朝ドラ「あんぱん」高橋文哉、1週間で5キロ減量 「3日間干し芋1日1枚」
今田美桜主演のNHK連続テレビ小説「あんぱん」（総合・月～土、午前8時～ほか）で辛島健太郎を演じる高橋文哉が朝ドラ初出演を果たした心境や、初の博多ことばに挑んだこと、増量や減量など役へのアプローチを振り返った。戦争のシーンについては、「1週間で5キロ落としました。戦争中は芋を1日に1本しか食べられなかったとお聞きして、そこから自分も、干し芋を1日1枚食べるという生活を3日くらいやっていました」と話している。
第112作目の連続テレビ小説「あんぱん」は、“アンパンマン”を生み出したやなせたかしと小松暢の夫婦をモデルにしたヒロイン・朝田のぶ（今田）、柳井嵩（北村匠海）が、あらゆる荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現した「アンパンマン」にたどり着くまでを描く物語。脚本は、「花子とアン」「Doctor-X 外科医・大門未知子」などの中園ミホ。
高橋演じる辛島健太郎は、嵩（北村匠海）の東京高等芸術学校時代の同級生。若い頃に友人がいなかった嵩にとっての真の友人。嵩より先に出征していたが、小倉連隊で再会する。高橋にとって朝ドラ初出演となり、「朝ドラはずっと目標のひとつだったので、出演させていただくことができてすごくうれしいです。反響もたくさんいただいて。バラエティー番組でご一緒させていただいている先輩も見てくださっているようで、会うたびに「あんぱん焼いてる？」と言われて、「僕、焼かないんです」というくだりを毎週やっています（笑）」と反響を報告。
健太郎は福岡出身の設定であり、高橋は初の博多ことばにも挑戦。「博多ことばは、難しいです。最初は台本を読んでいても、何を言っているのか分からなくて、脳と舌が追いつかない状態でした。今はやっと、文字を読むと音が頭の中に出てくるようになってきた感じです。ただ、お芝居に気持ちが乗ると、方言が飛んでしまうことがあって。博多ことばは語尾が上がることが多いのですが、悲しくて音としては下げて言いたいときに、上げないといけない場面があると難しくて……。そういうときは、方言指導の先生が別の言い方を提案してくださるので、安心感がありますし、いつも助けていただいています」
第10週で健太郎に赤紙が届いた。嵩と二人でカレーを食べながら赤紙が来たことを報告するシーンでは「僕としても初めて見る健太郎だなと思いました。嵩と積み重ねてきた思い出があるからこそ、彼にむかって赤紙という言葉を口にするのがすごく苦しかったですし、カレーの味がしなかったことを今でも覚えています。今後の健太郎の人生においても、すごく記憶に残る日になるんだろうなと思いました」と振り返る。
第11週と第12週では戦争シーンが描かれたが、「撮影しながらも、これが実際に起きていたのだということに、どうしても現実味が感じられませんでした」という高橋。「しかし、それでも自分がお芝居で体感して演じなくてはいけないので、大きな責任があるなと思っています。事前に、当時の戦争について記されている本を監修の方からいただいて。文面だけでは理解できないことは、聞いたり、自分で調べたりして臨みました。上の立場の人から手をあげられることがたくさんあったそうで、お芝居の中でも目上の人と接するときには、緊張感を持って身構えていました」
また、戦争のシーンでは「常に背筋が伸びていた感覚があった」といい、減量も行った。「元々、健太郎を演じる上で、福岡から東京に出て来た子の雰囲気が出せればいいなと思い、5キロくらい増やしていたのですが、戦争のシーンに向けて1週間で5キロ落としました。戦争中は芋を1日に1本しか食べられなかったとお聞きして、そこから自分も、干し芋を1日1枚食べるという生活を3日くらいやっていました。あとは乾パンを食べてみるなど、なるべくできるところはやろうといった気持ちでしたね」
高橋は本作から多くの影響を受けるなかで、「なかでも北村さんとの出会いはすごく大きい」と語り「北村さんは、本当にやさしくて包容力のある方です。最初に人見知りしていた僕に、ふと「文哉はさぁ」と名前で呼んでくださって、キュンとしました（笑）」と共演を振り返った。（石川友里恵）
