『I am Sam アイ・アム・サム』での演技には正直、鼻白んでしまったのだが、今回ばかりはショーン・ペンにやられた。少年時代にトラウマを受けた大人という役柄のティム・ロビンスは玄人ウケするだろうが、ペンの演技はストレート、全身全霊でなりきってる。たぶん、警官に取り押さえられるシーンなどは本気で暴れてるはず。ここは泣けたなぁ。妻役ローラ・リニーも素晴らしい。「あなたはキングなの。あなたのすることは間違いないの」という極妻らしい持論をぶちかまし、ダンナのペンを励ますリニー。人道的には間違いでも、母の強さを感じさせてド迫力。頭と気の弱そうなマーシャ・ゲイ・ハーデンもよろしい。あまりに役者が揃いすぎて、ケヴィン・ベーコンの影が薄かったのが気の毒だ。