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日本の「蒸発」に迫るドキュメンタリー映画『蒸発』3月14日公開決定

(C) 2024 OSSA FILM, BR, MORI FILM

 日本の蒸発という現象に迫り、40以上の国際映画祭で絶賛されたドキュメンタリー映画『蒸発』が、3月14日(土)より全国順次公開されることが決定した。あわせて、ポスタービジュアルと予告編が公開されている。

【画像】映画『蒸発』フォトギャラリー

 日本では毎年約8万人が失踪し、そのうち数千人は「蒸発者」といわれ、完全に姿を消してしまうという。本作は、借金苦や人間関係のトラブルなどさまざまな理由から、すべてのしがらみを捨て新しい生活を始める人々と、それを支援する「夜逃げ屋」の仕事に密着。失踪者と残された人々の心の葛藤と和解の道のりを、没入感のある映像で描いている。

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 監督を務めたのは、ドイツ人映画作家のアンドレアス・ハートマンと、ベルリンと東京を拠点に活動する映像作家の森あらた。ハートマン監督は「日本社会の中ではしばしば見えにくい『隠された世界』への扉が開かれました」「あえてセンセーショナルな表現を避け、人々の声に静かに耳を傾ける姿勢で制作に臨みました」と語り、森監督は「蒸発者が新たな地で探しているのは、自由や安全だけでなく『自分自身』だということです」とコメントを寄せている。

 本作はミュンヘン国際ドキュメンタリー映画祭で最優秀作品賞を受賞したほか、世界各地の映画祭で高い評価を得ている。なお、出演者の身元保護を目的として、AI技術を用い一部の顔や音声に加工が施されている。映画『蒸発』は3月14日(土)よりユーロスペースほか全国順次公開。両監督のコメントは以下の通り。

アンドレアス・ハートマン監督 コメント

10年ほど前、日本滞在中に「蒸発」という現象、そして人生をやり直す手助けをする「夜逃げ屋」の存在を知りました。自らの意思で姿を消すという選択の裏にある、深い喪失感と可能性に強く惹かれました。
外国人である私の視点と、長年日本を離れて暮らしてきた共同監督・森あらた氏の視点が重なり合うことで、日本社会の中ではしばしば見えにくい「隠された世界」への扉が開かれました。本作は、日本特有の社会現象を記録するにとどまらず、人間の心理に迫る普遍的な試みでもあります。私たちはあえてセンセーショナルな表現を避け、人々の声に静かに耳を傾ける姿勢で制作に臨みました。
この作品が、社会的規範、家族や職業といった日本社会の構造について、判断や非難を加えることなく、注意深く、そして敬意をもって考えるきっかけとなることを願っています。

森あらた監督 コメント

人生の半分を欧州で暮らしてきた私にとって、生まれ育った日本は半ば遠い国でした。しかし本作を通じ、この国の新たな側面、そして日本人としての自分自身を再発見することができました。
「蒸発」は広く知られながらも、日本社会の暗黙のタブーです。制作を通して驚かされたのは、この言葉にまつわる個人的な物語を、一見普通の人々が誰もが一つは抱えているという事実でした。本作では、複雑で周縁的でありながら同時にどこにでも存在する、目に見えないブラックホールのような世界を描いています。そこで私たちが気づいたのは、蒸発者が新たな地で探しているのは、自由や安全だけでなく「自分自身」だということです。
世界各地で上映されてきた本作が、ついに日本で配給されることを光栄に思います。この記録が、皆さんの心に秘めた物語とどこかで重なることを願っています。

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