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アイドルアニメが過熱!「ラブライブ!」「アイマス」仮想アイドル戦国時代の2大巨頭

アイドルアニメが過熱!「ラブライブ!」「アイマス」仮想アイドル戦国時代の2大巨頭
大ヒット中の『ラブライブ!The School Idol Movie』 - (C) 2015 プロジェクトラブライブ!ムービー

 テレビアニメ「ラブライブ!」が劇場版アニメとなった『ラブライブ!The School Idol Movie』が映画動員ランキングで驚異の3週連続1位を獲得した。同作のようなアイドルを目指す少女を描いた“アイドルアニメ”が熱狂的なファンを増やし続けている。その魅力とはいったい何なのか。

 『ラブライブ!The School Idol Movie』は6月29日時点で、累計興行収入は11億9,442万3,320円と10億円の大台を突破。同作のように深夜アニメから劇場映画が作られたアイドルアニメのヒット作には、昨年100館弱の上映館で累計興収6億7,842万2,000円を記録した『THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ!』が挙げられる。この2作品の共通点から“今はやりのアイドルアニメ”を見つめる。

アイマス
「THE IDOLM@STER」オフィシャルサイトのスクリーンショット

■スタート地点はアニメじゃない!

 深夜アニメの続編として劇場版が作られた「ラブライブ!」「THE IDOLM@STER」(以下、アイドルマスター)だが、両作品ともアニメからスタートしたわけではない。

 「ラブライブ!」は2010年に雑誌「電撃G's magazine」で、アスキー・メディアワークス、サンライズ、ランティスによるメディアミックスのユーザー参加型アイドル育成プロジェクトとしてスタート。誌面では彼女たちのショートストーリーが掲載されたほか、グループ名などの公募で積極的にファンの意見を取り入れたり、AKB48が大成功した要因でもあるCDのセンターを決める“総選挙”を行ったりと、ファンの声を積極的に作品に反映していった。そして2013年に開始したアニメや、スマートフォン向けアプリゲーム「ラブライブ! スクールアイドルフェスティバル」で人気が加速した。

 一方の「アイドルマスター」は、2005年7月にバンダイナムコゲームスが開発したアーケード用シミュレーションゲームとして誕生。ゲームのプレイヤーは芸能事務所のプロデューサーとして、所属するアイドルたちをトップアイドルに育てることを目的に、アイドルの曲や衣装などを選び自分好みの演出でステージを成功させてゲームを進めていく。2007年にはキャラクターをモチーフにしたロボットアニメ「アイドルマスター XENOGLOSSIA」が作られ、2011年にはゲームを基にした「THE IDOLM@STER アイドルマスター」としてテレビアニメ化。現在も家庭用ゲーム機などで新作ゲームが発売されているほか、200人以上の新キャラクターが登場するソーシャルゲーム「アイドルマスター シンデレラガールズ」など派生作品も次々に登場している。

 ちなみにゲームから、テレビそして劇場版の変遷をたどった作品には「アイカツ!」や「プリパラ」も挙げられるが、この二つは女児向けのデータカードダスゲームが原作。アニメも深夜帯ではなく、子供を対象に絞った朝・夕方帯で放送されている。そのため基本的には「ラブライブ!」「アイドルマスター」のファン層とは異なるが、“大きいお友達”と称される大人のファンも存在している。まだ映画が製作されていないものの、テレビアニメが人気の男性アイドルの活躍を描いた女性向け作品「うたの☆プリンスさまっ♪」もゲームが原作である。

■完璧じゃないアイドルが与えるもの

 「ラブライブ」では、廃校の危機にひんしていた高校を救うべく、少女たちが学校を宣伝するためにアマチュアアイドルグループを結成し、学生アイドル(スクールアイドル)の大会「ラブライブ!」に出場する物語が展開する。そのためヒロインたちの活動は、自分たちで衣装を作り、ステージの演出を決めるという手作り感がある設定だ。「アイドルマスター」は芸能事務所に所属する、プロを目指すアイドルの卵たちが登場する。両作品ともアイドルとして登場する人物に、最初から完璧なアイドルやキャラクターが存在しないように見えることも特徴的だ。

 アイドルの成長をファンが見守る図式は、1970年代に一世を風靡(ふうび)したテレビ番組「スター誕生!」の時代から、脈々と受け継がれているが、「ラブライブ!」「アイドルマスター」の原作のように、アイドルの育成方針にファンを自主的に関わらせようとする方法は、現実のアイドル界でもAKB48を筆頭とする最近はやりの手法だ。この方法はファンに「自分がいなければダメなんだ」という庇護(ひご)欲を芽生えさせる。またアニメやゲームのライブシーンを、現実世界でも声優が出演する本格的なライブで再現できるアイドルアニメの強みを生かし、現実と仮想を地続きで応援できる場を設けていることも人気の一端を担っている。自分たちの応援が明確に見える場所はファンに応援することへの意義や充足感を与え、より熱心なファンを生む。

 そして驚異の3週連続1位を獲得した『ラブライブ!The School Idol Movie』や『THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ!』といった劇場版アニメで、キャラクターたちが普通の少女からアイドルになる姿を追ったテレビアニメの物語を締めくくる。両作品ともアイドルとして成長したキャラクターたちが次の世代にバトンをつなぐことをテーマとしており、ファンにとっては単なるアニメの続編ではない。キャラクターたちの最後の雄姿を捉えた作品となったことが、映画がヒットした一因になったと考えられる。

 また、「ラブライブ!」「アイドルマスター」はテレビアニメ以外の部分でファンから育てられるアイドルの図式を作り上げたが、これらとはまったく異なるシステムで、現実のアイドルとアニメをリンクさせたものが、今年9月に劇場版アニメが公開される「Wake Up, Girls!」だ。

Wake Up, Girls!
『Wake Up, Girls! 続・劇場版』より - (C) Green Leaves/Wake Up, Girls!2製作委員会

 「涼宮ハルヒの憂鬱」などのアニメーション監督山本寛が率いる同作は、オーディションで募集した実在の新人7人による声優ユニット「Wake Up, Girls!」を2013年7月に発表すると、2014年1月には劇場版アニメとテレビアニメ第1期を放送した。アニメ化までに3年以上を有し、地道に固定ファンを付けた「ラブライブ!」「アイドルマスター」と比較すると、非常に早いペースである。声優がまさに“本当の新人”であったり、キャラクターの名前がそれぞれの声優に関係していたりと、キャラクターが現実の声優とリンクしていることも、ユーザーに現実とアニメのアイドル両方の成長を見せようとする意気込みが感じられる。この作品がどのような結果を生むのかにも注目したい。(編集部・井本早紀)


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