『スリー・キングス』特集

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ジョージ・クルーニ  インタビュー 





  気に入ったものを見出したら それを手に入れるために、何でも試してみるのさ
『スリー・キングス』に自分がハマリ役であるとデヴィッド・O・ラッセルを説得しなければならなかったと聞いたんだけど。
C ジョージ・クルーニー(以下、C) ああ、その通 りだ。恐らく脚本は本来クリント・イーストウッドを想定して書かれていたんだ。僕とクリントの役はしばしば重なるんでね(とここで、『続・夕陽のガンマン』の旋律を口ずさむ)。
そうね、二人ともとてもよく似ているわ。
C そう、だから……、元の形のままでやるわけにはいかなくなった。結局、脚本を修正して、役を少し若返らせたんだ。メル・ギブソン、ニコラス・ケイジ、あるいは僕より上のランクのお馴染みのメンツでいこうとしていたようだ。僕はいつも、誰が役を手に入れ損なうか、誰がこの手の役柄に食指を動かさないかを見定めながら、辛抱強く順番を待ち続けなければならない。そして幸いにも、今回は皆さん大変お忙しかったんだよ。
でもあなただって大スターでしょうに、ジョージ?
C 冗談はよしてくれよ。
でも役はしっかりと掴んだわ。
C 昔、僕はトレーラーの清掃員をやっていたが、今はシャベルを担いでクリントの馬の後を追い回す馬丁をやっているようなものさ。それでも、僕の尻を追い回している奴なんかに比べると、なんぼかマシな仕事ではあるけどね(笑)。僕は幸運だった。僕はデヴィッドの後をつけ回し始めた。彼は僕のことなんかてんで眼中になかったもんでね。彼はニューヨークに戻ってきていてまさにこのホテルに投宿していたんだが、僕は彼を追ってエセックスの自宅にまで押し掛け、そしてひたすら言い続けていた。「なあ、頼む、ケチらないでその仕事を僕に回してくれよ」ってね。そして、彼の農場にいる動物たちを背景に彼の写 真を何枚か撮って渡したんだが、それが効果てきめんだったんだ。いずれにせよ、この仕事にありつくために、僕がしばらくの間、彼をストーキングしていたのは紛れもない事実だよ。
当初、彼は何て言っていたの?「君は役には若すぎる」、「もう他の人間に配役済みだ」、それとも「君には当惑させられているんだ」とでも?
C まあ、そんなところだ。彼はほとほと僕には困り果 てていたよ。「君は『ファクツ・オブ・ライフ』に出演するんだろう? どんなことがあったってお断りだ!」とね。主だった議論は僕以外の他の人間に関するものばかりだった。彼はニコラス・ケイジを切望していた。彼こそがまさに適役だと思っていたんだ。それにメルにもものすごく興味を抱いていたね。だけど二人とも御多忙で、結局実現しなかったのさ。神の御加護さ。いつだってそうなんだ。待てば海路の日和ありってね。「ER」のときも僕はまさに同じことをやっていたんだ。もし自分の気に入ったものを見出したなら、遮二無二突き進むべきだ。そして実際手に入れられるか否か、ともかくも試してみるべきだ。だって、万一だめだったとしても、そのときはまた次を狙えばいいだけの話なんだから。そう、手に入れるためになら、僕はどんなことだって試してみるのさ。
  より討議されるべきなのは ある政策によって実際には、何が起きたのかということだ
以前、観客が『スリー・キングス』にどんな反応を示すか見当がつかないって言っていたけど、現時点ではどんな予想を立てているの?
C 概ねいい手応えを感じているよ。この映画のすごいところは、観た人間の90パーセントが映画に熱狂し、残る10パーセントが露骨に嫌悪感を表すということさ。この反応には満足しているんだ。昨日、パーティにやってきていたある女の子と同席したんだが、僕はちょうど来賓たちを議論でやり込めているところだった。議論はまさに白熱していて、実際、ショットガンを口にくわえて、爪先で引き金でも引かない限り、互いに向かって自分の意見を何もかもぶちまけてしまうような状態にあった。だから僕は収拾を図って一喝した。「じゃあ、君はあの映画をどんな風に考えているんだ?」ってね。その女の子はため息をついたきり、一言も口にしようとはしなかった。僕は促した。「思ったことを言えよ」。すると彼女はこう言ったんだ。「あんな映画、心底嫌いよ」ってね。僕は言ったさ。「わお」と一言ね。昨日はインタヴューを30ほどこなしたんだが、うち15人は部屋に入ってくるなり、まあ、似たような感想を述べていた。5人の人間は今年のベスト1だと讃えてくれた。残りの人は年間ベストのうちの一本だと言ってくれた。
その女性はどうして映画が気に入らなかったのかを説明してくれた?
C 暴力シーンさ。女性が銃で撃たれるんだ。明白な暴力だ。でも大変興味深いものなんだ。そのシーンの撮影中も撮影後も僕らはずっと議論を重ねていた。それが映画の分岐点になることは分かっていたからね。その後も議論は会社側との間で持たれ、僕らはそのシーンを削除する方向で話し合いを重ねていた。でも僕は言ったんだ。「このシーンはすごく効果 的だ。それにとても重要でもある」ってね。僕にはそれが映画全体のテーマの根幹に関わってくる暴力に思えたんだ。僕はその通 りのことを口にした。滅多にこんなことは言わないさ。こんな責任重大な暴力シーンなんてやったことがなかったからね。吸血鬼を皆殺しにしたからって、「この暴力に伴う責任は重大だぞ」なんて発言はまず出てこないだろう?
ヴァンパイアは本物の人間ではないわ。
C 確かに殺人とは言えないな。奴らはすでに死んでいるんだから。
人間は確実に変化したね。
僕らはラジオで育った世代を語り部にもつ最後の世代だ
あなたには第二次大戦に参戦した叔父さんがいなかったかしら?
C ああ、いたよ。叔父貴のジョージさ。B-17爆撃機のパイロットだった。
あなたの叔父さんは戦争に関してどんなことを話して聞かせてくれたの?
C そうだな。すごくおかしいんだ。あれはまた違った戦争だったからね。僕は友人のチャーリー・ダーニングとちょうど一本の映画を撮ったところだ。そして彼が湾岸戦争について語り始めたのはつい最近になってからのことなんだ。あの戦争から立ち直り、それを自分自身に受け入れるようになるためには、それだけの時間を要したのさ。そしてようやくごく最近になって思い口を開き始めたんだ。叔父貴のジョージはよく、防弾チョッキの上に腰掛けていたという話を聞かせてくれた。そうすれば、対空砲火を浴びた時でも睾丸を吹き飛ばされないで済んだんだとか言ってね。一事が万事その調子の話なんだ。でも僕がチャーリーから聞かされたのはその手の話なんかじゃなかった。その手のネタは朝鮮戦争の頃までは確かにあったのかもしれないけど、ベトナム以降、明らかに戦争は変質したんだ。
あなたの叔父さんがあなたの英雄像を育んだのかしら?
C そうだね。僕のヒーロー像を育て上げたのは彼だ、まさにその通 りだ。それも戦争とは一切関係なくね。彼は人が生涯に出会う中でも、最も才能に富んだユニークな人物の一人だった。誰の周りにだってそうした人物は必ずいるものだ。腰掛けた周囲に子供たち全員を呼び集めて、話して聞かせてくれるタイプの人間はね。彼は歓喜で部屋全体を満たしていた。一生のうち、2、3人にならそうした人物にも出会うはずだよ。
その時代の人間と今の時代の人間って、どこか違うと思う?
C 人間が変化したかってこと? 確実に変化したね。僕らはラジオで育った人間を語り部に持つ最後の世代だ。テレビ世代の人間には同種の話し方なんてできない。叔父貴はひとつの物語を一時間かけて話すことができるけど、僕は同じ物語を話したところで5分とは持たない。そして誰もが叔父貴の語り口には魅了されるんだ。僕はMTVヴァージョンに縮めないと人に伝えることができないんだ。
砂漠での撮影で一番困ったことって何?
C さあね。大抵の場合、毎朝起きることだけでも一仕事だったからね。
Marion Ross
訳:黒川健吉
  FLiX4月号(2/26発売)に、さらに詳細なインタビュー掲載中

 


(C) 1999 Warner Bros.All Rights Reserved


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『スリー・キングス』
1999年度作品
配給:ワーナーブラザーズ映画
2000年4月8より
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