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TVアニメ「呪術廻戦」は何がスゴいのか!「渋谷事変」はどうなる?

「渋谷事変」キービジュアル
「渋谷事変」キービジュアル - (C)芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会

 MBS/TBS系テレビアニメ「呪術廻戦」第2期(毎週木曜23:56~)が、いよいよ佳境とも言える「渋谷事変」へと突入した。新しいオープニングとエンディングテーマも公開され、視聴者の期待とボルテージも高まっている。本作の魅力をあらためてひも解きながら、「渋谷事変」に備えたい。(文:大山くまお)

【画像】「懐玉・玉折」キービジュアル

「呪術廻戦」の魅力とは

 芥見下々による『呪術廻戦』は「週刊少年ジャンプ」で2018年から連載されている人気コミック。2020年にアニメ第1期が放送されて人気が爆発し、原作単行本のシリーズ累計発行部数は2023年8月発売の23巻で累計8,000万部を記録した。2021年には前日譚を映像化した映画『劇場版 呪術廻戦 0』が公開されている。

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 物語は、人間の負の感情から生まれる“呪い”と、それらを呪力で祓う“呪術師”との激しい戦いを描くというもの。常人離れした身体能力を持つ高校生・虎杖悠仁が、“呪いの王”と称される特級呪物・両面宿儺の指を口にしたことからその身に呪いを宿し、呪霊に立ち向かうことになる。

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(C)芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会

 人気の要因はいくつもある。まずは、まっすぐな気持ちを持つ虎杖や、人を食ったような態度の最強の呪術師・五条 悟をはじめとする個性的なキャラクターが多数登場すること。スピーディーで予測不可能な展開、呪術師たちが使う“術式”などの複雑で難解な設定、散りばめられた謎や伏線も魅力的だ。バトルは王道で熱く、描写は残酷で容赦がなく、それでいてどこまでもスタイリッシュ。主人公たちは呪術師を養成する呪術高等専門学校に通っているため、学園もの、青春ものという側面もある。

「呪術廻戦」の“禍々しさ”

 本作の最大の特徴は、作品全体を覆う“禍々しさ”だ。呪霊を生み出す、妬み、恥辱、憎しみなどの人間の負の感情が横溢していて、登場人物たちも作品に触れる我々もそのたびに苦い気持ちを味わうことになる。主人公たちは負の感情に押し潰されそうになりながら、必死に戦い続ける。

 呪霊や呪霊を操る呪詛師たちは、人間とはまったく異なる倫理観を持っており、彼らにとって人の命はとてつもなく軽い。呪術師たちは、人を助けようとしても助けられないことにふがいなさと自責の念を抱きながら、呪霊たちを祓い続ける。

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 「呪術廻戦」は、閉塞感に満ちた世界で、それでも絶望しない若者たちが必死に抗おうとする物語だと言える。だからこそ、今を生きる多くの人が惹きつけられるのだろう。

アニメ第2期「懐玉・玉折」

 アニメ「呪術廻戦」第1期は、呪術師となった虎杖が、都立呪術高専の同級生・伏黒 恵や釘崎野薔薇と出会い、協力してさまざまな呪霊を祓う「呪胎戴天編」、虎杖の宿敵となる特級呪霊・真人らと戦いを繰り広げる「幼魚と逆罰編」などが描かれた。

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(C)芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会

 制作を担当したMAPPAによるハイクオリティーな映像は、美しい作画によって原作をより丁寧に見せることで、視聴者の理解度と没入度を深めている。また、画面の奥行きを活かしたスピード感あふれるアクションシーンは、すさまじい迫力とともに各キャラクターの動きや術式を克明に描き出している。

 第2期は、五条が呪術高専の生徒だった過去を描く「懐玉・玉折」で幕を開ける。「懐玉」は五条が、親友・夏油 傑とともに”術師殺し”伏黒甚爾との死闘を繰り広げるエピソード。「玉折」は醜い人間たちに絶望した夏油が、呪霊を操って人を殺める“呪詛師”に堕ちてしまうエピソードである。「懐玉」で五条と夏油の仲の良さとコンビネーションが眩しく描かれるほど、「玉折」の結末の闇が濃く深くなっていく仕掛けだった。

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不穏すぎる「渋谷事変」

 虎杖たちの日常が描かれた第30話「そういうこと」から時代は現代(2018年)に戻り、呪術師たちと呪霊や呪詛師たちが激突する「渋谷事変」へとなだれ込む。一夜の出来事だが、原作では実に53話を費やして描かれた長大なエピソードである。

 「渋谷事変」は、呪霊の漏湖、特級呪霊の真人、夏油らが結託し、ハロウィンで賑わう渋谷の街に多くの人々を閉じ込めてしまうところから始まる。呪術高専から多くの呪術師たちが派遣されるが、呪術師たちは苦しい戦いを強いられることになる。

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(C)芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会

 多くの登場人物たちが、渋谷の各所に分かれて分刻みで局地戦を行い、それぞれが駆け引きしながら様々な術式を使用するため、長大かつ複雑な展開になるが、各場面が丁寧に描かれることによって、見ごたえのあるアニメになることだろう。

 ただし、血の色のような赤が強調され、不穏な場面が続く新たなオープニングムービーが示唆するように、ハードで辛い展開が待ち受けているのは間違いない。長い戦いの果てに何が見つかるのか。今際の際際まで覚悟を決めて「渋谷事変」の一部始終を見届けたい。

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