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ケイン・コスギ、「カクレンジャー」苦労の時代が土台に 三大特撮制覇後の現在地

ケイン・コスギ、3大特撮ヒーロー変身&“レジェンド”高岩成二との対決語る!「グッドモーニング、眠れる獅子2」英語インタビュー【日本語字幕あり】 » 動画の詳細

 スーパー戦隊、仮面ライダー、ウルトラマンという日本を代表する三大特撮ヒーロー全てに変身する偉業を成し遂げた俳優ケイン・コスギ(48)。最新作「グッドモーニング、眠れる獅子2」では、“ミスター平成仮面ライダー”の異名を持つスーツアクター・高岩成二や、特撮ヒーロー俳優たちとの共演が実現した。三大特撮を制覇したケインがインタビューに応じ、レジェンドとのタッグや特撮への思い、来年30周年を迎える「忍者戦隊カクレンジャー」(1994~1995)撮影当時のエピソードを語った。

【動画】ケイン・コスギ、三大特撮ヒーロー変身を振り返る!

レジェンド・高岩成二と念願の直接対決

「カクレンジャー」 にスーツアクターとして参加していた高岩と対決 - (C)2023「グッドモーニング、眠れる獅子2」製作委員会

 平成仮面ライダーシリーズでお馴染みの高岩が、初めて顔出しで主演を務めたアクションドラマ「グッドモーニング、眠れる獅子」。監督の坂本浩一をはじめ、日本の特撮を支えてきたキャスト・スタッフが集結して制作された。高岩や坂本監督と交流があるケインにとっても夢のプロジェクトであり、「オファーを受けた時、すぐにやりますと伝えました」と目を輝かせる。

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 ケインが演じたのは、無敵の傭兵・黒虎。元傭兵の主人公・九條和真(高岩)の戦友でもあるキャラクターだ。「脚本を読んで、衣装合わせの時に坂本監督とお話しして役を構築していきました。黒虎は『劇場版 仮面ライダーリバイス バトルファミリア』で私が演じた仮面ライダーダイモンと似ている部分もあり、九條との過去もあります。高岩さんに対する感情はもちろん、黒虎が与えられた仕事をきちんと果たすことが重要でした」

 「カクレンジャー」でニンジャブラックを演じていたケインは、同作でニンジャレッドのスーツアクターを務めていた高岩と念願の直接対決を果たした。「『カクレンジャー』の撮影現場で高岩さんの姿を見続けていましたが、本作まで直接対決は叶いませんでした。かなり緊張しましたが、高岩さんのスタントチームとは何度も仕事をしていて、高岩さんと一緒にリハーサルをする機会が数回しかなかったとしても、息の合ったお芝居ができました」

 前作で芸能マネージャーを担当していた九條は見習いシェフに転職し、一流シェフを目指す少女・朱音(小栗有以)を守るために奔走する。見どころのアクションシーンでも、九條と黒虎が厨房を舞台に、キッチン用具を使ったユニークなバトルを繰り広げる。「フライパンや冷蔵庫を使ってバトルすることが新鮮で、フライパンに思い切りパンチしているように見せたり、冷蔵庫を殴って痛めないようにするなど、大変な部分もありました。キッチンが狭いので、お互いを傷つけないようにすることはもちろん、いかに戦いをリアルに見せられるかを意識していました」

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追いつくことに必死だった「カクレンジャー」時代

「カクレンジャー」は来年30周年

 「ウルトラマンパワード」(1993)や「カクレンジャー」で変身経験があったケインは、昨年公開の『劇場版 仮面ライダーリバイス バトルファミリア』(2022)で仮面ライダーダイモンに変身し、三大特撮を制覇した。スーパー戦隊、仮面ライダー、ウルトラマンそれぞれに「違った魅力があります」と話すケインは、「特撮は私にとっても特別なプロジェクトです」と力を込める。

 「スーパー戦隊は基本5人で、同時に変身するのは気持ちがいいですし、バスケットボールやアメフトなど団体競技をしていた高校時代を思い出すような、特別な感覚がありました。ウルトラマンや仮面ライダーにもそれぞれ長い歴史があり、その重さを受け止めていました。特に昨年、仮面ライダーに初めて変身した時は、緊張はもちろん、すごく興奮しました。初変身では力を入れすぎて、ベルトを壊してしまったんです(笑)。力を込めて変身しなければと、パワーがみなぎっていました。ヒーローに変身した人たちは、特撮の歴史や、ファンの存在がいかに大切であるかを理解しています。『仮面ライダー』に出演した時も、ファンの期待を裏切ってはいけないと緊張していましたし、ベストを尽くしたいと思いました」

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 アメリカで「ウルトラマンパワード」を撮影したケインは、「カクレンジャー」で初めて日本での特撮作品の撮影を体験。来日したばかりで日本語が堪能ではなかったケインは、周囲のサポートを借りながら、必死で撮影に挑む日々が続いた。

 「当時は全く日本語が話せず、とても苦労しました。週1話放送のハイペースだったので、毎週新しい脚本が届くと、内容を理解するために、日本語の脚本を読んでくれる人が必要でした。10話が終わるまでは、毎日朝から夜まで続く撮影のペースに追いつくことが大変でした。変身シーンがあると『ここで変身か!』と、他の4人に合わせていました(笑)。今となっては、特別な経験ができたと思っています。日本語も同時に学ぶことができましたし、日本の環境で撮影したことで多くのことを学びました。『カクレンジャー』の1年間で経験した全ては、30年近い日本での役者人生の助けになっています」

 「カクレンジャー」のメンバー4人とは昨年、久しぶりに顔を合わせる機会があった。「メンバーとは常に仲良しです。15年近く会えていなかったので、嬉しい再会でした。長い時間を経て再会しても、みんな変わっていません。レッド(小川輝晃)とブルー(土田大)がよくしゃべり、私とイエロー(河合秀)とホワイト(広瀬仁美)が静かな構図は当時のままです(笑)。『仮面ライダーリバイス』のスピンオフでは小川さんと広瀬さんと共演することができましたし、時が経って再共演できてとても楽しかったです」

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変身とは「自分が思っている以上に強くなれた瞬間」

 「特撮を経験していなければ、この業界にはいなかったかもしれません」と語るケイン。特撮は、役者人生において特別な意味を持っているという。「『カクレンジャー』出演から来年で30年になりますが、たくさんの方が『カクレンジャー』を観て育ったと話してくれます。そういった声援は私を幸せにしてくれますし、同時にもっと頑張らなければという気持ちに結びつきます。自分の姿を観て育ったと言ってくださると、この仕事が大好きだということを実感します。作年仮面ライダーに変身した時も、撮影中は常にベストを尽くして、ファンのために限界を越えようと意識していました」

 ケインは40代後半を迎えても、肉体改造に励み、自分の限界を越え続けている。「自分が好きなことをやる。これが最も重要なことです。幼少期から私の父やブルース・リー、ジャッキー・チェンの姿を見て育ち、常にアクションがやりたいと思っていました。常に上を目指したかったし、今もまだ上達できると思ってトレーニングを続けています。坂本監督のような方々と仕事ができるのはご褒美だと思っていて、彼らと共演することで、さらに上達したいというモチベーションが生まれます。もし次回も共に仕事ができるのであれば、新しいものを彼らに提供する必要があります。偉大な方々との共演は、自分に刺激を与えています」

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 もちろん、さらなる特撮ヒーローへの変身にも前向きだ。「個人的にはもう1回ずつ変身したいです(笑)。もう1年スーパー戦隊に挑戦するのも面白いかもしれませんし、仮面ライダーやスーパー戦隊の英語リメイクにも興味があります」

 ケインにとって変身は、自分が思っている以上に強くなれた瞬間だという。「誰もが何かに集中した時、通常では発揮できないような力が湧き出てくることがあると思います。私も昨年『SASUKE』に挑んだ時、練習の時から集中していたのですが、本番ではどの練習よりも力を発揮することができて、不思議な気分になりました」。特撮レジェンドとの直接対決を経て、新たな領域に突入したケイン。アクション俳優としての限界なき挑戦は、これからも続く。(取材・文:編集部・倉本拓弥)

「グッドモーニング、眠れる獅子2」はLemino・ひかり TV で配信中

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