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麻薬戦争最前線再び!『カルテル・ランド』監督が手がけた新テレビシリーズ

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ドラッグ問題の難しさを語るマシュー・ハイネマン監督

 アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞にノミネートされた映画『カルテル・ランド』のマシュー・ハイネマン監督が、新作テレビミニシリーズ「ザ・トレード(原題) / The Trade」について、2月8日(現地時間)にニューヨークのAOL開催イベントで語った。

【作品写真】マシュー・ハイネマン監督最新作『ラッカは静かに虐殺されている』

 本作は、貧困層の国民を支えるメキシコ・ゲレーロ州の麻薬カルテルの活動やドラッグの製造者、オハイオ州・コロンバスの国境付近で取り締まる警官たち、麻薬常習者を捉えながら、麻薬問題を浮き彫りにしていく。

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 今作を製作した経緯についてハイネマン監督は、「『カルテル・ランド』で、アメリカとメキシコ間で活動する2つの自警団グループを描いた際に、厳しい環境下を撮影した作品として誇りに思っていた一方で、まだ描けていない大きなストーリーがドラッグ戦争にはあると思ったんだ。そこで、ドラッグ戦争を様々な観点から見つめたコンセプトを立て、フィルムメイカーの仲間や調査ジャーナリストたちのチームを呼んで、どこにカメラを据えて撮影すべきか話し合ったんだよ」と説明した。

 それに伴い、これまではハイネマン監督自らが中心になって撮影を行っていたが、今作では撮影監督に任せたりと現場にも変化があったという。「僕は支配欲が強いから、ある程度コントロールを放棄することは難しかった」と語るハイネマン監督。「でも芸術面では『カルテル・ランド』に似たアプローチをしているし、『カルテル・ランド』の協力者たちにも参加してもらったんだ。今作には、(ドラッグ関係の)統計やトーキングヘッド(顔だけを映し出されたインタビュー対象者の会話映像)はなく、さらにドラッグが流行する前後関係にも触れていない。僕の仕事は、どんな人々が(ドラッグ問題に)関わっているかを見せることで、全くこのドラッグ問題に関わろうとしない人々にも、何らかの感情移入をしてもらいたいと思っているんだ」と作品への想いを語った。

 では、今作を通して、われわれは何をすべきなのだろうか。「これは政策や方針を持った映画ではないんだ。だから、今作を見たからといって、ドラッグ問題をどんな風に解決できるかはわからないよ。僕個人としては、政府に希望を持つより、ローカルのレベルでドラッグ問題と戦っている個人個人に希望を持っているね」とハイネマン監督。続けて、今作で描かれた多くの人物が(このドラッグ問題の)環境に閉じ込められていることに触れ、「この環境から抜け出そうとしても、抜け出せないケースが多いんだ。ゲレーロの人々の多くは農家で、彼らが育てているケシの実が最終的にヘロインになり、それがアメリカで消費され、麻薬常習者は亡くなったりするけれど、彼らにとっては、ただ家族を養うためにケシの実を育てているだけなんだ。だから、簡単に白黒つけられる問題ではないのかもしれないね」と問題が根深いことを主張した。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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