わたしたち、入れ替わってる?の名作『転校生』には勝てない…作家五十嵐貴久がホンネ

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映画『転校生』を7、8回は観ているという作家・五十嵐貴久氏 - 提供:大阪アジアン映画祭

 舘ひろし×新垣結衣主演で2007年にドラマ化もされた「パパとムスメの7日間」が韓国で映画化され、このほど行われた第13回大阪アジアン映画祭で日本初上映された。上映後には原作者の作家・五十嵐貴久氏がQ&Aを行い、創作の際には登場人物の体が入れ替わる、いわゆる“入れ替わりモノ”の名作・大林宣彦監督『転校生』(1982)の多大な影響を受けたことを明かした。

 同作はソリの合わなかったパパと娘が事故によって体が入れ替わってしまい、周囲にバレないよう結託しているうちに互いの立場や内面を理解していくハートウォーミングコメディー。韓国版は2017年4月に公開され、パパ役をドラマ「IRIS -アイリス-」や映画『海にかかる霧』(2014)などの名脇役ユン・ジェムン、ムスメ役を日韓共同製作ドラマ「赤と黒」でデビューしたチョン・ソミンが演じている。

映画『パパとムスメの7日間』より - 2017 KIMCHI MOVIE PRODUCTION ALL RIGHTS RESERVED

 入れ替わるきっかけなど設定が多少、原作やドラマと異なるが、パパが化粧品会社勤務で、入れ替わったムスメの女子力のおかげで仕事で思わぬ力を発揮し、対してムスメは、パパの渋い趣味のおかげで憧れの先輩と急接近する展開は同じ。さらに接待カラオケに参加したパパが、アイドルグループSISTARの「Alone」を超セクシーダンス付きで熱唱するシーンもあり、ユンの新たな一面を楽しめる内容となっている。

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 韓国版を4回観賞したという五十嵐氏は、映画の感想を問われると「僕の小説では2人がいつ自分の体に戻れるのか分からないけど、映画は7日後に戻るのが前提になっている。そこが全然違う」と説明しつつ、「でも日本でドラマになろうが、韓国で映画になろうが、関わっている方の解釈がある。意図している部分が間違っていることもあるんですけど、むしろその方が面白く、映画として楽しく拝見させていただきました」と語り、韓国での映画化に感謝した。

 五十嵐氏は映画好きで知られ、自身のTwitterでは観賞作品の忌憚(きたん)のない感想をたびたびつづっている。会場から原作小説執筆のきっかけについて質問が飛ぶと、いつもの調子が戻ってきたようで「映画『フォーチュン・クッキー』(2003)という入れ替わりモノがあるのですが、それを観たときに非常に腹が立った。どうしたらこんなにつまらなくできるのか。あまりにも腹が立ってので、どうにかして面白くしたいと思った」と秘話を語った。

 そこで最も参考にしたのが大林監督の『転校生』だったそうで、「『転校生』は入れ替わりモノのバイブル的な映画ですから、もう7、8回は観ていると思います。その影響は確実にあって、言い出したらキリがない。それに負けないようにと執筆したのですが、残念ながらちょっと勝てないかなぁ」と手放しで賛辞を贈った。

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 入れ替わりは映画『君の名は。』(2016)でも描かれるなど、たびたび描かれるジャンルだが、五十嵐氏は「昔からあるフォーマットでおそらく、どこの国の誰が観ても笑えて納得できるものがある。それがフォーマットの強さ」と普遍的な魅力があることを語った。実際、本作は中国とベトナムでのリメイクも進んでいるという。
     
 韓国の映画会社ではひとつのコンテンツを複数のメディアで使用する“ワンソース・マルチユース”を積極的に行っており、これまでも『あやしい彼女』(2014)が中国・ベトナム・タイ・日本でリメイクされている。また韓国映画『サニー 永遠の仲間たち』(2011)の日本版『SUNNY 強い気持ち・強い愛』(大根仁監督)が8月31日に公開される。(取材・文:中山治美)

五十嵐貴久Twitter @nKcaHkcLBQPV57H

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