LiSAが語るアニソンを歌う醍醐味 「鬼滅の刃」で知った新たな表現

LiSA
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 テレビアニメ「鬼滅の刃」の主題歌「紅蓮華」が大ヒットを記録したLiSA。公開中の『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の主題歌となっている最新曲「炎」も、各音楽配信サイトのチャートで1位を獲得するなど、大きな話題を呼んでいる。数々の名曲を世に送り出している彼女だが、「アニソンを歌うことによって、たくさんの新しい出会いを叶えることができた」と噛み締めるように吐露。初めてアニソンに携わった作品「Angel Beats!」(エンジェル・ビーツ)で得た力、「紅蓮華」の歌詞を体現したようだったというNHK紅白歌合戦のステージなど、LiSAがアニソンを通して知った“歌う喜び”を語った。

【写真】「鬼滅の刃」イベントに登場したLiSA

梶浦由記とのタッグで得た新たな表現

『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』
『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』は公開中 - (C) 吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

 家族を鬼に殺された少年・炭治郎が、鬼に変貌した妹を人間に戻すために鬼殺隊に入り、“鬼狩り”の道を進む姿を描く吾峠呼世晴の漫画「鬼滅の刃」は、シリーズ累計発行部数1億部を突破。テレビアニメも人気を博した。

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 テレビアニメから続く物語を描く『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の主題歌「炎」は、作詞をLiSAと梶浦由記、作曲を梶浦が手掛けた。LiSAは「映画の制作陣の方とは『壮大なバラードを作ろう』というお話をしていました」と制作について述懐。

 「『無限列車編』は、炭治郎たちがまたひとつ新たな経験をして、大きく成長していくきっかけとなるエピソードで、私も大好きなお話でした。観客の方々には希望を持って、映画を見終えてくれたらいいなと思っていました。炭治郎たちが経験する悲しみに寄り添いつつ、『どんなに悲しいことがあっても、前に進んでいくんだ』という強さを込めました」

 テレビアニメのエンディングテーマ「from the edge」でもタッグを組んだ梶浦の存在も、LiSAにとって大きなものとなり「それまでの私だったら、前を向くことを歌う楽曲は、一直線に突き進むという歌い方になっていたと思います。梶浦さんとご一緒して、“話すように歌う”など、新しい自分の声の表現方法を知りました。自分の楽曲だけでは知り得なかったことをたくさん学びました」とよりドラマチックな表現ができるアーティストへと進化を遂げている。

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「紅蓮華」紅白歌合戦のステージは「とても緊張!」

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 「鬼滅の刃」について、「悲しい思いをしたときに、そこで鬼になるのか、鬼殺隊になるのか。どういう選択をするのかという物語ではないでしょうか。悲劇的なことを世の中のせいにした人が鬼になって、それを自分の強さに変えた人たちが鬼殺隊に入る物語だと思っています」と分析するLiSA。

 「私自身、鬼になってしまう人たちにもすごく共感できる。だからこそ、悲しいことがあってもそれを恨むのではなく、力に変えることができるように進んでいけば、炭治郎たちのような強さを手に入れられるのかなという希望を持ちました」と自らもアニメから勇気をもらっているそうで、楽曲をつくる上では「生きる力」を大切にして臨んでいるという。

 「紅蓮華」も、まさに“悲しみを力に変える強さ”を表現している。LiSAにとって「弱い心を強さに変え、一歩踏み出した経験」として思い出すのが、デビューから9年目で初出場を果たした2019年のNHK紅白歌合戦のステージだ。「紅白というステージに挑むことは、怖くもありました。私自身、紅白を目指して歌手をやってきたわけではないですが、がむしゃらに走ってきたら、その先に紅白というご褒美が待っていた感じ」と振り返りつつ、「ものすごく緊張した」とも。しかし、震えるような思いを乗り越えた先には、想像した以上の未来が待っていたと続ける。

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 「反響もとても大きくて。紅白をきっかけに、お子さんやご年配の方など、より多くの方が『鬼滅の刃』という作品を好きになってくれたり、『紅蓮華』を歌ってくれたり、LiSAという存在も知ってくれた。挑むまでは怖かったけれど、それを乗り越えた先にはたくさんの人が待ってくれていた。その先の未来があったんです」

LiSAがアニソンを歌う理由

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 学生時代、卒業後もバンド活動に明け暮れ、2008年に地元・岐阜県から上京。2010年にテレビアニメ「Angel Beats!」(エンジェル・ビーツ)の劇中バンド「Girls Dead Monster」(通称ガルデモ)のユイのボーカル担当に抜てきされ、注目されたLiSA。今の原動力を聞いてみると「ファンのみんなの存在」と即答。「信じて待ってくれているみんなに楽しんでほしいという思いを込めてステージに立っています」と輝くような笑顔を見せる。

 彼女が歌を届ける喜びを強く実感したのは、「ガルデモの経験」とアニソンでのステージだったという。

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 「バンドをやっていた頃、1人のお客さんに手を挙げてもらうことがどれほど大変なのかを身に染みて知りました。それが、『ガルデモ』としてステージに立ったときに『自分の好きな作品に関わっているアーティストだ』ということでたくさんの人が盛り上げてくれて。目の前にいる人が手を挙げてくれるという尊さを、そのときに強く実感しました。そうやって愛をもらったからこそ、私もみんなに恩返ししたいと思う」と力強く語る。

 アニソンを歌う醍醐味について、「私だけでは伝えきれない、たくさんのメッセージを届けることができること。曲に込められたドラマだけではなく、作品を通して、たくさんの人にドラマを伝えられること。私自身、アニソンを歌うことによって、たくさんの新しい出会いを叶えることができた」としみじみ。

 挫折も繰り返しながらここまで進んできた。LiSAが“強くなれた理由”は、「自分の思いが叶わない、届かない時期があったからこそ、『Angel Beats!』以降にもらえた幸せ、その一つ一つがすごく大切なものに感じています」ということと、「歌が大好き。私には歌うことしかできないから」と確かな思いを手にしたからだ。

 「Angel Beats!」では、シナリオライターで音楽プロデューサーの麻枝准から、忘れられない言葉ももらった。「麻枝さんが『僕は君に十字架を背負わせてしまったのかもしれない。ガルデモをやっていたLiSAだ、とずっと言われ続けてしまうかもしれない』とおっしゃっていまいした。麻枝さんにそんな思いをさせたままではいけない。『Angel Beats!』を超えていくくらいの気持ちで、LiSAとして自立していかなくちゃいけないという意識が芽生えました」と告白。

 その後もすばらしい出会いを重ね、「『鬼滅の刃』では、『絶対に観てもらいたい作品だ』と思って、熱心に送り届けようとした人たちがいて、それを受け入れてくれた人たちがいて。“すばらしい作品に誠実に向き合っていく”という、これまで大事にしてきた姿勢が間違っていなかったんだなという自信をもらいました」とさらに前を向いていた。(取材・文:成田おり枝)

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