ユアン・マクレガー、作品選びの基準 『ドクター・スリープ』インタビュー

『シャイニング』な場面も登場する『ドクター・スリープ』 - (C) 2019 Warner Bros. Ent. All Right Reserved

 作家スティーヴン・キングの代表作「シャイニング」の続編小説を映画化した『ドクター・スリープ』。前作「シャイニング」で惨劇を体験した少年ダニーの大人になった姿を演じたユアン・マクレガーが、本作や自身のキャリアへの思いを語った。

【動画】「シャイニング」惨劇の場所へ…『ドクター・スリープ』予告編

 名匠スタンリー・キューブリックが、「シャイニング」を原作に歴史的名作を発表したのは1980年のこと。当時、ユアンはまだ9歳だった。「史上最も恐ろしい映画だとみんなが話していたのを覚えている。初めて観たのは、演劇学校にいた18歳か19歳の頃だった。どんなものであっても、時と共に意味は変わり古くなっていくものだけど、この映画は、今観てもやっぱりすごく怖い」と苦笑する。

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 『ドクター・スリープ』でユアンが演じるダニーは、子供時代の記憶に悩みながらも、 ホスピスの職員として、“特殊な力”を使って死期を迎える患者に安らぎを与えている。やがて、自分と同じ力を持つ少女アブラと出会った彼は、迫る危機から彼女を救うため、かつて惨劇の現場となったホテルに戻ることになる。

 予告編では、オノで割れたホテルのドアの隙間からダニーの顔がのぞくショットなど、映画『シャイニング』の名場面を思い出すシーンも登場するが、同作でダニーの父を演じたジャック・ニコルソンを参考にすることはなかったという。「ダニー役については、キングの原作と素晴らしい脚本、マイク(・フラナガン監督)とのやりとりから生み出していった。僕はジャック・ニコルソンをコピーするべきじゃない。彼はダニーの父親を演じていたのであって、僕自身じゃないからね。それに『シャイニング』のあのシーンでダニーは窓から外に這い出て、雪の中にいたから記憶にもないしね」

 メガホンを取ったフラナガン監督は、キング原作の『ジェラルドのゲーム』も手掛けており、撮影中も常に準備万端だったそう。もともと編集マン出身で、ユアンは「ストーリーテリングにおいて、どんなショットが必要かはっきりとわかっているんだ」と称賛する。「だから、ほしいテイクが撮れたら次に進む。これまで一緒に仕事をしたどの監督よりも、1テイクだけで済むんだ。考えてみたら、何テイクも重ねることで知られるキューブリックとは正反対だね(笑)」

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 ちなみに「もともと怖がらされることが得意じゃない」というユアンは、キングの小説もあまり読んでいない。しかし、かつてキングの小説を読んでいたときに不思議な体験をしたという。「ロンドンの演劇学校にいる時、YMCAで友達と狭い部屋をシェアしていた。ある夜、午前3時頃に夢中で『クリスティーン』を読んでいた時、そいつが『大丈夫かい? 突然、部屋のそっち側ですごく奇妙な雰囲気を感じたけど』って言ってきた。僕は『大丈夫だよ』って答えて読書に戻ったんだ。でも次の朝、『昨晩は変なこと言ってたな』ってそいつに聞いたら、そのことを全く覚えてなかったんだよ!」。まさにダニーのような不思議な体験。そうした超自然的な力を信じているのか尋ねると「そうだね。あれは現実だったと思う。友達はそれを感じたんだ。まさにスティーヴン・キングのパワーをね」と笑みを浮かべた。

 敵役を務める『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 Birds of Prey』やオビ=ワン・ケノービ役に復帰する『スター・ウォーズ』のドラマシリーズなど、大作映画やテレビ、インディペンデント作品にいたるまで、さまざまなジャンルで活躍するユアン。そのバランスの取り方について彼は「映画を作っている時はそれしかやらない。すごく朝早くに迎えが来て、夜遅くに家に帰る。それ以外で業界やキャリアのことに全くエネルギーを使わないんだ」と語る。「映画を作っていない時は、自分の人生をただ生きている。作品も、自分がすごくやりたいと感じるものを選んでいるよ。お金のためにだけに働かなくていいのは本当にラッキーだ。舞台も時々やりたいし、『ファーゴ』をやってテレビドラマも興味深いなと思った。今は小さくてもキャラクターを中心としたストーリーが、映画で語られなくなってきているのは残念だね」。(取材・文:吉川優子)

映画『ドクター・スリープ』は11月29日より全国公開

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