劇場版「鬼滅の刃」注目ポイントは?今後のアニメに期待

テレビアニメ「鬼滅の刃」26話より
テレビアニメ「鬼滅の刃」26話より - (C) 吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

 社会現象を巻き起こしている「鬼滅の刃」。吾峠呼世晴による原作コミックは、最新20巻までの電子版を含む累計発行部数が6,000万部を超え、LiSAが歌うアニメ版主題歌「紅蓮華」の各サブスクリプションサービスでのストリーミング再生数は全世界で1億回を突破するなど、その勢いは増すばかり。そんな人気絶頂の最中、「週刊少年ジャンプ」での原作漫画の連載が、第205話をもって約4年3か月で幕を閉じた。連載終了はニュースとなり、最終話掲載号の発売直後から“鬼滅ロス”“鬼滅完結”といった「鬼滅の刃」関連ワードがTwitterで世界トレンド入り。連載終了を惜しむ声も多い。確かに連載終了は残念ではあるが、その人気を爆発的に広めたアニメ版は続き、映画『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』が10月16日に公開される。そこで、劇場版の見どころとなりそうなポイントに注目しつつ、アニメ版「鬼滅の刃」の今後の展望に目を向けたい。

再現度すごい!舞台「鬼滅の刃」【写真】

物語の舞台は走る列車

 「鬼滅の刃」は、人喰い鬼がすむ大正時代の日本を舞台に、主人公の竈門炭治郎が家族を殺した鬼を討つと共に、鬼に変貌した妹・禰豆子を元に戻すため、鬼殺隊の剣士として戦っていく姿を描く。そして、映画の物語は、テレビアニメ「竈門炭治郎 立志編」の最終話となった第26話「新たなる任務」の続き。那田蜘蛛山での激闘で傷ついた身体の治療と機能回復訓練を経て、身体能力を向上させる全集中の呼吸“常中”を会得した炭治郎と仲間の善逸、伊之助。3人は新たな任務として、蒸気機関車“無限列車”に、禰豆子を連れて乗り込んだ。劇場版はそこから始まる物語。この無限列車では、短期間のうちに40人以上もの人が行方不明になっていた。それを鬼の仕業と見て、解決のために派遣された炎柱・煉獄杏寿郎と炭治郎らは列車内で合流。暗闇の中を疾走する列車内の限定された空間で、乗客を守りながら戦うという、これまで以上に困難な任務に挑むことになるのだ。

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後進を導く炎柱・煉獄杏寿郎の魅力

鬼滅の刃
テレビアニメ「鬼滅の刃」23話より・テレビアニメBlu-ray&DVD第1巻~第10巻発売中 - (C) 吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

 鬼殺隊最強の剣士は「柱」と呼ばれており、アニメでも柱合会議で9人の柱がそろう姿が描かれた。そして今回の劇場版では、炎の呼吸の使い手である炎柱の煉獄杏寿郎が登場する。あまりにも真っ直ぐすぎるため、多少変わり者に見えるところもあるが、正義感が強く、誠実で熱い心を持つ人柄は、誰からも信望が厚い。戦闘能力ももちろん高く、リーダーシップもあるため、炭治郎たちに的確な指示を与えながら共に戦い、多くの乗客を守ることになる。そんな杏寿郎の生きざまは、炭治郎と伊之助らがさらなる高みを目指すために大きな影響を与えると共に、その後の炭治郎が戦い抜く中で何度も心の支えとなるほどに、大きな存在となる。那田蜘蛛山では、水柱の冨岡義勇と蟲柱の胡蝶しのぶの戦う姿もそれぞれ登場したが、最初から柱が炭治郎らと共に戦う姿が描かれるのは今回の劇場版が初めて。最強の剣士である柱の戦いとその姿が、本格的に描かれることになる。

十二鬼月との激闘…!

 今回の劇場版で炭治郎らの前に立ちはだかるのは、炭治郎の仇敵・鬼舞辻無惨の配下の鬼の中でも最強の十二鬼月。その強さから上弦と下弦の六鬼ずつに分かれ、その証が目に刻まれている。「竈門炭治郎 立志編」の最終話で、無惨から下弦の解体が言い渡されたが、そこで唯一生き残ったのが下弦の壱の魘夢。無惨の血によって力を増した魘夢は、無限列車に乗り込んだ炭治郎たちと激闘を繰り広げることになる。魘夢は「眠り鬼」とも呼ばれており、敵を夢の中に誘ってその精神世界から攻撃を仕掛ける。さらに、列車という限定された空間を活かした物理的な攻撃もある。上弦に最も近い存在の十二鬼月の力がどれほどのものか。そして、杏寿郎と、成長段階にある炭治郎、善逸、伊之助、さらに禰豆子がどのような連携を見せるのか。これまでとは違った戦いが、アニメ版ならではの見事な描写で表現されることだろう。また、炭治郎の精神世界や夢の世界などが描かれることも見逃せない。そして、原作のどこまで描かれるかはまだ明かされていないが、おそらく初めて上弦の鬼も登場し、その異次元の強さをみせつけることになるだろう。

劇場版以降はどうなる!?

鬼滅の刃
映画『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』は10月16日公開 - (C) 吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

 今回の劇場版では、炭治郎、善逸、伊之助、禰豆子がそろい、彼らと柱が初めて本格的に絡んで、十二鬼月と激闘を繰り広げることになる。メインキャラクターがそろい、彼らの成長を柱が促すという、中盤の起点になる物語であると共に、原作では12話分前後に相当し、これまでのアニメ化のペースに換算するとテレビ版6話分前後で、映画1本分の2時間前後にまとめやすい分量などから、今回は劇場版という形で製作されることになったと推測される。また、テレビシリーズ自体が、映画と遜色ない高レベルで制作されていることから、毎週放送するための制作体制を維持することは難しいという事情もあったかもしれない。

 そして、今回の劇場版は原作コミックの7巻の途中から8巻の途中あたりまでが描かれると思われるが、その後も、他の柱たちや上弦の鬼が登場し、炭治郎たちの戦いは激しさを増していく。順調にいけば、もちろんそれらの物語もアニメ化されることは間違いないだろう。原作、アニメ版、双方に独自の魅力があるだけに、物語の展開を知っていても、アニメ版への期待は高い。劇場版が、内容的にも興行的にも成功すれば、現在のブームはさらに広がる可能性があり、次なるメディア展開も明確になっていくことだろう。劇場版後も、原作のエピソードの3分の2近くが残っているし、小説版やスピンオフ外伝などもある。原作が完結したことで、最終回までを見越したアニメ版全体の構成も作りやすくなると思われる。しかし、クオリティー維持やアニメ版ならではの魅力を高めていくためにも、アニメ版が最終回を迎えるまでには、数年かかることだろう。原作が終わっても、「鬼滅の刃」への楽しみはしばらく尽きそうにない。まずはこれまでのような最高の作品を見せてくれることを期待しつつ、劇場版の公開を楽しみにしたい。(天本伸一郎)

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