井川遥、舞台挨拶で感極まり涙…映画で難役「思い出が本当にありまして…」

堺雅人と井川遥が29日、都内で行われた映画『平場の月』(11月14日公開)の完成披露試写会後にサプライズ登壇。井川は思いの丈を吐露し、感極まり涙した。
原作は、第32回山本周五郎賞を受賞した朝倉かすみの同名小説。さまざまな人生経験を積んだ中学時代の同級生・青砥健将(堺)と須藤葉子(井川)が35年ぶりに再会し、心を通わせていく物語。
豪華キャストが集結した試写会前の舞台あいさつでは笑顔でトークを繰り広げた井川だったが、上映後の舞台あいさつでは観客の前に登場した時点で感極まっている様子。感動の涙を流している観客を含め、会場から盛大な拍手を受けた二人は深々とお辞儀する。堺は「(舞台)袖で映画が終わったあとに皆さんの拍手を聞く機会はなかなかなくて。春の優しい雨のような、静かで温かい拍手をいただいたので、あぁよかった……と。終わった後に皆様の前に登場するのもどうだろうというドキドキがあったものですから、とても温かく迎えていただき感謝申し上げます。ありがとうございます」と礼を述べた。
井川は「須藤という役が複雑で難しかった分、思い出が本当にありまして……。今日この日を迎えることが嬉しいような、原作ファンも多かったので心配もあったんですけど、温かく迎えてくださってありがとうございます」と声を震わせながら話し、涙を拭う。上映後ということで同役についての詳細や、順撮りで撮影したことにも触れ、「今日、みなさんと同じような感覚で完成したものを観まして、命のきらめきみたいなものを感じて……」と本作の感想も語った。
また、「気づきが多い映画だと思います。人生の時間というものを、この年になると意識するようになって、だからこそ日常のありふれた大事なものにフォーカスして生きていきたい。自分の年齢(49歳)と作品がリンクして、グッと自分の中に深くなりました」と打ち明ける井川。さらに、「青砥と須藤が一緒に過ごしてきた時間があるように、わたしも堺さんも役の中ではありますけど、そこを生きた感覚がありました」と充実した表情ものぞかせる。そして、「それぞれの世代の方が自分のこととして、それぞれの思いで受け止めてくださる作品だと思います。みなさんがそれぞれにふと立ち止まって、今あるものを大切にしていただける機会になればいいなと思いました」と期待を寄せた。
試写会前の舞台挨拶には堺、井川のほか坂元愛登、一色香澄、中村ゆり、椿鬼奴、吉瀬美智子、大森南朋、土井裕泰監督も登壇した。(錦怜那)


