「Tシャツが乾くまで」脚本家が蒼井優に圧倒されたシーン “何とか悲しみをごまかしている”さまを見事に

(C)TBS

 蒼井優が主演を務める、7月期TBS系・金曜ドラマ「Tシャツが乾くまで」(毎週金曜よる10時~)の脚本を務める生方美久が、タイトルに込められた意図や、キャラクターの作り方、これまで放送されたなかで特に印象に残ったシーンなどについて語った。

【画像】事故からもうすぐ一年…第5話場面写真

 本作は、とある事故がきっかけで、当たり前に続いていくと思っていた幸せな日常が、突如崩れ去ってしまった瀬尾咲子(蒼井優)と瀬尾充(松山ケンイチ)、園田樹生(中島歩)と園田あずさ(夏帆)の二組の夫婦の喪失から始まる愛と秘密を描くストーリー。脚本を、ドラマ「silent」(2022年・フジテレビ)、「いちばんすきな花」(2023年・フジテレビ)、「海のはじまり」(2024年・フジテレビ)などの生方美久が手掛けた。

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 これまで放送されたなかで特に印象に残ったシーンとして「周りの人から「あそこすごかったね」と言われたのが、第1話の警察で咲子が充の遺品を見たときに、少し笑ってしまうシーンです」と語る生方。

 「脚本を書くにあたって、ご遺族の反応についても調べました。その中で、落ち込む、泣くということはもちろんありますが、予期せぬ死を迎えると、ある種のパニックになって、余計なことを言ってしまったり、笑ってしまったりという反応が自然にあるらしいんです。でもそれをドラマで描くと、視聴者からは「もっと悲しむだろう」とか「普通は笑わないだろう」と思われてしまいがち。だから、お芝居の塩梅(あんばい)によってすごく見え方が変わってくるだろうなと思っていたのですが、蒼井さんが、“何とか悲しみをごまかしている”さまを見事に演じてくださいました」

 脚本執筆にあたって「夫婦」や「結婚」についてもリサーチしたといい「ただ、調べれば調べるほど「人それぞれすぎる」となってしまいました(笑)。夫婦の在り方に正解はありません。年齢のせいもあるのかもしれませんが、私の周りは結婚を最終目的とした婚活のマッチングアプリをする人が多いんです。マッチングアプリを通して出会った二人は、知りたい情報を開示し合った上で「じゃあ付き合います」「じゃあ結婚しましょう」となる関係性だと思います。隠し事があるかないかはそれぞれですし、今回のドラマの中に直接込めたわけではないですが、最初から情報を開示している夫婦が増えている中で、“言えなかったことを持っている夫婦”というのは面白いかも、とは思いました」と振り返る。

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 キャラクターを作るにあたって意識したことについては「今回、キャラクターを分かりやすく対照的にすることはなかった」とのこと。

 「例えば男性だったら、樹生と充を真逆のタイプにしようと意識することはなくて、主人公の咲子を中心に置いたときのバランスを考えました。「いなくなっても信じたい」という思いを貫くくらい充のことが好きな咲子がいて、樹生は充とは少し違うタイプだけど、どこか安心感みたいなものを抱いてしまう相手。でも恋愛にすぐ踏み込むのは違うな、みたいな感じで。現実の恋愛でも、過去の恋人を思い返したときに、「全員同じタイプだった」という人もいるけど、「こういう人もいたし、ああいう人もいた」みたいな人の方が、案外多いじゃないですか。それと一緒です。ただ、咲子と樹生は、お互いに(夫と妻を)“喪失”しているので、匂いや境遇など、似ている部分に惹かれることもあれば、違うから安心することもある。矛盾するけれど近づいてしまうところは、調整しながら作っていきました」

 タイトルの「Tシャツが乾くまで」については、「実はTシャツではなくて、Yシャツという案もあった」という。

 「お題をいただいて企画を具体化するなかで、“コインランドリー”という場所や、“洗濯”をメタファーにした作品を作りたいと思いました。それを元にタイトルも考えていきました。スタッフさんとも「じゃあ、『何かが乾く』みたいな要素を入れたいですね」と話をしていく中で、実はTシャツではなくて、Yシャツという案もあったんです。でも、「Yシャツだと一気に“不倫感”が上がりませんか?」となって(笑)。その点、Tシャツは、男女の差があまりないフラットなもの。含みを持たせる意味で、『Tシャツが乾く前に』という案もありましたが、語呂などを考えて、最終的に『Tシャツが乾くまで』に行き着きました。このタイトルだと、どういう話なのかは分からないけれど、逆に興味を引くかなと。そういう意味でも気に入っています。周りからも「タイトルいいね」と、すごく言っていただきます」とタイトルの意図を明かした。

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