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「ばけばけ」花田旅館の夫婦、アドリブに見える演技も「台本通り」制作統括が明かす舞台裏

花田旅館の主人・花田平太(生瀬勝久)と妻・ツル(池谷のぶえ)
花田旅館の主人・花田平太(生瀬勝久)と妻・ツル(池谷のぶえ) - (C)NHK

 第7週に突入した高石あかり(高=はしごだか)主演の連続テレビ小説「ばけばけ」(NHK総合・月~土、午前8時~ほか ※土曜は1週間の振り返り)では、ヘブン(トミー・バストウ)が滞在した花田旅館の主人・花田平太(生瀬勝久)と妻・ツル(池谷のぶえ)の小気味好い演技がドラマに不思議なリズム、温かみを添えている。制作統括の橋爪國臣が、生瀬と池谷の起用理由、息の合った二人の演技について語った。

【画像】トキ(高石あかり)、恐怖と緊張の女中生活…

 連続テレビ小説の第113作「ばけばけ」は、松江の没落士族の娘・小泉セツとラフカディオ・ハーン(小泉八雲)をモデルに、西洋化で急速に時代が移り変わっていく明治日本の中で埋もれていった人々をフィクションとして描く。「怪談」を愛し、外国人の夫と共に、何気ない日常の日々を歩んでいく夫婦の物語。

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 橋爪は生瀬と池谷の夫婦役について「生瀬さんものぶえさんも、以前ご一緒したことがあります。のぶえさんのお芝居が本当に大好きで、自分が携わる作品にチャンスがあれば出てもらいたいと、いつも考えていました。(池谷は)舞台を中心に活動する役者さんで、舞台のスケジュール上、出演が叶わないことが多いのですが、今回はスケジュールの調整がつき、出演いただけることになりました。生瀬さんもお忙しい中、スケジュールが合いました。この二人が一緒にやるときっと楽しいぞと思っていたので、出演が決まった時はすごく嬉しかったです」と起用時の心境を振り返る。

 花田旅館については、「八雲が宿泊していた富田旅館の資料があり、参考にしています。富田旅館に寝る小泉八雲の写真まで残っています」と資料が多いため、ドラマ化する上で描きやすい舞台であったという。「富田旅館の女将さんに取材した資料も残っていますし、この旅館のご子孫である方にも、松江に行った際に当時の話を聞くことができ、当時の間取りなどもわかっていて、セットもそれを参考にして作りました」

 11日放送の第32回では、ヘブンの元で女中として働くことになったトキ(高石)を心配し、平太とツルが同じく旅館で働き、女中の経験があるウメ(野内まる)をできるだけトキと一緒にいさせて、女中の仕事やヘブンの扱い方を彼女から学べば良いと提案する。このシーンでは、生瀬と池谷、トキのコミカルな芝居が作品に独特の和やかさ、温かみを生み出している。

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 生瀬や池谷のアドリブを思わせるような演技について、橋爪は「アドリブではなく、台本通りのシーン」と告白。「結構アドリブの芝居が多そうに見えると思いますが、そこまで多くありません。セリフ自体は台本通りです」と撮影の舞台裏を紹介する。

 また橋爪は「生瀬さんも取材を受けた時におっしゃっていましたが、花田旅館は全体の中で一種の清涼剤のような存在。いろいろなことが起こる中、あそこだけは明るさが担保されています。そこはやっぱり見ていて楽しい方たちに演じてほしいと思っていましたし、コントのようにやるのではなく、“素でやっているけど楽しい”という感じにしたかった。生瀬さんものぶえさんも、それができます。この二人の会話のテンポなら、いつまでも聞いていられるような魅力があると思っています」と二人の演技の魅力についても語っていた。(取材・文:名鹿祥史)

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