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伝説のドラマー、自閉症の子供たちとの思い出のコラボを語る

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左から伝説のドラマー、ミルフォード・グレイブスと大ファンだというジェイク・メジンスキー監督

 伝説のパーカッショニスト、ミルフォード・グレイブスを追ったドキュメンタリー映画『ミルフォード・グレイブス・フル・マンティス(原題)/ Milford Graves Full Mantis』について、ミルフォードとジェイク・メジンスキー監督が、7月10日(現地時間)、ニューヨークの映画館メトログラフでインタビューに応じた。

【作品写真】伝説のミュージシャンのドキュメンタリーといえばコレ!

 本作は、ニューヨークのクイーンズで生まれた伝説のドラマー、ミルフォードが、型破りで魂にこだまするようなエネルギッシュな演奏を通してフリージャズの先駆者になっていく姿や、東洋の音楽治療、薬草学にも興味を示していく過程を描いたもの。さらにその後、ミュージシャンなど多くの人々に影響を与えていく姿も捉えている。

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 自分自身もミュージシャンとして、初めはチェロやトランペットを演奏していたが、いつしかドラムに惹かれていったというメジンスキー監督。「ある人から、『君もドラマーならば、ジョン・コルトレーン(モダンジャズの伝説のサックス奏者)のレコードをチェックして、エルビン・ジョーンズ(ジャズのドラマー)を知るべきだ』と勧められ、レコード店や図書館に行くようになったんだ。すると、今度はそこの人たちからオーネット・コールマン(ジャズ・サックス奏者で、フリージャズの先駆者)やミルフォード・グレイブスもどうだ』と勧められて。だから僕自身は、ミルフォードに会う前からファンだったんだ」。その後、ミルフォードがベニントン大学で教えていると聞き、彼のもとで学ぼうと思ったのと同時に、今作を手掛けようと思いついたそうだ。企画は15年前から始動し、撮影には8年も費やしたという。

 映画の中では、自然と調和した環境の中で、日々を過ごしているミルフォードの姿が映し出されているが、彼は自然からの影響を音楽に反映しているのだろうか。「両親と住んでいた借家の前の住人が病気で亡くなり、ドラムがそのまま借家に置きっぱなしになっていたそうなんだ。僕がドラムを触り始めたのは、それがきっかけだから2歳の頃だったよ。兄弟が居なかったから、孤独感からか、ずっとドラムをたたいていたんだ。近所の人に褒められることで、徐々に自分の演奏にも自信が持てるようになって、自分を信じることができた。だから、(自然に)意識的に耳を傾けていたわけではないと思うよ」とミルフォード。自身は自然の影響を多く受けているわけではないとしながらも、ミュージシャンの中にはそういう人がいるのはわかるとの見解を述べた。

 そんなミルフォードは、過去に日本で、自閉症の児童が通う学校でのドラム演奏経験があるそうだ。「学校に行って教室に入った瞬間、彼らがそれぞれ、さまざまな行動をとっているのを見て自閉症の子供たちであることがわかったよ。でもすぐに、彼らと関わりたいと思ったんだ。彼らは決してアブノーマルではないし、僕たちと同じ人間なんだ。だから、彼らとは普段どおりに接したよ」。

 教室で彼らと過ごす中、ミルフォードはあることを思い出したという。「僕はバプテスト教会で育ち、そこではタンバリン、ドラム、オルガンなどさまざまな演奏を目にしてきたけれど、友人の通っていたカトリック教会に行ったとき、かなり静かだったんだ。なぜかそんなことを思い出してしばらく座っていたよ」。その後、彼がドラムをたたき始めると、自閉症の子供たちはリズムに合わせて動き出したそうだ。彼は彼らの動きと感情だけを感じ取って演奏し、彼らと一体になった気がしたと、思い出深い演奏を振り返った。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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