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恵美のないしょ話3

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~第三回 救急車で運ばれる!~

 8月に入ると菊役の小日向文世が合流。様々な演技プランを定時できる実力派だけに、現場のテンションは一層上昇する。映画での女装は初めてであるが、初めてカメラの前に立ったその瞬間に声のトーンや歩き方まで変えてゆく。この難役が見事に具体化した。さらに、撮影が終わったあとは連日宿舎で派谷を相手に自主リハーサルを繰り返す。新人である派谷のテンションを少しでも引き上げようとする“俳優部”小日向氏の努力である。
8月3日
小学校のシーン。ゆかり役の中村桃花ちゃんと一緒。ほかの子供たちはすごく元気。なんで子供って集団でパワーを発揮するんだろう? おばんちゃんみたい。あぁ、子供はおばちゃんから生まれたから、おばちゃんに似るんだ! チアキが言い返すシーンで、リハーサルの方が絶対よくできてたのに、本番では上手くいかなかった。くやしい。でも、自分ができなかったんだからしょうがない。夜は、屋上のシーン。マネージャーの永野さんとの①泣かない②できないと言わずにやってみる、の約束を破ってしまった。ごめんなさい。とりあえず寝ます。

 

8月5日
病院。葉月君(子役)かわいい。あっち向いてホイした。そして負けた。葉月君てばセクハラ。ゆだんならない。今日は眠くてしようがない。待ち時間に寝ちゃった。しかも口半開きだったらしい。でも夜は、眠くならなかった。映画館(での撮影)は楽しかった。色んなチラシがいっぱいで飽きないし、おかしいっぱいあって、しあわせ。

 

8月6日
ミズエの家のシーン。エキストラの近所の子たちと仲良くなった。お祭りで秀平くん(弟と同じ名前)にヨーヨーもらっちゃった。七夕祭り行ったけど混んでてなんにもわかんなかった。

 撮影期間中の8月5日からは仙台の七夕祭り。撮影はお祭りの雑踏を避ける一方で、七夕のカラフルで、それでいて情緒豊かな飾りを画面 に積極的に取り込んでいくことになる。このころから、スケジュールは徐々にハードさを増し、連日早朝出発~深夜までの撮影が続く。さらにロケセットの狭さと暑さなども重なり、各パートは苦心の連続となる。

8月7日
今日は菊ちゃんが先に行ってチアキは12:00なのでらくちん。菊ちゃんの部屋のシーンでとんだりはねたり動きまくってたら、体中あざだらけ。でも自分で気づかなくて、どうしたの?ってきかれて初めて知った。にぶいのかな? 菊ちゃんの部屋はすっごいかわいい。虫がいっぱいかざってある。私もこんなお部屋に住みたい。

 柴崎幸三カメラマンは今回がはじめてのスーパー16ミリを使っての撮影となるが、機動性をフルに生かしての撮影を試みる。特に芝居部分では長回しを多用することになったため、体力面 の勝負ともなる。アクティブなカメラワークに定評のある柴崎カメラマンでさえ「35ミリカメラでは重量 的にしんどかったかもしれない」というくらいハードな状況である。 そんな中、派谷が撮影中に過換気症候群となり、救急車で運ばれるというアクシデントが起こる。その日の撮影は中止、回復次第で撮影の続行も危ぶまれる事態に。しかし、幸いなことにその翌日はかねてより休日の予定で、この休みで回復。医者のOKも出て、撮影はなんとか折り返し点を過ぎる。

8月8日
倒れました。運ばれました。生まれて初めてのきゅうきゅう車。

 

 

8月9日
朝起きたら2:00だった。こんなに寝たのは、こっちに来て初めて。顔むくんでブサイク。今日は撮休で、お母さんと弟と永野さんがきた。えびフライ食べた。今日は楽しかった。

 

8月10日
菊ちゃんのアパート。かずのちゃんとか来る。昼ごろジュースじゃんけんして、負けた。この人数で? この確率で負けるなんて情けない。ユリちゃん&ヒースが来て、牛タン食べに行った。

 

つづく …


『非・バランス』
6月2日 公開決定!!

物語の主人公は、中学2年生の少女。身の回りに友だちはおろか、話す相手さえ作ろうとしないヒロインは、ふとしたきっかけで知り合った年上の友人と、友情ともとえる不思議な関係を築く。それまで孤立状態という深い穴に入り込んでいた彼女は、新たなる出会いをきっかけに希望ある未来へと飛躍するきっかけを得るのだ。
 他人との関係を敢えて断ち切っていたヒロインは、人と人との繋がりの大切さに気づく。孤独であることでしか自らの存在確認をなしえなかったヒロインが、生き方の根幹とも言えるコミュニケーションの大切さに気づき、しなやかさ、たくましさを合わせ持って鮮やかに成長する様を描く。

STAFF/CAST
製作=長谷川憲、岸田卓郎、藤峰貞利/企画=サンダンス・カンパニー/原作=魚住直子「非・バランス」(講談社刊)/監督=冨樫森/脚本=風間志織/撮影=柴崎幸三/照明=尾下栄治/美術=三浦伸一/編集=川島章正/衣裳=宮本茉莉/音楽=川崎真弘  


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