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「青天を衝け」幕府崩壊後の“家康コーナー”どうなる!?スタッフの嬉しい悩み

大人気の家康コーナー
大人気の家康コーナー - (C)NHK

 現在放送中の大河ドラマ「青天を衝け」(NHK総合ほかにて放送)でおなじみの、北大路欣也ふんする徳川家康の登場シーン。複雑な政局で難解な幕末を、江戸幕府を開いた人物として俯瞰的な視点で物語をナビゲートするスタイルは大きな反響を呼び、すっかり人気コーナーとして定着している。ドラマがスタートする前は、北大路も「よく分からない……」と話していたという家康のシーンについて、演出の黒崎博が率直な胸の内を明かした。

【写真】三浦春馬さんが演じた徳川家康

 幕末から明治時代にかけ、既成概念に捉われることなく斬新な視点でさまざまな偉業を成し遂げ、「日本資本主義の父」と呼ばれた実業家・渋沢栄一(吉沢亮)の生涯を描く本作。物語は、欧米列強が開国を迫る混沌とした時代からスタートする。

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 尊王攘夷、開国、佐幕に倒幕と、幕末は刻一刻と情勢が変わる動乱の時代。江戸幕府を開いた徳川家康が、その終焉を見届けるかたちで、政局を解説しながら語り部として登場するというのは、脚本の大森美香の発案によるもの。家康は冒頭に登場することもあれば終盤近くになることもあり、Twitterでは「来た!」「今日は出てこないのか」などと毎度盛り上がっている。

 250年以上も前の時代に生きた家康が幕末に登場するというアイデア。黒崎は「突飛な仕掛けであり、どういう風に観ていただけるのか……と放送前はドキドキしていた部分は正直ありました」と胸の内を明かすと、家康を演じた北大路も、こうした登場の仕方に「よく分からないな、どうなんだろう」と半信半疑だったという。それでも「やるからには正面からしっかり向き合うので、何でも言ってください」という北大路の言葉は、製作陣にとって大きな励みになった。

 放送がスタートすると好意的な反響が相次いだ。黒崎は「わたしたちは『家康コーナー』と呼んでいるのですが、視聴者のみなさまが『面白い』と言っていただけていることはすごく嬉しいんです」と笑顔を見せると「なかでも家康さんが語っている情報で、難解な幕末が分かりやすくなったという意見をいただけると、非常にありがたいなと思っています」と視聴者の反響を喜ぶ。

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 北大路自身も家康への注目度にやりがいを感じているそうで「すごく楽しいとおっしゃって、『次はどんな感じでやればいいかな』といろいろなアイデアを出し合って『家康コーナー』を作っています」と黒崎も楽しそうに語っていた。

 一方で“嬉しい悩み”も発生した。もともと家康が登場する大義名分は、「江戸幕府を作った人が、その終わりを見届ける」というもの。しかし物語は、明治時代以降も続く。黒崎は「これから先、どうやっていこうか……と大森さんをはじめ、みんなで思いを巡らせているんです」と苦笑い。

 もしかしたら、江戸幕府崩壊と共に家康の出番もなくなるのか……? と心配にもなるが、黒崎は「もう引くに引けないと思っています」と今後の考えを明かす。

 「いつの間にか、家康さんは江戸幕府を開いたという立場を超えて、栄一の頑張りを称えたり、誰かが矛盾に満ちたことを言えば、腹を立ててみたり……と物語を見守る立場の人になっている気がするんです」と、当初の思惑から変化している家康に触れ「だったら、江戸幕府が終わってしまったら出番がなくなるということではなく、栄一を温かく見守る一人の人物として、最後まで見届けて欲しいんですよね」と続ける。

 そんな黒崎の思いをどうやって物語に落とし込むのか……。「非常に難しく、いまの段階ではどうしたらいいのだろうと頭を悩ませながら方法を模索しています」と語っていた。(取材・文:磯部正和)

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