ダンストは、男性誌「マキシム」2000年秋号に見開きで掲載された、彼女の挑発的な写真に対する人々の熱狂ぶりにいささか当惑気味のようだ。
「私には自分のキャリアにとってなかなか賢い選択だと思えたのよ」 「『チアーズ!』のいい宣伝にもなったし。でも、あれは昔のこと。だからこれから先ああいうことはもうしないわ。私の中では終わってるのよ。あれは、映画の宣伝を助けて……、キルスティンは大人になりました。以上、おしまい!」
もし『クレイジー/ビューティフル』にヌードシーンが残っていたとしても、いず れ編集段階でカットされていただろうとダンストはつけ加える。タッチストーンが“PG―13”(13歳以下の鑑賞には親の強い注意が必要な映画)指定での公開を望んでいたからだ。それでもまだきわどいシーンが残されていることに、彼女は驚いている。
「かなり過激に撮られてるのよ。なのに、あれだけアブないシーンを残せたなんて、うまくやったわよね。もう、可笑しくって」
この問題に対して、リスク覚悟で賭けに出たのは誰でもない監督ジョン・ストックウェ ル──現在へヴィメタルドラマ『ロックスター』を監督中──だったと、ダンストは
言う。
「何が挑戦だったかというと、ふつう、映画にかかわる人たちが、取り除いたり、ソ フトタッチにしようとするものをあえて映画に残したこと。周りの人たちは“ニコル”をもっとましなキャラクターにしたがったわ。ニコルって、映画の冒頭から観客の誰もが好きになれないような役だったから。でもそこが、この映画の大切なポイントなのよ。映画会社は、こういうリスクを負うことをたまに怖がることがあるの。でも、彼らは私たちに、好きなようにやらせてくれたから、私はすごくハッピーだったわ」
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