィッド・パットナム

 映画『炎のランナー』『キリング・フィールド』などで知られるイギリス人名プロデューサー、デヴィッド・パットナムが27日、第27回東京国際映画祭とMPA(Motion Picture Association)の共催セミナー「映画と資金 - 終わらないドラマ」で講演を行い、「人の心をつなぐのは技術ではない。時代が変わっても映画は生き続ける」と力強く語った。また、この日はキャロライン・ケネディ駐日米国大使も駆け付け、「映画は、人生の何に生きがいを見いだすかを模索するもの。わたしたちの理想や価値を伝える大使」とあいさつした。

 パットナムは、映画を取り巻く環境について「アップルコンピューターの出現によってデータ処理が消費者の手に渡り、時代は大きく変わった。FacebookやツイッターなどのSNSもメディアの在り方を変貌させ、情報の信頼性がより求められるようになった」と分析。

 また、圧迫される映画産業の現状には「テレビドラマやゲームソフトの充実、自宅でも超高画質映像が観られる4Kテレビ、ストリーミングやインターネット経由の視聴サービスなど、人々の思考やテクノロジーは日々進化している。わたしが30年間背負ってきたものは何だったのか? と思うこともある」と苦笑い。

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キャロライン・ケネディ駐日米国大使
キャロライン・ケネディ駐日米国大使

 だが、これらの流れはむしろ、映画産業をいい方向に導く可能性があるとパットナムは予測する。「SNSの活用法は一部に触れただけだが、『口コミ』が進化したもの、つまり『ハイパーコネクティブ』の時代が来る」と目を輝かせ、さらに「例えば『アバター』や『ゼロ・グラビティ』のように、3D技術はあたかもそこにいるかのような感覚を生み出した。市場も、来る高齢者社会に照準を合わせればチャンスはたくさんある」とあくまでも前向きだ。

 デジタル社会をうまく取り込み、映画産業に新たな息吹を吹き込むこと。パットナムの姿勢は嘆きではなく挑戦だ。「今、時代は視聴の選択を模索しているところ。映画を映画館で公開することだけに執着するのではなく、もっと柔軟性を持つことが大切」としながらも、「ただ、大切なのは心を動かすストーリー。時代は変わっても人と人をつなげるのは、技術じゃない、エモーションだ。それがあれば映画は生き残ることができる」と締めくくった。(取材:坂田正樹)

第27回東京国際映画祭は10月31日まで、六本木ヒルズをメイン会場にTOHOシネマズ日本橋や歌舞伎座にて開催

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