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草間彌生を追ったドキュメンタリー映画、監督を直撃!

世界的人気を誇る草間彌生
世界的人気を誇る草間彌生 - Andrew Toth / Getty Images

 世界的に活躍する日本人アーティスト、草間彌生を描いたドキュメンタリー映画『クサマ:インフィニティー(原題) / Kusama: Infinity』について、ヘザー・レンズ監督が8月22日(現地時間)、E-mailでインタビューに応じた。

【動画】『Kusama: Infinity』本国予告編

 本作は、統合失調症を患い幻覚や幻聴の症状から逃れるために絵を描き始めた少女時代、母親との対立、美術工芸学校での日本画への失望に、東京での個展の成功、そしてニューヨークでのジョゼフ・コーネルと出会いから、立体作品やインスタレーションを生み出した経緯など、アーティスト・草間彌生の半生を余すところなく捉えたドキュメンタリー作品。

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 レンズ監督が草間の作品に興味を持ったのは、学生時代に美術史と美術を学んだ90年代初期だったが、当時読むことができたのは彼女を特集したカタログ一冊だけだったという。「彼女のアメリカ美術界への貢献が適切に理解されていないことは明らかだったわ。彼女が長い間、精神科病院に住んでいると聞いて、素晴らしいアーティストであるだけでなく、複雑なストーリーが(過去に)あって、それらと彼女の芸術をより多くの人に分かち合ってもらいたいと思ったの。そこで、今作を手掛けたのよ」。レンズ監督は、撮影中に日本人男性と結婚し、より日本文化への関心が深まったそうだ。

 草間が日本画に失望したことについては、「草間は非常に創造的で、若い頃から野心的だったの。だから型にはまった日本画のやり方に従うことは明らかに彼女の運命ではなかったと思うわ。それにアーティストになる上で、彼女も自分のルールを構築していくしかなかったのよ。だから、彼女はそれが受け入れられる環境に身を置かなければいけなかったの」とアーティストとしての選択に理解を示した。また、その後、ニューヨークに移り住み、芸術家としても刺激を受けることになるジョゼフ・コーネルとの関係については、「二人は、それぞれ過去に不公平に傷ついた体験をしてきたことで結びつき、お互いに一緒にいる時間を楽しむことができたのだと思うわ」と自身の見解を語った。

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 草間へのインタビューについては、「最初にインタビューしたときは、今作を手掛け始めてからすでに数年の月日がたっていたの。日本に行くためのお金を確保することは容易ではなかったわ。そんなとき、オーロラ奨学金基金を得て、その団体の理事長のAkiko Agishiが、草間との最初のインタビューをセットアップしてくれたのよ。彼女に会えたことは、とても興奮する出来事で、とても魅了されたわ。インタビューを終えた後に、彼女に『わたしの人生の中で最も楽しい日でした』と告げると、彼女は『わたしもよ!』と答えてくれたの。彼女が寛大であることの証しよね」と貴重な体験を語った。

 本作を通して、観客には草間の(芸術に対する)“一貫性”を感じてほしいというレンズ監督。最後に「大胆な夢を見て、目標を達成するための道を歩き始めた人ならば、必ず彼女のストーリーを称賛できると思うわ」と締めくくった。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

Kusama - Infinity - Official Trailer » 動画の詳細
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